読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

オレたちバブル入港組 池井戸潤著 文春文庫 2007年

 単行本は2004年発行。半沢直樹シリーズ1冊目。

 大手銀行にバブル期に入行して、今は大阪西支店融資課長の半沢。支店長命令で無理に五億の融資の承認を取り付けた会社 西大阪スチールが倒産した。すべての責任を押しつけようと暗躍する浅野支店長。四面楚歌の半沢には債権回収しかない。
 西大阪スチールの取引先 竹下金属の社長の話を聞いて、収支が合わないことに半沢は疑問を持った。西大阪スチールの東田社長は、隠し財産を作って計画倒産したのではないか。
 東田が贔屓にしている女から潜伏先を突き止め、乗用車にあったティッシュボックスの柄で外資系証券会社に隠し資産の目途をつける。やがて、浅野支店長も計画倒産に一枚かんでいたことが分かって来た。半沢は浅野の通帳を手に入れ、追い詰めにかかる。
 東田には国税局も目を付けているらしい。役人より早く債権回収はできるか。…
                  (裏表紙紹介文に付け足しました)

 話題のドラマは私は見ていなかったので、「銀行が舞台らしい」という知識くらいしかないまま読み始めました。
 …半沢さんに肩入れできないんですけど…!?(笑)
 今まで読んだ池井戸作品は、真面目に誠実にやってればいつか報われる、困難も乗り越えられる、って内容だったので、この作品もそういう流れだと思ってました。そしたら、半沢さん性格悪い!(爆!) 素直に応援できない!(爆x2!)
 というか、性格のいい人ほとんど出て来ないんですよね。銀行員ってこんなに無責任な人ばっかりなの? で、そんな人ばっかり出世するの?? 預金以外で絶対世話になるもんか、って強く思ってしまいましたよ(笑)。
 お話はすらすら読めて面白かったです。でも私には、「痛快エンタメ」ではなかったなぁ(苦笑;)。

パプリカ 筒井康隆著 新潮文庫 2002年

 初出は1993年。

 精神医学研究所に勤める千葉敦子は、恋人の時田浩作ともども 精神病に対する新たな治療法の発見者として、次期ノーベル医学生理学賞候補と囁かれる人物。時田はPT(サイコセラピー)機器を開発し、敦子はそれを利用して患者の夢の中へ入り、無意識界に働きかけて治療する。あまり大っぴらにできないこの作業をする時、彼女は自らを「パプリカ」と名乗っていた。
 所長の島寅太郎に頼まれて、敦子はとある自動車メーカーの重役 能勢龍夫の不安症を、また警視監の粉川利美の抑鬱症を治療する。敦子は粉川の夢の中に、粉川が知るはずのない精神医学研究所の副理事長 乾精次郎が出て来たことに驚く。
 その少し前、時田の元から、より強力なPT機器「DCミニ」が盗まれていた。主犯は乾精次郎。彼もかつてはノーベル賞候補者と噂されていたが、実際に受賞したのは、彼の理論を下敷きにした別の人物だった。乾は時田と敦子に嫉妬し、彼を心酔する小山内守雄と共に、DCミニを利用して時田や島の精神破壊を画策する。
 DCミニは精神世界への侵入を容易にする上、時田の迂闊さからリミッターがついていなかった。分裂症患者の精神世界を投射され、自閉状態に陥る時田と島。独りで戦わねばならなくなった敦子を、能勢と粉川が手助けし、夢から現実へ引き戻す。
 DCミニは精神世界と現実との境さえ失くしてしまった。現実に怪物が現れる中、ノーベル賞の受賞が決まり、時田と敦子はストックホルムに向かう。だが、受賞会場にまで乾の化身たる怪物が現れ、敦子を襲った。能勢たちは国境も越えて、敦子を救いに精神世界を飛ぶ。…

 今敏監督のアニメ映画をちょっと前に見ていたので、人物造形の余りの違いに驚きました。
 パプリカ、節操ねぇなぁ。自分を強姦しようとする男まで、いい加減で覚悟を決めて楽しもうとする、割り切り方が半端ない。いい男なら誰でも惹かれる、それが大体地位も名誉も品性もある中年男性、ってのが作者の願望というか何というか…。モテて来たんですね、筒井御大(苦笑;)。それともこれからの女性はこれくらい奔放になっても、ということなんだろうか。
 パプリカの貞操観念(夢の中とはいえ)については、男性の考え方ではないかな、と思ったり。好意を持ってくれる異性全てを相手する、ってのはなぁ。でもたとえ男女逆転でこの世界が描かれたとしても、相手の女性は中年女性にはならないんだろうな。
 心理描写の形態が『七瀬ふたたび』等を彷彿とする箇所があって懐かしかったです。現実が夢に侵食される場面は圧巻でしたし、この作品に影響を受けたクリエイターは多々いたんだろうな、と推察できました。
 どうかこの作品で、「知性ある女性は、好意を持って紳士的に接してくれる男性をみんな受け入れる」とか勘違いする人が現れませんように。

