読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

月下におくる(上)(下) 沖田総司青春録 堀川アサコ著 講談社文庫 2017年

 嘉永六年、父を亡くした沖田宗次郎は、近藤親子が営む試衛館の内弟子となる。そこには近藤勇の幼友だち・土方歳三も入浸っていた。並外れた才でメキメキと頭角を現した宗次郎が道場破りを一手に引き受けるようになる中、相次いで美少年殺しが横行する。その魔の手は宗次郎の知己・藤吉にも襲いかかる。道場でいくら強くても、友の仇一つとれない……。抱いた葛藤は宗次郎の青春に影をおとす。十九歳になった宗次郎は名を総司と変える。尊王攘夷の思想が時代を動かす中、総司たち試衛館の面々は浪士隊として京を目指す転機を迎える。

 新撰組一番隊隊長として勤王浪士を斬る日々を送る沖田総司。慣れない間者をする最中、仲間を見殺しにしてしまった無念が胸を離れない。そんな中、稽古中に倒れた総司は己の身体の異変を知る。芹沢鴨の暗殺、古高俊太郎の拷問、仇討、池田屋事件山南敬助の脱走。屈託と葛藤を抱え、悩み続けた青年が歩んだ道の果てには一体なにがあるのか。
 堀川版沖田総司伝、堂々完結。                         (出版社HPより)


 こういう話を読むとき、どうしても私が気になってしまうのは、どこまで史実なんだろう、ということ。北風蘇芳という男は実在したのか、総司を仇と狙うその弟は本当にいたのか、見廻り隊や勤皇派についていたのか。何しろ新選組と言うと、何だかもう二次創作的になってる所がある気がして。
 と言う訳で個人的に、幕末的な話は、私の中でかなりハードルが上がります。とか言いながら私、全然詳しくないんですけどね。三谷幸喜が脚本を書いた大河ドラマ新選組!』や漫画『るろうに剣心』『風光る』、下手すると『銀魂』までごっちゃになってる感じで(苦笑;)。
 で、この話。基本的に不親切な気がします。ある程度の知識のある人向けの作りと言いましょうか、新選組だの何だのをまるで知らない人は読み難いんじゃなかろうか。ラストもあれ、気になるだろうな、「新選組はどうなったんだよ」って思う人いるんじゃないかしら。
 そうそう、自分でびっくりしたのは、桂小五郎のビジュアルが『銀魂』の桂小太郎で浮かんだこと。その他はそんなことなかったのになぁ(苦笑;)。