読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

読書 作家別は行

ひとめぼれ 畠中恵著 文藝春秋 2017年

『まんまこと』シリーズ。 わかれみち 札差の娘・お由有と揉めて、上方へ追いやられた男・達三郎。金に飽かして武家に養子に入ろうとした商人の四男坊と彼を襲った元使用人。どうやら復讐のため、陰で動いていたらしい。 昔の約束あり 相馬吉五郎の元に、自…

狼と香辛料ⅩⅨ Spring LogⅡ  支倉凍砂著/文倉十イラスト  メディアワークス電撃文庫  2017年

シリーズ19冊目。 狼と花弁の香り ミューリのいなくなった湯屋で、石臼を探しに納谷に入ったロレンスとホロ。そこにあった空き小瓶に、旅商人だった昔のことを思い出す。修道院から頼まれて様子を見に行った東の村で、新米領主は水車の使用税を領民から取れ…

月下におくる(上)(下) 沖田総司青春録 堀川アサコ著 講談社文庫 2017年

嘉永六年、父を亡くした沖田宗次郎は、近藤親子が営む試衛館の内弟子となる。そこには近藤勇の幼友だち・土方歳三も入浸っていた。並外れた才でメキメキと頭角を現した宗次郎が道場破りを一手に引き受けるようになる中、相次いで美少年殺しが横行する。その…

平家物語 犬王の巻 古川日出男著 河出書房新社 2017年

壇ノ浦に子供がいた。二つに分かれた思惑で、壇ノ浦に沈んだ神器を欲した朝廷は、壇ノ浦の漁師に引き上げを頼む。子供の父親が依頼を受け、だがその剣を抜いた瞬間、漁師はその閃光に命を失い、共にいた子供は盲いた。 長じて子供は京に上がる。自分が失明し…

空想オルガン 初野晴著 角川書店 2010年

『ハルチカ』シリーズ3冊目。 ネタばれあります、すみません; ジャバウォックの鑑札 コンクール地区大会当日。草壁先生が来ない。急用で遅刻するとの連絡に、チカは心配で仕方ない。かつてのクラシック界の寵児と呼ばれた男の、高校教師としての復活に、周…

初恋ソムリエ 初野晴著 角川書店 2009年

ハルチカシリーズ2冊目。 ネタばれあります、すみません; スプリングラフィ 芹澤直子、ハルタやチカの同級生。プロを目指すレベルのクラリネット奏者で、素人と一緒にやってられるか、という筋金入りのアンチ吹奏楽部。なのに早朝、何故か音楽準備室に出入…

新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙  支倉凍砂著/文倉十イラスト  メディアワークス電撃文庫  2016年

『狼と香辛料』一世代後の物語。 ネタばれあります、すみません; 青年となったコルは永年の夢聖職者となるべく、温泉地ニョッヒラから旅立った。何故かロレンスとホロの娘・ミューリも一緒、目指すはレノスの町だったのだが、結局アティフへと向かうことに…

退出ゲーム 初野晴著 角川書店 2008年

連作短編集。 ネタばれになってるかも、すみません; 穂村千夏、高校一年生、廃部寸前の弱小吹奏楽部のフルート奏者。 上条春太、チカの幼なじみで同じく吹奏楽部のホルン奏者、完璧な外見と明晰な頭脳の持ち主。 音楽教師・草壁信二郎先生の指導のもと、廃…

狼と香辛料ⅩⅧ Spring Log  支倉凍砂著/文倉十イラスト  メディアワークス電撃文庫  2016年

『狼と香辛料』その後の物語。 旅の余白 ニョッヒラにて、温泉宿を開業して十余年。今まで宿を手伝ってくれていたコルは、本来の目標 聖職者になるべく家を出て、そしてホロとロレンスの娘ミューリも後を追いかけて行ってしまった。そしてロレンスの宿にミュ…

幻想温泉郷 堀川アサコ著 講談社文庫 2016年

『幻想』シリーズ。 探し物が得意なアズサは夏休みに帰郷し、元バイト先 登天郵便局を訪れる。登天郵便局は、亡くなった人が成仏する前に寄る郵便局。来た人は貯金窓口のオンライン端末で生前の善行を「功徳通帳」に記入し、地獄極楽門をくぐって次の世へと…