ペッパーズ・ゴースト 伊坂幸太郎著 朝日新聞出版 2021年

 作家生活20周年超の集大成となる、一大エンタテインメント長編! (帯文より)

 檀千郷は中学校の国語教師。飛沫感染により、相手の未来が一瞬だけ見える不思議な能力を父親から受け継いだ。ある日、生徒の里見大地が新幹線事故に巻き込まれる未来を予知したことから、大地の父親 里見八賢に、テロリストではないかを疑われてしまう。何とか誤解は解いたものの、今度は八賢が関わる とあるサークルの犯罪計画に巻き込まれ、監禁されてしまった。そのサークルは、カフェ・ダイヤモンド事件と称される爆弾テロ事件の被害者遺族の集まりであり、その時の警察の対応にも、犯人をする発言をしたとされるTV司会者 マイク育馬にも憤りを感じていた。
 とある医院で人質を取って立てこもるメンバーと、マイク育馬を追って野球場へ走るメンバー。そのうちの一人 野口は、かつてネコの虐待をSNSで煽っていたとかで、同じ目にあわせるのだと息巻くネコジゴハンター ロシアンブルとアメショーも彼を追う。
 生徒の書いた小説の登場人物だった筈のロシアンブルとアメショーと共に、檀も野球場へ向かう。彼の目には、天童選手の新記録ホームランとパニックに陥る観客の姿が〈先行上映〉されていた。…


 面白かったです。まさしく伊坂さんの作品。テンポのいい展開、回収される伏線、はらはらどきどき、するすると読めました。
 檀先生の前にロシアンブルとアメショーが出てきた時には、どういう世界線の話!?とちょっと混乱しました。一応説明ついてましたねぇ。…とすると、小説部分はどこまで本当か疑うべきなんでしょうけど、その検証は面倒臭くてしませんでした。(←おい;)
 ロシアンとアメショーの軽妙で緊張感のないやりとり、暴力沙汰まで軽く描かれる。そこがかえって不穏さや不気味さ、恐怖感も醸し出す。悪い人ではないんだけど、頭のネジぶっ飛んでるよなぁ。マイク育馬の悪役っぷりも絶妙で、モデルいるんでしょうか。とあるTVタレントさんに私の頭の中で変換されてしまうんですが(苦笑;)。
 TVや何かでしきりと騒がれた「飛沫感染」、伊坂さんそれに着想を得たのかしら。わざと〈先行上映〉を見ようとする行為には、ちょっと「うわ~;」と眉を顰めてしまいました。衛生観念が変わって来てるから、そのせいもあるんでしょうが。
 人質籠城事件の顛末は、それは無理矢理すぎないかい、とは少々思いつつ。でもそれが本当に真相なら後味いいよね、そうだといいね、と思う自分もいましたね~。
 ネコジゴハンターの話、番外編出ないかなぁ。でもそしたら、ロシアンとアメショーの二人が悪役になっちゃうかもだけど。

新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙Ⅶ   支倉凍砂著/文倉十イラスト  メディアワークス電撃文庫  2021年

  『狼と羊皮紙』シリーズ7冊目。ネタばれになってるかも、すみません;

 死者の乗る船が渡来する港町・ラポネルでの騒動を後にして、コルとミューリは再びラウズボーンへの帰路につく。
 教会の不正を糺し、王国との争いを収める決意を新たにするコル。賢狼の娘ミューリはというと、理想の騎士冒険譚を執筆するのに大忙しな様子で。
 そして、ラウズボーンへと戻った二人を待っていたのは、ハイランドと教皇庁の書庫管理を務めるカナンだった。カナンは“薄明の枢機卿”コルによる聖典俗語翻訳をさらに世に広めるため、教会が禁じた印刷術の復活を持ち掛ける。それが叶えば、ハイランドが抱える慢性的な財政難も少しはましになる。
 さっそく職人を探すこととなったコルとミューリ。何か情報を持っているのでは、とあてにしていた書籍商のル・ロワは、既得権益を守るため、その職人を追い詰める側の人間だった。
 だが、きっかけは思わぬ処からもたらされた。旅の楽師が各地のネタを交換しようと集まる紙屋に、まるで同じ内容の冊子が何冊も見つかったのだ。刷られている紙の特徴から、二人は紙工房に、ひいては禁忌の技術を持つ職人ジャンに辿り着く。
 作家志望のジャンは、印刷技術を自分の創作品の為に使っていた。だがその才能のなさは如何ともしがたく、世を拗ねた生活を送っていたらしい。ジャンをその気にさせる為に『心を震わせる物語』を探す一行。カナンはコルに、聖人になれ、とまで言ってきた。
 確かにそれで全ては解決する。だがコルは乗り気になれない。折も折、コルは人違いから拉致され、第二王子クリーベントと相対することになった。
 戦のなくなった世界で、活躍の場を失った貴族の息子たちをまとめるクリーベントを、コルは嫌いになれなかった。だがこのままではミューリを始めとするハイランド一行は、クリーベントを許さないだろう。彼を救う方法はないか。
 修道院兼孤児院の予定地の由来、その修繕費用の捻出。クリーベントとハイランド兄妹の和解。いくつもの問題を抱え、コルは一つの案を思いつく。…   (折り返しの紹介文に付け足しました)

