読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

きのう何食べた? 21・22巻 よしながふみ著 講談社モーニングKC 2023年

 ふるさと納税に目覚めたケンジ、シロさんと二人一緒に喜べるものを必死で選びます。「かさ地蔵みたいな返礼品」は至極名言(笑)。
 シロさんは五十肩を発症して、今時の給食の話題にも世代間ギャップを感じて、でも嫌なことはケンジと家飲みして解消する術を覚えました。ケンジのご家族一同とも新年のご挨拶、ご飯を御一緒します。
 新しいスーパーは魚介類が豊富で、メニューにも反映しそうです。でも22巻のメインはやっぱり小日向さんとジルベールの結婚式でしょうねぇ! シロさん見事なスピーチを披露、本当にソツがない!(笑)
 ホットプレートの利点を力説する千波さん、「途中で味見が必要な料理ばっかり目分量で作ってた」 ……いや、そこもきっちり測れよ! どこかのレシピ見ろよ! 楽しそうな千波さんを見てタブチくんも嬉しそうです。手作りシュウマイはたこ焼き器を利用するといい、ってのを聞くんですが、関東ではたこ焼き用プレートはマストじゃないのかな。
 プリンアラモードの果物が貰い物、ってのがいかにもシロさんらしい(笑)。私もプリンを久しぶりに作りたいなと思いましたよ。カラメルは自信ないので、メイプルシロップ垂らします。
 デラウェアは凍らせて食べる、ってのもぜひやりたい!と思いましたよ。
 そして、私も台風にはちょっとわくわくします。…ちょっとですよ。
 次巻に続きます。

風柳荘(ウィンディ・ウィローズ)のアン モンゴメリ著/松本侑子新訳 文春文庫 2020年

 本国での出版は1936年。

 アン22歳。プリンス・エドワード島の港町で校長となり、風柳荘(ウィンディ・ウィローズ)に下宿する。アンに敵対する一族、冷淡な副校長、隣家の孤独な少女に心痛めるも、アンの明るさと誠実さ、グリーン・ゲイブルズの美しさと住む人々の愛が幸せな明日へ導く。
 アンから婚約者ギルバートへの恋文で綴る日本初の全文訳・訳注付アン・シリーズ第4巻。  (裏表紙の紹介文より)

 風柳荘? 村岡花子版では柳風荘だったよなぁ、ウィンディ・ウィローズ、確かにそのまま訳したら風柳荘なんだけど、語呂的には柳風荘の方がいいなぁ、と思いつつ。
 この作品が実際に書かれたのは『炉辺荘のリラ』(『アンの娘リラ』)より後だそうで、訳者あとがきの、『アンの友達』『アンをめぐる人々』的な、周囲の人々のエピソードを連ねている構成という文言に「なるほど」と思いました。
 改めて読んで思ったのは、このシリーズと『小公女』がまだ小さかった私に残したものは思いのほか大きかったのではないか、と。先日『小公女』の映画を見る機会があったのですが、ミンチン先生にちょっとしたいたずらを仕掛けて溜飲を提げる場面に、物凄く違和感を覚えまして。セーラはそんな、自分の品位を下げることは思いもしないよ、「ほかのものにはなるまいと」したんだから、と憤慨してしまいまして。アンにしても、自分に敵意を持った人々に対して、誠実さで道を切り開く。アンの場合はそれでも多少迷いましたが、でも親切でやる、それが相手にとっては脅迫に見え、それが実は自分の心根の裏返しであることを悟る。…これ、相手がちゃんとした人でないと通じないんですけどね。でもここでまた私の中に『十二国記』の陽子が出て来て、「私の何が傷つくものではない」ってなるんですよ(苦笑;)。やっぱり誠実に対処しよう、それが自分の心に一番負担がない。
 レベッカ・デューのアン評「わりかし、きれい」は良い言い回しだと思いましたね~。村岡版では「比較的美人」、こちらは確かにお堅い(笑)。
 さて、次巻は『アンの夢の家』です。

鈴木光司さん

 ネットで訃報を知りました。

 出会いは『楽園』から。私は日本ファンタジーノベル大賞を追いかけているので。で、その流れで『リング』を読みました。

 ビデオテープが描いてあるだけの表紙。内容は凄まじく面白く、私はいわゆる「リングウィルスに感染した状態」になりました。大学時代の友人や高校時代の友人、職場でもオチまで含めて喋り倒し、次々と感染を広めた自覚があります。

