読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

読書 作家別な行

物語のものがたり 梨木香歩著 岩波書店 2021年

『秘密の花園』の主人公はなぜ憎たらしく描かれたのか。『赤毛のアン』の作者モンゴメリは、グリン・ゲイブルスという場所に何を託したのか。児童文学の名作を読み解き、いぬいとみこ、石井桃子、村岡花子、ビアトリクス・ポターら先人たちの仕事の核心に迫…

炉辺の風おと 梨木香歩著 毎日新聞出版 2020年

他の誰でもない、自分の生を生きていく。 大転換の時――八ケ岳での山小屋暮らし、鳥や植物、小動物との交流から〈新たな日常〉を探る地球視線エッセイ。 毎日新聞「日曜くらぶ」連載の単行本化。 (出版社紹介文より) 前半に書かれたM教授邸の話に覚えがあっ…

沈みかけの船より、愛をこめて 乙一/ 中田永一/ 山白朝子著 安達寛高 解説 朝日新聞出版 2022年

短編集。 ネタばれになってる気がします、すみません; 五分間の永遠 乙一 ギャンブル好きの親父のために金に汚くなった「おれ」は、同級生の村田ツトムに、5分間だけ友達の振りをしてくれと頼まれた。報酬は500円。おれは彼の母親の前で数度、友達を演じて…

臨床の砦 夏川草介著 小学館 2021年

緊急出版!「神様のカルテ」著者、最新作「この戦、負けますね」敷島寛治は、コロナ診療の最前線に立つ信濃山病院の内科医である。一年近くコロナ診療を続けてきたが、令和二年年末から目に見えて感染者が増え始め、酸素化の悪い患者が数多く出てきている。…

続・終物語(ゾク・オワリモノガタリ) 西尾維新著 講談社 2014年 

「物語」シリーズ最終巻。 ネタばれあります、すみません; 最終話 こよみリバース 高校卒業式の翌日。朝起きて鏡を覗き込んだ阿良々木暦は、逆さまの世界に迷い込む。逆さまになっているのはそれぞれで、火憐は着物の合わせが逆になっているくらいだが、月…

終物語(オワリモノガタリ)[下] 西尾維新著 講談社 2014年 

シリーズ17冊目。 ネタばれあります、すみません; 第五話 まよいヘル 受験日当日の早朝、北白蛇神社で、阿良々木暦は臥煙伊豆湖によって切り刻まれた。 だが、彼は浪白公園らしき場所で目を覚ます。傍らには死んだはずの八九寺真宵がいた。八九寺真宵曰く、…

草木鳥鳥文様 梨木香歩 文/ユカワアツコ 絵/長島友里枝 写真 福音館書店 2021年

「これは新しい形のバードウォッチングではないかと思った。アウトドアとは無関係の、ごく個人的な内界を覗き込む形の」(梨木香歩/本書「あとがき」より)。 作家・梨木香歩による四季の野鳥と植物をめぐるエッセイ集。梨木が綴った鳥と草木の姿を画家・ユカ…

終物語(オワリモノガタリ)[中] 西尾維新著 講談社 2014年 

シリーズ16冊目。 ネタばれあります、すみません; 第四話 しのぶメイル 8月23日の夜、阿良々木暦は神原駿河を学習塾跡の廃墟に呼び出した。臥煙伊豆湖に神原を紹介する、その了承を得るために。そこで二人は刀を持たない鎧武者に襲われ、間一髪の所を燃え上…

終物語(オワリモノガタリ)[上] 西尾維新著 講談社 2013年 

『物語』シリーズ15冊目。 ネタばれになってるかも、すみません; 第一話 おうぎフォーミュラ 10月下旬のある日。阿良々木暦は神原駿河に忍野扇を紹介された。転校してきたばかりの一年生忍野扇は校舎を調べていて、外観と図面が一致しない箇所があることに…

流浪の月 凪良ゆう著 東京創元社 2019年

2020年本屋大賞受賞作。 ネタばれあります、すみません; あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。わたしを心配するからこそ、誰もがわたしの話に耳を傾けないだろう。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。 再会すべきでは…