 とうとう印刷技術まで来ました。そうか、それで職を失う人からの反感、ってのはそりゃあるよなぁ。稀覯本を扱う商人の反発も。
 詩から小説への変換点でもある訳ですね、今までは歌に乗せて伝わっていたものが本の形で普及していく。つまらない作品を書いている、とされてしまったジャンには、同情の念を禁じ得ません(苦笑;)。まぁ、活躍の場を貰ったのでよかったのかなぁ。
 貴族の第二子第三子が活躍する場として、やはり新大陸の名が出てきました。これは、体のいい棄民のような気がしないでもない。コルたちもいずれ渡るんでしょうか。そこまで話広げるかなぁ。
 次巻に続きます。

100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集 福井県立図書館 講談社 2021年

「とんでもなくクリスタル」「わたしを探さないで」
「下町のロボット」「蚊にピアス」
「おい桐島、お前部活やめるのか?」
「人生が片付くときめきの魔法」「からすのどろぼうやさん」
「ねじ曲がったクロマニョンみたいな名前の村上春樹の本」
「八月の蝉」「大木を抱きしめて」
「昔からあるハムスターみたいな本」
だいぶつじろう 池波遼太郎

利用者さんの覚え違いに爆笑し、司書さんの検索能力にリスペクト。
SNSでもバズりがとまらない!
クイズ感覚でも楽しめる、公共図書館が贈る空前絶後のエンターテイメント。
あなたはいくつ答えられる?

本の正確なタイトルは、なかなか覚えづらいもの。そしてうっかり間違って覚えたタイトルを文字通りに想像してみたら、とんでもなくシュールでおもしろすぎる事態になっていることもしばしば。
そんな図書館利用者さんの「覚え違いタイトル」の実例を集め、HPで公開しているのが、福井県立図書館の「覚え違いタイトル集」。
本書は、そのなかから秀逸な「覚え違いタイトル」を厳選し、「覚え違い」を文字通りに表したイラストを添付。そしてページをめくれば「正しい書誌情報」と「司書さんによるレファレンス」が現れて……という仕掛けになっています。
読者のみなさんはきっと、利用者さんの覚え違いに爆笑し、司書さんの検索能力に驚嘆することになるでしょう。
クイズ感覚でも楽しめる、公共図書館が贈る空前絶後のエンターテイメント、ぜひご堪能ください!   (出版社HPより)

 新聞で紹介されていて、これは読んでみたいなと思っていた一冊。奥付見てみたら、発売1カ月で5刷かかってました。…凄ぇ。
 遊び紙的に挟んである貸出カードが懐かしくも可愛らしい。こっそり装幀凝ってるのが楽しいww
 面白かったんですが、予想してたよりも察しのつく間違いタイトルが多くてですね; 全然知らない作品は勿論分からないけれど、知ってる作品や有名作品なら私でも分かるかも、って思ったのが多々ありました。そういうのを意図して紹介してるのかな、とっつき易いように。
 司書さんは「これは分かりません」では済まない訳で、いや、ご苦労が偲ばれます。で、リクエストに対してのコメントが優しくも可笑しい。ノリツッコミの基本のような文章も(笑)。
 そうそう、「ウサギのできそこないが2匹でてくる絵本」で『ぐりとぐら』は出て来ないなぁ、と思いましたよ。これ、難易度の高い上級編とか知りたいなぁ。

Day to Day 講談社編 2021年

コロナ禍の奇跡ーー2020年4月1日以降の日本を舞台にした連載企画Day to Day。100人の作家による物語とエッセイが一冊にまとまった、珠玉の1冊!  (出版社紹介文より)