 いかにも体育会系の作風は、私個人的にはのめり込めない箇所もありました。でも体を張って配偶者や子供を守ろうとする、この基本姿勢がある限り、決して嫌いにはならない作家さんだと思っていました。

 最新作『ユビキタス』で、ああ、またあの高揚感だ、と思ったところだったのに。
 まだまだ読みたかった。残念です。
 ご冥福をお祈り致します。

ベツレヘムの星 アガサ・クリスティー著/中村能三訳 ハヤカワ文庫 2003年

 本国での出版は1965年。
 聖書に題材をとった物語と詩を集めたクリスマスブック。

 子供を産んだばかりのマリアに、その子が十字架に架けられる未来を見せる天使。その目論見、正体は…  『ベツレヘムの星』

 小さなロバは飼主から逃げ出して、ベツレヘム行きの隊商に潜り込みます。ロバは先のことや昔のことが見えたりしました。今まさに背中に乗せている、小さな赤ん坊の未来も。『いたずらロバ』

 人間嫌いで、人のために本当は何をしていいかわからないミセス・ハーグリーヴス。喧騒を逃れ、水上バスに乗った彼女は、ケープを着た東洋人に惹かれる。その上衣に触れた彼女は、今まで出会った、対処法が分からなかった人の気持ちを一瞬にして理解する。『水上バス』

 知恵遅れの息子アランについて、心を悩ませるジャネット。丘の上で起きた研究所の事故以来、おかしな生き物が増えて、アランはそれに名前を付けているという。庭で待つ友だちといっしょに。『夕べの涼しいころ』

 新年、丘の中腹の教会から下りて来る14人の旅人たち。昔風の衣服を着ていて、何か変わった特技を持っているようで…。『いと高き昇進』

 とある島で、聖人の息子の面倒を見る年老いた女マリア。「天の女王はいないか」と男二人が探しに来た日、彼女は息子が海から迎えに来たことを知る。小さな粗末な漁舟に乗って。…『島』

 その他 『ごあいさつ』『クリスマスの花束』『黄金、乳香、没薬』『空のジェニー』『神の聖者』の詩を収録。

 短い話か、読み易いかな、と借りた一冊。
 読むのはすぐ読めたんですが、これはなかなか、聖書の素養がないと難しい。「水の上を歩いた」とかレベルのことは知識としてありましたが、聖人が何人も…とか使徒がどんなことをしたのかとかになると「へぇ、こんな人がいるんだ」でした。元々の教養、共通認識があればもっと納得感があるんだろうなぁ。で、これはキリスト教が底に流れている国の人ほぼ全員が理解できることなんだろうなぁ。BS TBSの番組『X年後の証言者たち』劇伴作家の回で千住明さんが「キリスト教の音楽を書けない」と仰ってたのを思い出しました。
 解説は赤木かん子さん。赤木さん、こんな語り掛けるような文章書くんだ、というのも新鮮でした。

ライフログ分析官 我孫子武丸著 光文社 2026年

 被害者の目に映った映像や音声――ライフログを犯罪捜査に使用する近未来を舞台にした連作短編集。
 ネタバレあります、すみません;

 盗まれたラストシーン
 被害者は女性、入浴後いきなり映像が途切れた。インプラントもしくはコンタクトや眼鏡で映像と音声を記録し続けるデバイス「ライフログ」を事件時に検証する「検察分析官」の高藤望は、強い怒りを覚えた。電波妨害をした上で両目をえぐり取った犯行、その凶悪な計画性に高藤は現場へ赴く決意をする。

 検察側の証人
 被害者と連続殺人犯、両方の視点で凶行現場を見ることになった高藤。残虐な犯行を体感し疲弊、しかし犯人・箕輪の前で証言しなければならない。殺人鬼は怯える高藤を見て悦ぶだろう、そんな好物を与える訳にはいかないのに。

 ライブアルバム
 箕輪の事件以降、高藤は休みを取っていた。心配した担当刑事・榊原が、別の事件の相談を持ってくる。自宅のベッドで死亡した老婦人、5年前 連れ合いを亡くしたが、この頃は新しい恋人もできて充実した日々を送っていたらしい。自死と判断されたがその理由が思い当たらないという榊原に、高藤はある可能性を示す。

 アックス
 ライフログ社の社員の他殺死体が見つかった。極秘製品アックスの開発に関わっていたとかで、高藤と榊原だけが捜査に関わる案件、どうやら本日行われるボクシングタイトルマッチが関係しているらしい。