ほんとうのリーダーのみつけかた 梨木香歩著 岩波書店 2020年

非常時というかけ声のもと、みんなと同じでなくてはいけないという圧力が強くなっています。息苦しさが増すなかで、強そうなひとの意見に流されてしまうことって、ありませんか? でも、あなたがいちばん耳を傾けるべき存在は、じつは、もっと身近なところに…

やがて満ちてくる光の 梨木香歩著 新潮社 2019年

エッセイ集。あとがきに曰く、「掲載した時期も媒体もバラバラの、短い文章の群れ」。 森を歩き、鳥を観る。きのこの生命に学び、人の未来を思う……物語を育む日常の思索を綴る。「この文章が、いつか生きることに資する何かになってくれたら。受け手があって…

暦物語(コヨミモノガタリ) 西尾維新著 講談社 2013年

「物語」シリーズ。 第一話 こよみストーン 4月。羽川翼が放課後の教室で、阿良々木暦に語る。曰く、校内の中庭花壇に、でこぼこのラグビーボール大の石がある、それが小さく歪な祠に祀られている、と。七不思議の一つではないかと忍野メメに伝えると、忍野…

風と双眼鏡、膝掛け毛布 梨木香歩著 筑摩書房 2020年

双眼鏡を片手にふらりと旅へ。地名を手掛かりにその土地の記憶をたどり、人とそこに生きる植物や動物の営みに思いを馳せ、創造の翼を広げる珠玉のエッセイ集。 (出版社HPより) 品性と知性に満ちた文章。そのせいかな、所々妙にユーモラスなのに、「…あの、…

ヤービの深い秋 Tales of Madguide Water 2 梨木香歩著/小沢さかえ画 福音館書店 2019年

シリーズ2作目。 出会ったのは森の奥深く、きみの夢の底深く 秋はしだいに深まり、冬ごもりの支度におおいそがしのヤービたちは、博物学者であったグラン・グランパ・ヤービが、ややこし森でみつけたという、まぼろしのキノコ、ユメミダケを探す冒険に出発し…

未知の鳥類がやってくるまで 西崎憲著 筑摩書房 2020年

短編集。 行列(プロセッション)瑠璃のような、翠玉のような蒼い空を、行列が行く。 おまえ知ってるか、東京の紀伊国屋を大きい順に結ぶと北斗七星になるって東京湾大地震の後、友達のヒムカが言った。「知ってるか、東京の紀伊国屋を大きい順に結ぶと北斗…

めざせ日本一! 熱投!北海アニマルズvs熱々!大阪オイデヤス 二宮由紀子作/あべ弘士絵 文溪堂 2011年

北のアニマル球団対西のおつまみ球団(?)によるシリーズ最終戦。アニマル球団が相手を食い物にするか!? はたまた、おつまみ球団が相手をお客さんにするか!?手に汗にぎりながらも、思わず吹き出してしまう本格ナンセンス野球小説登場。 (紹介文より) 作者の…

風はずっと吹いている 長崎尚志著 小学館 2019年 

広島郊外の山中で、一組の白骨遺体と頭蓋骨が見つかった。鑑定の結果、白骨遺体は推定50代~70代の白人女性で死後半年以上が経過、頭蓋骨の方は1950年以前に生きていた日本人のものであることに絞り込まれた。広島県警捜査一課警部補・矢田誠らは、行方不明…

椿宿の辺りに 梨木香歩著 朝日出版社 2019年

深遠でコミカル、重くて軽快。 著者五年ぶりの傑作長編小説。 自然、人間の体、こころの入り組んだ痛みは 家の治水、三十肩、鬱と絡み合い、主人公を彷徨えるツボ・椿宿へと導く。 皮膚科学研究員の佐田山幸彦は三十肩と鬱で、従妹の海子は階段から落ち、と…

憑物語(ツキモノガタリ) 西尾維新著 講談社BOX 2012年

『物語』シリーズ。 ネタばれあります、すみません; 第体話 よつぎドール 二月十三日。 受験を一か月後に控えた朝、火憐のために沸かした朝風呂を月火と奪い合った阿良々木暦は、自分の姿が鏡に映らなくなっていることに気付く。 暦は忍から、斧乃木余接に…