 4月1日から7月9日まで、作家が一日一人ずつ、一作品を書いたショートストーリー。作家さんによってエッセイだったり小説だったり、小説にしても新作だったりシリーズものだったり、本当、色とりどりさまざま。コロナに関係するものしないもの、こんな時だからと明るいものや、反対にホラー仕立てのもの。日付にこだわった作品も多々ありましたね。
 読み易かったです。するすると読めました。
 読んだことのない作家さんも多くて、その作家さんのシリーズものの一場面だったりすると「?」だったりもしたんですが、ファンの方には嬉しいでしょう。私も、有栖川有栖さんの氷村准教授が 下宿のお婆さん気遣ってるの見て嬉しかったし、京極さんの仕掛けには「あっ!」と思ったし。ごとうしのぶさんが「タクミくんシリーズ」書いてらっしゃったのにはびっくりしました。…講談社なのに…??(笑)
 西村京太郎さんは亡くなる寸前まで仕事されてたんですね。
 それぞれの作品の後の、各作家のプロフィールも有難かったです。「ああ、この人ね」と思い出すよすがにも、参考にもなりました。生年が載ってる方だと、こんなお年だったんだ、と驚くこともありましたし(笑)。
 こういう状況を逆手に取った本の作り方に感心しました。この企画に賛同した作家さんたちにも。皆さん、〆切り守られたのね(笑)。

爆笑問題 with タイタンシネマライブ#76に行ってきました。

 4月14日(金)、「タイタンライブ」の生中継を見てきました。
 銀座時事通信ホールで開催されるお笑いライブ「タイタンライブ」を各地TOHOシネマに生中継、スクリーンで鑑賞するシネマライブ。
 今回は午後7時30分からのはじまり、元に戻りましたね。
 私はTOHOシネマなんば本館にての鑑賞です。

 出演はダニエルズ、らこめでぃ、XXCLUB、シティホテル3号室、キュウ、脳みそ夫、まんじゅう大帝国、日本エレキテル連合、ウェストランド、お見送り芸人しんいちインスタントジョンソンとろサーモン、BOOMERと爆笑問題でした。 

 ダニエルズは正義の味方の24時間営業を嘆き、らこめでぃは太古の時代の生贄の儀式の転換点を、XXCLUBは英語での道案内の漫才、シティホテル3号室は本人役のオーディションを受ける演歌歌手の悲哀のコント。
 キュウは「てててんて」のリズムに乗った言葉を選び、脳みそ夫はアラサー武士を(あのサンダル、使い勝手いいんだろうなぁ)、まんじゅう大帝国は手に関する慣用句のあれこれを推察し、日本エレキテル連合は「終電ぺろぺろおじさん」を。…これ、男性がしたらどうなるんだろうなぁ。
 ウェストランドは「安心な話」の漫才(服装がカジュアルでお似合いでしたね)、お見送り芸人しんいち爆笑問題の太田さんに愚痴を言いつつ、「好きなもの」をメロディに乗せて。
 インスタントジョンソンはラッピングを依頼する客と店員のコント、とろサーモンはTVに出たい、好感度を上げたいとアンパンマンのかばおくんを演じてみたり。BOOMERは「談志漫才」を。で、爆笑問題です。
 アカデミー賞でのウィル・スミスのビンタ騒動(叩かれたコメディアンに我が身を重ねた、ってのは鬼越トマホークさんも仰ってましたっけ・笑)、ウクライナの呼び名変更、成人年齢の引き下げや佐々木朗希投手、厳しくなるコンプライアンス etc.etc. 相撲に結びつくとは思わなかったww

 エンディングトークとろサーモンは久保田さんのみ登場、本来はお二人ともお仕事の筈なんですが、「僕には連絡が来てない」とか。…大丈夫なのかな(笑)。
 お見送り芸人しんいちさんはR-1グランプリのトロフィーを持って登場、電車の中でも持ち歩いてらっしゃるそうです。誰か、イーゼルカバー的なトロフィー袋を作ってやってくれ…。ZAZYがよかった、という太田さんにまぁ愚痴る愚痴る(笑)。そしたら次に出て来たインスタントジョンソンのじゃいさんにも「僕は吉住がよかった」とか言われて、がっくり膝ついてらっしゃいました。本当、見事なorzでしたよ(笑)。
 「ZAZYがさんま御殿に出てた」「俺にはオファーがない」そうで、先輩の皆さんに「(トロフィー)持ち歩き芸人」「すがりつき芸人」等々、散々からかわれてらっしゃいました。皆さん、よくあんなに次から次へと出てくるとも(笑)。しんいちさん、「しゃべくり7に出たい」と仰ってましたけど、すぐオファーあるんじゃないかなぁ。いじられ上手なように見えましたけど、何言われたってチャンピオンなんだし。

 さて、次は6月ですね。きっとあっという間に来るんだろうな。
 少しは明るい世の中になってるといいんだけど。