読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

夢幻花 東野圭吾著 PHP研究所 2013年

 独り暮らしをしていた老人・秋山周治が何者かに殺された。遺体の第一発見者は孫娘の梨乃。梨乃は祖父の死後、庭から消えた黄色い花のことが気にかかり、ブログにアップする。ブログを見て近づいてきたのが、警察庁に勤務する蒲生要介。その腹違いの弟・蒼太と知り合った梨乃は、蒼太とともに、事件の真相と黄色い花の謎解明に向けて動き出す。やがて事件は数か月前に起きた梨乃の従兄・尚人の自殺や、蒼太の初恋の相手・伊庭孝美の失踪、蒼太自身の生い立ちにも関連してくる。西荻窪署の刑事・早瀬らも、事件の謎を追うが、そこには別の思いもあった。

「こんなに時間をかけ、考えた作品は他にない」と著者自らが語る長編ミステリ。
                                      (出版社のHPに付け足しました)

 するすると読めました。面白かったんですが、私には色々疑問点が浮かんでくる内容でした。
 殺人事件については動機等納得できたんですが、伊庭孝美が行方不明になったくだりの理由とかは「…そんなもんかなぁ」とちょっと首を傾げました。家業の医師を継ぐとかいう、彼女の弟は姉の行動をどう見てたんだろう、とか。それとも何も知らされてなかったのかしら、それもなぁ。
 黄色いアサガオの存在を葬り去ってしまっても、事態はそれだけでは収まらない所まで来ている気がするし、かえってそれを研究して、解毒剤とか新しい医薬品の開発とかに利用した方が人のためではないかしら、とか。
 原子力を専攻していた蒼太の進路の収め方は、さすが、と思ったんですが。
 手放しでお勧め!って言うのには抵抗があるかなぁ。