読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

空想オルガン 初野晴著 角川書店 2010年

 『ハルチカ』シリーズ3冊目。
 ネタばれあります、すみません;

ジャバウォックの鑑札
 コンクール地区大会当日。草壁先生が来ない。急用で遅刻するとの連絡に、チカは心配で仕方ない。かつてのクラシック界の寵児と呼ばれた男の、高校教師としての復活に、周囲はざわついてる様子、怪し気なライターまで会場の周りをうろついて、チカやハルタにちょっかいを出してくる。
 ハルタハルタで、会場付近に迷い込んでいた希少犬チベタン・マスティフを保護していた。飼い主を探すと、何と二人も名乗り出てきた。小学生の少女と青年。何しろ高価な犬種なので、うかつには渡せない。遅れて現れた草壁先生が、首輪に刻まれた奇妙な暗号を解いてみせる。

ヴァナキュラー・モダニズム
 8月、県大会を控えて。ハルタは一人暮らしをしていたアパートを追い出されて、学校で野宿のような生活をしている。それに気づいたチカ達は、建築士ハルタの姉と共に、新しいハルタの住まいを探すことに。格安で学校にも近く、防音設備まで整っている理想的な物件は、だが幽霊の噂もある訳アリなもの、謎の見えない一部屋があるらしい。しかもその物件を相続したばかりの孫は、相続税が払えないからとアパートを潰す決意をしていた。ハルタは数々の証言を聞くうち、一つの可能性を思い付く。

十の秘密
 県大会当日。今回の台風の目の一つは清新女子高等学校吹奏楽部、メイクばっちりのギャルたちが見事な演奏をこなして見せる。一番の功労はそのスコア、編曲の技術。指揮者の遠野京香が学生の身でありながら、書き上げたもの。ただ、彼女は家庭の経済的な問題で、音楽の道を諦めようとしていた。しかもどうやら彼女には、部員たちがひた隠しにして庇おうとする秘密があるようで…。

空想オルガン
 東海大会。会場ではオルガンの見本市も開催されている。そこをオレオレ詐欺の受け渡し場所に利用すようとする一団がいた。首謀者はかつての親友の母親を嵌めようとしているらしい。…


 実は、最終話が今イチ理解しきれなくてですね; 渡邉さんはライターじゃなかったということなんでしょうか。腎臓移植だとかオレオレ詐欺だとか、結構内容てんこ盛り。仲間というか手下のネーミングが『ガンバの冒険』で、ちょっと嬉しかったり。…でもその説明はないのよね。分からなかった人いるんじゃないかしら。
 とりあえず、清水南高校吹奏楽部の夏は終わりました。芹澤さんは次から吹奏楽部への参加を決めたようです。次巻に続きます。
 …それにしても、あの500円玉貯金には、相続税はかからないんでしょうか。