リーチ先生 原田マハ著 集英社 2016年

1954年、イギリス人陶芸家バーナード・リーチが大分の焼き物の里・小鹿田を訪れる。その世話係を命ぜられた高市は、亡父・亀乃介がかつてリーチに師事していたことを知らされる。 時は遡り1909年。横浜の洋食屋で働きながら芸術の世界に憧れを抱いていた亀乃…

三人の大叔母と幽霊屋敷 堀川アサコ著 文春文庫 2016年

こよみ村シリーズ三作目。 第一話 混戦、収穫祭 こよみ村中学校では文化祭のことを収穫祭と呼ぶ。「収穫祭の間に生徒が一人いなくなる」と書かれた貼り紙が、数回にわたって何者かに貼りだされた。折しも三年生の皆川麗華が、クラスの女王の座から陥落する、…

まことの華姫 畠中恵著 角川書店 2016年

連作短編集。 江戸は両国。暮れても提灯の明かりが灯る川沿いの茶屋は、夜も大賑わい。 通りの向こうの見世物小屋では、人形遣いの芸人、月草の名が最近売れてきている。 なんでも、木偶の姫様人形、お華を相方に、一人二役の話芸を繰り広げるのだという。 …

おおあたり 畠中恵著 新潮社 2016年

『しゃばけ』シリーズ。 おおあたり 栄吉の作ったあられ菓子が評判になった。若旦那も販促に手を貸して大当たり、これで栄吉も三春屋へ戻って来る、許婚お千夜と一緒になると思っていたら、栄吉はあんこ上手く作れるようになるまでは帰らない、という。その…

モダン 原田マハ著 文藝春秋 2015年

短編集。 ニューヨークの中心、マンハッタンに存在し、1920年代から「ザ・モダン」と呼ばれたモダンアートの殿堂。それが「MoMA」ニューヨーク近代美術館。近現代美術、工業デザインなどを収集し、20世紀以降の美術の発展と普及に多大な貢献をしてきたこの美…

王の厨房 僕僕先生 零  仁木英之著  新潮文庫NEX 2016年

『僕僕先生 零』二冊目。 ネタばれしてるかも、すみません; 調和が崩れ始めた世界を救うため、炎帝から宝具「一」の探索を命じられた拠比と僕僕。前回の失策を報告しに、二人は一旦炎帝の元に戻った。途中離れ離れになる拠比と僕僕。僕僕は意思を持つ蟠桃に…

祈りの幕が下りる時 東野圭吾著 講談社 2013年

加賀刑事のシリーズもの。 ネタばれあります、すみません; 小菅にあるアパートの一室から、女性の腐乱死体が見つかった。本来の居住者・越川睦夫は行方不明。被害者女性はおそらく滋賀県在住の独身女性、押谷道子のようだ。面倒見のいい彼女は、有料老人ホ…

マスカレード・イブ 東野圭吾著 集英社文庫 2014年

『マスカレード・ホテル』前日譚。 ネタばれあります、すみません; それぞれの仮面 山岸尚美がホテル・コルテシア東京のフロント業務に就いて間もない頃。 尚美は大学時代に付き合っていた先輩・宮原と、ホテルマンと客として再会する。就職を機に別れた彼…

若様とロマン 畠中恵著 講談社 2016年

一見平和そうに見える明治の世の中に、不穏な空気が漂いはじめていた。 数年以内に”戦争”が始まるかもしれない――。 成金のひとり、小泉琢磨は、戦へと突き進む一派の意向をおさえるべく、動いていた。が、このままでは開戦派のやりたいようになってしまう、…

小説 素敵な選TAXI バカリズム著 ポプラ文庫 2016年

ドラマの脚本として執筆された作品を、小説にリライトした作品集。 ネタばれになってるかも、すみません; 第一話 男と女の選択肢 枝分はケーキセットも自分で選べないほどの優柔不断。時を遡って人生をやり直しできる「選TAXI」の運転手。 売れない役者・村…

