読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

読書 作家別あ行

777 トリプルセブン 伊坂幸太郎著 KADOKAWA 2023年

「殺し屋」シリーズ第二弾、なのかな。 ネタばれになってる気がします、すみません;そのホテルを訪れたのは逃走中の不幸な彼女と、不運な殺し屋。そして――。 累計300万部突破、殺し屋シリーズ書き下ろし最新作『マリアビートル』から数年後、物騒な奴らは何…

禍(わざわい) 小田雅久仁著 新潮社 2023年

短篇集。ネタばれあります、すみません; 食書 多目的トイレの中で、本の頁を食べている女に出くわした。「一枚食べたらもう引きかえせないからね」――女の言葉に、小説家の「私」はかえってそそられ、処分予定だった本を口にしてしまう。それは本の中、小説…

青木和子の小さな刺しゅうの旅 青木和子著 日本ヴォーグ社 2021年

青木和子さんが気になる場所と人に会いに旅に出掛けます。フローリストやハーブ園、パティシエなど、訪ねる先は思いや情熱をもって活動している人たち。お話をし、またその場所を訪れたことで得られたインスピレーションが刺しゅうになります。15か所のお話…

鬼平犯科帳[決定版](五) 池波正太郎著 文春文庫 2017年

シリーズ6冊目。文春文庫として1978年発刊されたもののリニューアル版。 深川・千鳥橋 大工の万三は胸を病み、自分の寿命があと僅かなことを自覚している。馴染みの茶汲女 お元に多少なりとも金を残してやりたいと、自分が手掛けた商家の間取り図を盗賊に売…

珈琲店タレーランの事件簿5 この鴛鴦茶がおいしくなりますように 岡崎琢磨著 宝島社 2016年 

シリーズ5冊目。ネタばれあります、すみません; アオヤマは11年ぶりに初恋の女性 眞子と出会う。彼女はアオヤマが理想のコーヒーを探し求めるきっかけになった女性だった。 第一章・少女のショートカットはなぜ魅力的だったのか? 入学した中学になかなか…

華胥の幽夢 十二国記 小野不由美著 講談社X文庫ホワイトハート 2001年

十二国記シリーズ短篇集。 「夢を見せてあげよう」――しかし、荒廃と困窮を止められぬ国。采王砥尚の言葉を信じ、華胥華朶の枝を抱く采麟の願いは叶うのか。『華胥』 「暖かいところへ行ってみたくはないか?」――泰王驍宗の命で漣国へと赴いた泰麒。雪に埋も…

物語の種 有川ひろ著 幻冬舎 2023年

読者その他から「物語の種」を募集、そこから発想を広げた短編集。 第一話 SNSの猫 この半年ほど、彼女の推しは近所の保護猫カフェの一匹だった。まるでタキシードのような白黒模様、名前はずばり「タキシード仮面さま」。SNSに上がる画像に身悶えする日々、…

夜果つるところ 恩田陸著 集英社 2023年

ネタばれになるのかな、すみません; 執筆期間15年のミステリ・ロマン大作『鈍色幻視行』の核となる小説、完全単行本化。「本格的にメタフィクションをやってみたい」という著者渾身の挑戦がここに結実…! 遊廓「墜月荘」で暮らす「私」には、三人の母がいる…

鈍色幻視行 恩田陸著 集英社 2023年

ネタばれになってるかな、すみません; 『夜果つるところ』――作家 飯合梓のデビュー作にして代表作。妓楼の中で暮らす、三人の母親を持った子の物語は、映像関係者を惹き込んだ。三度映像化が具体化されて、その都度不幸な事故が起き、「呪われた映画」と囁…

笑って人類! 太田光著 幻冬舎 2023年

ネタばれになってるかな、すみません;子供達よ、信じるんだ。未来はいつも面白い。世界の平和のため、ダメダメ総理が獅子奮迅!? 主要国リーダーが集結する“マスターズ和平会議”に極東の小国・ピースランド首相が、まさかの遅刻。そのおかげで惨劇を免れた彼…