恋物語(コイモノガタリ) 西尾維新著 講談社BOX 2011年

『物語』シリーズ。 ネタばれになってるかも、すみません; 第恋話 ひたぎエンド 1月。戦場ヶ原ひたぎは貝木泥舟に会い、千石撫子を騙してほしい、と依頼する。北白蛇神社で神様になってしまった少女を。 一万円のお布施をエサに会った「神様」は、いかにも…

師弟の祈り~僕僕先生 旅路の果てに 仁木英之著 新潮社 2018年

『僕僕先生』、最終巻。ネタばれあります、すみません。 この作品をお好きな方は、以下の記事を読まれない方がいいかと思います。 美少女ツンデレ仙人・僕僕先生と弟子・王弁のロードノベル「僕僕先生」シリーズ、堂々完結! 時空を越えた王弁が辿りついた世…

鬼物語(オニモノガタリ) 西尾維新著 講談社BOX 2011年

『物語』シリーズ。 第忍話 しのぶタイム 八月二十二日。 八九寺真宵にリュックサックを返した帰り道。阿良々木暦と真宵は『くらやみ』としか言いようのない存在と遭遇する。危険を感じて逃亡する二人、とっさの所で彼らを救ったのは斧乃木余接の『例外のほ…

十二大戦対十二大戦 西尾維新著 集英社 2017年

『十二大戦』スピンオフ。 ネタばれあります、すみません; 十二年に一度行われる、十二支の名を冠した戦士達の戦い――その名は『十二大戦』。 だが、その第十二回大会は十二星座の戦犯に狙われていた。 戦士と戦犯の、苛烈にして壮絶な殺し合いが幕を開ける―…

囮物語(オトリモノガタリ) 西尾維新著 講談社BOX 2011年

10月末から、千石撫子の物語。 ネタばれあります、すみません; 10月31日、登校時に忍野扇と出会って会話した後。千石撫子は周りに白い蛇を見るようになった。 蛇はクチナワと名乗り、自分は北白蛇神社の記憶であり、自分の身体――「ご神体」を探してほしい、…

花物語(ハナモノガタリ) 西尾維新著 講談社BOX 2011年

神原駿河の一人称で語られる物語。 ネタばれになってるかも、すみません; 悪マーセント趣味で書かれた小説です。――西尾維新 “薬になれなきゃ毒になれ。でなきゃあんたはただの水だ” 阿良々木暦(あららぎこよみ)の卒業後、高校三年生に進級した神原駿河(かん…

傾物語(カブキモノガタリ) 西尾維新著 講談社BOX 2010年

『物語』シリーズ、8冊目。 ネタばれあります、すみません; 第閑話 まよいキョンシー 8月20日、夏休み最後の日。受験勉強はしていたのに夏休みの宿題はしていなかった阿良々木暦、そんな彼に忍野忍は「過去に戻る」提案をする。北白蛇神社のエネルギーを使…

神仙の告白~僕僕先生 旅路の果てに 仁木英之著 新潮社 2016年

『僕僕先生』最新作。 この作品をお好きな方は、以下の記事を読まない方がいいかと思います。 ネタばれあります、すみません; 劉欣を喪って、僕僕一行は長安へ戻ってきた。劉欣の仙骨を得た王弁は、やがてこんこんと眠りについたまま目覚めなくなってしまう…

猫物語(ネコモノガタリ)【白】 西尾維新著 講談社BOX 2010年

『物語』シリーズ。羽川翼が語る、その後の物語。 ネタばれあります、すみません; 第懇話 つばさタイガー 登校途中、羽川翼は巨大な「虎」に出会う。その日、彼女の自宅が燃えた。 寝る場所を失くした羽川は、学習塾跡の廃墟で一晩を過ごそうとして、戦場ヶ…

猫物語(ネコモノガタリ)【黒】 西尾維新著 講談社BOX 2010年

『物語』シリーズ4作目。 ゴールデンウィーク、猫に憑かれた羽川翼の物語。 ネタばれになってるかも、すみません; 第禁話 つばさファミリー ゴールデンウィーク初日、妹 月火への恋愛相談で、羽川への思いを恋愛感情ではない、と結論付けた阿良々木暦。エロ…