おせっかい屋のお鈴さん 堀川アサコ著 角川書店 2016年

連作短編集。 わたしを裏切ったら、きっと祟るわよ 東北の都・仙台にある本当寺には、振袖姿のかわいい幽霊・お鈴さんが住んでいます。 お鈴さんは大きな呉服屋の一人娘。ある未練を残して17歳で死んでから、かれこれ160年も浮世をさまよっているのです。 一…

明治・金色キタン 畠中恵著 朝日新聞出版 2015年

シリーズ2冊目。 第一話 赤手と菜の花 銀座四丁目の派出所勤務・原田と滝の両巡査は、ある日、内務省のお偉方に、護衛の任務を言い付かった。築地本願寺近くにある甫峠寺の別院で、廃仏毀釈の折に僧侶や仏像ともども追放された廃寺を、いよいよ潰すに当たっ…

予言村の同窓会 堀川アサコ著 文藝春秋 2015年

シリーズ2冊目。 第一話 恋愛ジャック! こよみ村中学校同窓会が開かれた。何しろ小さな村なので、村民全員が参加者のようなもの、幹事も村役場が勤める始末。ところが同窓会の真っ最中に、幹事の一人・水野香澄とその友人・片倉和夫が、猟銃を持って乗り込…

うずら大名 畠中恵著 集英社 2015年

連作短編集。 若き日に同じ道場に通った貧乏武家の部屋住み・有月と百姓の三男・吉也。金もなく、家にも町にも居場所がなく、この先どうやって生きていけばいいのかと悩む日々を共に過ごしてきた。 時は流れ、吉也は東豊島村の村名主となり吉之助と改名。あ…

おちゃっぴい 大江戸八百八 堀川アサコ著 講談社 2015年

連作短編集。 ネタばれあります、すみません; 第一話 怪人 幼馴染の桃助が行方不明になってもう6年。剣術道場六道館の師範代・巴と彫師の青治ももう桃助の生存を諦めていた。そんな折、江戸の町に流れる「生きミイラ」の不穏な噂。青治の元にやってきた博徒…

なりたい 畠中恵著 新潮社 2015年

『しゃばけ』シリーズ連作短編集。 妖になりたい 体が弱くて満足に働けない若旦那、せめて製品開発を、とハンドクリームの元祖を思い付いた。材料の蜜蝋を手に入れようと、養蜂をしている甚兵衛に声をかけると、甚兵衛は己の願いを叶えてくれないと蜜蝋を売…

夢幻花 東野圭吾著 PHP研究所 2013年

独り暮らしをしていた老人・秋山周治が何者かに殺された。遺体の第一発見者は孫娘の梨乃。梨乃は祖父の死後、庭から消えた黄色い花のことが気にかかり、ブログにアップする。ブログを見て近づいてきたのが、警察庁に勤務する蒲生要介。その腹違いの弟・蒼太…

武士道ジェネレーション 誉田哲也著 文藝春秋 2015年

シリーズ4冊目。 剣道少女たちの「武士道」シリーズ、6年ぶりの最新刊。 宮本武蔵を心の師と仰ぐ磯山香織と、日舞から剣道に転進した変り種の甲本(西荻)早苗。高校を卒業後、早苗は一浪ののち、大学の文学部で日本文化を専攻。だが、留学生との文化や歴史…

人類資金 Ⅶ 福井晴敏著 講談社文庫 2015年

『人類資金』最終巻。 ネタばれになってるかも、すみません; 本庄が命と引き替えに手に入れた“爆弾”を託された真舟と美由紀は関西最大の広域暴力団と組み、世界の株式市場を相手に壮絶な仕手戦を仕掛ける。期限はわずか三週間。ローゼンバーグ財団の裏工作…

禁断の魔術 東野圭吾著 文藝春秋 2012年

『ガリレオ』シリーズ8冊目。 第一章 透視す(みとおす) 銀座のクラブに勤めていた女 相本美香が殺された。透視能力を売りにしていた彼女は、草薙刑事や湯川准教授とも顔見知りだった。彼女の能力のからくりを解こうと、湯川が動き出す。 第二章 曲球る(…