黄昏の岸 暁の天(そら)上下 十二国記 小野不由美著 講談社X文庫ホワイトハート 2001年

登極から半年、疾風の勢いで戴国を整える泰王驍宗は、反乱鎮圧に赴き、未だ戻らず。そして、弑逆の知らせに衝撃を受けた台輔泰麒は、忽然と姿を消した! 虚海のなかに孤立し、冬には極寒の地となる戴はいま、王と麒麟を失くし、災厄と妖魔が蹂躙する処。人は…

図南の翼 十二国記 小野不由美著 講談社X文庫ホワイトハート 1996年

恭国は、先王が薨れてから二十七年。王を失くした国の治安は乱れ、災厄は続き、妖魔までが徘徊するほどに荒んでいた。 首都連檣に住む朱晶は、豪商の父をもち、不自由のない生活と充分な教育を受けて育った。しかし、その暮らしぶりとは裏腹に、日ごとに混迷…

櫻子さんの足下には死体が埋まっている Side Case Summer 太田紫織著 角川文庫 2022年

シリーズ番外編。 File.1 アクリシオスとまだらの紐 祖父をマムシで殺した、と自首した少女 吉沢雛美。彼女は母親の再婚相手と反りが合わず、父方の祖父の家に入り浸っていたらしい。事件に興味を持った えぞ新聞記者 八鍬士は、櫻子に紹介して貰った爬虫類…

風の万里 黎明の空 上下 十二国記 小野不由美著 講談社X文庫ホワイトハート 1994年

慶国に、玉座に就きながらも、王たる己逡巡し、忸怩たる思いに苦悩する陽子がいた。 芳国に、王と王后である父母を目前で殺され、公主の位を剝奪されて哭く祥瓊がいた。 そして、才国に、蓬莱で親に捨てられ、虚海に落ちた所を拾われて後、仙のもとで苦行を…

鬼平犯科帳[決定版]4 池波正太郎著 文春文庫 2017年 

初版は1976年、シリーズ4冊目。 霧の七郎 絡んで来たごろつきを追い払った手腕を見て、霧の七郎は行きずりの浪人 上杉周太郎に長谷川平蔵の息子 辰蔵殺害を依頼した。だが、上杉浪人は結局辰蔵と意気投合、あっさり暗殺をやめてしまう。上杉は長谷川平蔵ら…

ダブル・プロット 岡嶋二人著 講談社文庫 2011年

短編集。 1989年発刊した文庫本『記憶された殺人』に、未収録作品三本を加え再編成したもの。井上夢人と新保博久の解説付。 ネタばれになってるかも、すみません; 記録された殺人 植松広太郎は語る。勤め先のマーケティング会社に男が乗り込んで来た。とあ…

烏の緑羽 阿部智里著 文藝春秋 2022年

『八咫烏』シリーズ。 ネタばれあります、すみません; 長束は、側近の路近の思考が分からない。時折見せる暴力性など不気味に思うが、その感情は奈月彦にも理解して貰えない。愚痴じみたものを零していると、奈月彦から清賢を紹介された。清賢は路近の師匠…

赤ずきん、ピノキオ拾って死体と出会う。 青柳碧人著 双葉社 2022年

シリーズ2冊目。 第一幕 目撃者は木偶の坊 森の猟師のおじさんの家へ行く道で、赤ずきんは一匹のキツネと黒ネコと三毛ネコと出会います。彼らは木でできた腕を落として行きました。ひとりでに動くその腕との筆談で、赤ずきんは≪親指一座≫サーカス団に向かい…

神々の宴 オーリエラントの魔導師たち 乾石智子著 創元推理文庫 2023年

連作短編集。 ネタばれになってるかも、すみません; セリアス イザベリウスとロルリアの夫妻は魔道師。村人の求めに応じて地下水脈の流れを整えた所、総督の地方代理人ボツモスに目を着けられた。悪い噂を流され、じわじわと村の雰囲気が悪くなっていく。襲…

なんとかしなくちゃ。青雲編 1970-1993 恩田陸著 文藝春秋 2022年

梯結子は1970年生まれ。大阪の海産物問屋の息子と東京赤坂の老舗和菓子屋の娘の間に、四人兄弟の末っ子として育った。理系で京都の大学に行った長兄 渡、要領がよく人好きのする次兄 豊、可愛いものが好きでセンスのいい華やか美人の姉 友子。結子自身は 一…

南海ちゃんの新しいお仕事 階段落ち人生 新井素子著 角川春樹事務所 2022年

ネタばれあります、すみません; 「あたし」高井南海は、元カレを追いかけているうちに歩道橋の上から転がり落ちた。あらぬ方向に曲がった足、広がって行く血溜まり。通りすがりの目撃者が救急車を呼んでくれたが、病院に着くころにはかすり傷しかなくなって…

東の海神 西の滄海 十二国記  小野不由美著 講談社X文庫ホワイトハート 1994年

「国がほしいか? ならば、一国をお前にやる」 これが、雁州国延王・尚隆と、延麒・六太とが交わした誓約(ちかい)だった。 民らが、かつての暴君によって廃墟となった雁国の再興を願い続けるなか、漸く新王が玉座に就いたのだ。それから二十年をかけて、黒…

風の海 迷宮の岸 上下 十二国記 小野不由美著 講談社ホワイトハート 1993年

麒麟は王を選び、王にお仕えする神獣。金の果実として蓬山の木に実り、親はいない。かわりに、女怪はその実が孵る日までの十月を、かたときも離れず、守りつづけるはずだった。しかし、大地が鳴り、大気が歪む蝕が起きたとき、金の実は流されてしまった! そ…

香君 下 遥かな道 上橋菜穂子著 文藝春秋 2022年

ネタばれあります、すみません; 海辺では育たない筈のオアレ稲。だが、オゴダ藩は独自に研究を重ね、帝国から規定された肥料の量を減らすことで、より強い稲を育て上げていた。しかもこの稲は、オオマヨにたかられても平気なほど太く丈夫だった。 オアレ稲…

香君 上 西から来た少女 上橋菜穂子著 文藝春秋 2022年

ネタばれあります、すみません; 西カンタル藩の元王の血筋として、現王のヂュークチに掴まり、殺されそうになった少女アイシャ。だが、彼女の類稀な嗅覚の良さに気付いた藩王国視察官のマシュウは、アイシャを秘密裏に救い出し、〈リアの菜園〉に送り出す。…

岡田斗司夫ゼミのサイコパス人生相談 岡田斗司夫著 インプレス 2022年

人間である以上、生きていれば悩みの一つや二つはあるでしょう。でも、本当に悩んでいることほど、悩みを知られるのが恥ずかしく、身近な人には相談できずにいる人も多いはず。 そんな迷える子羊たちが最後の希望を託す、人生相談。回答を担当するのは、朝日…

リコリス・リコイルーOrdinary daysー アサウラ著/いみぎむる イラスト/Spider Lily原案・監修 KADOKAWA電撃文庫 2022年

アニメ『リコリス・リコイル』のスピンオフ小説。 イントロダクションⅠ フリーライターの徳田は喫茶リコリコの常連。美味しいコーヒーとそれにあう和菓子を出すこの店を雑誌で紹介したいと申し入れるが、マスターのミカに断られてしまった。 第一話 『閉じ行…

濱地健三郎の呪える事件簿 有栖川有栖著 角川書店 2022年

シリーズ3冊目。 ネタばれあります、すみません; リモート怪異 コロナ禍で、元の職場の先輩とリモート飲み会をしたユリエ。やはり別のリモート飲み会で心霊現象で担がれた、とのエピソードを話す先輩の後ろに、パジャマ姿の小さな子供が写っている。 戸口…

どうやら僕の日常生活はまちがっている 岩井勇気著 新潮社 2021年

喉に刺さった魚の骨に悶絶するやいなや、スピーチを頼まれた同級生の披露宴をすっぽかす。地球最後の日に食べるものをひたすら想像しながら、寅さんの映画に突然涙する……。あの不敵な笑みを浮かべながら、ハライチ岩井が平凡な毎日に一撃を食らわせる。書き…

櫻子さんの足下には死体が埋まっている 櫻花の葬送 太田紫織著 KADOKAWA 2021年

シリーズ最終巻。 ネタばれあります、すみません; 蝶は聖夜に羽ばたく・後 第肆骨 神居古潭の洞窟で、好美に襲われて重傷を負った千葉。櫻子と正太郎は好美を説得し、彼女を追わない代わりに千葉を助けるよう取引する。正太郎の機転もあってスムーズに救急…