 チーム・アストラル
 高藤と榊原はライフログ社に勧誘された。極秘開発中のアストラルに、テスト生として関わって欲しいというもの。被害者だけでなく、全ての契約者の視界を合成して作られた世界に入るアストラル。まるで過去の世界に飛び込むようなデバイスの中、高藤と榊原は未解決事件の犯人を追う。

 アストラル・ファイルNO.1
 ライフログ社における高藤たちの上司で元検察分析官の如月が、過去の過ちを語る。子供の誘拐事件をアストラルで追った如月たち。犯人は車や衣服に光学迷彩を施して、デバイスに映らないよう行動していた。それでもわずかな違和感を辿って、ほぼタイムラグなしに追う如月とその相棒・佐倉。あまりにもリアルに構築された世界の、落とし穴に気付かないまま。

 罠
 誘拐事件が発生し、高藤と榊原が呼び出された。誘拐されたのは如月が過失事案として高藤たちに示した4年前の事件と同じ子供だった。なぜまた、と疑問を抱きつつほぼリアルタイムで誘拐犯たちを追う高藤たち。誘拐犯たちが潜伏したホテルまで突き止めたが、思わぬ結果が待っていた。

 崩壊
 また新たに、光学迷彩車による拉致事件が起きた。例によってアストラルで追い、高藤たちは 誘拐犯が逃げ込んだ先、古い保養施設を突き止める。だが、それは犯人によって作られた光景だった。現場に向かった榊原は捕まり、高藤はライフログ社の社員と共に、迷彩スーツに身を包み、拉致された女性と榊原の救出に向かう。…

 我孫子さんの作品は確か一冊飛ばしてます。多分実際の事件をモデルにした精神的支配を扱った作品で、読み始めてすぐ「あ、これはきっと私は耐えられない」と判断、そのまま返却しました。

 連想したのは清水玲子著『秘密』(実写化ドラマも見かけましたが、一話で止めてしまいましたっけ。あの作品は清水さんの圧倒的画力に基づく説得力があってこそ成り立つものなんだな、と痛感しました)、アニメ『ID:INVADED イド:インヴェイデッド』。あと、光学迷彩とかいう単語が出て来ると、『攻殻機動隊』も思い出しますよねぇ(笑)。
 ドライブレコーダーを一人一人の人間が装着している感じ、というのは理屈ではわかるんですが、それを常に録画しているか、というとプライバシーの観点からも(劇中でも触れてましたが)それはなかなかあり得ないんじゃないかなぁ、と思いつつ。ただ、監視カメラがこれだけ街中に溢れる中、「その時」をリアルに再現、というのはいずれできるようになるのではないかしら、と妙なリアリティを感じました。アストラル使用時の描写とか、視覚的でしたねぇ。『チーム・アストラル』での、さらに過去に遡って犯人の特定、という展開には「なるほど!」でしたし、更にラスト、アックスを使用するのも「あ、そうか!」でしたし。
 もっとエピソードを足していけば、アニメ化とか、映像化に向いてる題材じゃないかしら。
 そうそう、高藤がジェンダーレス、という設定が結局最後まで浮いていたような、何か意味あったのかしらとは思いました、すみません;

祖父江慎さん

 新聞で訃報を知りました。

 ブック・デザイナーという職業を知れたのは、この方のおかげです。勿論 表紙画を描いた方がいて、装丁をする人がいて…というのは知識としてありましたが、本全体のデザイン、全てを統括する人がいる、ということを知ったのは。

 御多分に漏れず、お名前を知ったのは吉田戦車著『伝染るんです。』から。当時 漫画情報雑誌『ぱふ』で取り上げられて、その存在を意識しました。以降、さくらももこさんや綾辻行人さんのエッセイでも、お名前をお見掛けすることに。勿論、作品も。『情熱大陸』も拝見しました。

 本を手に取って、表紙画だけでなく、装丁家、ブックデザイナーのお名前まで確認するようになったのは、祖父江さんの存在故です。
 まだお若かったのに。もっと様々な景色を見せて頂きたかった。
 ご冥福をお祈り致します。

すこしずるいパズル たつなみ著 アリス館 2021年

ずるい…けどスッキリ!
人気の謎解き系パズルが、本になりました。
直感を裏切る「ずるさ」が醍醐味。
解けたときのスッキリ感をお楽しみください。

色々な場面で夢中になれる便利なパズル本です。
ひとりの時間にスッキリ、だれかと一緒にワイワイ…
大人でも子供でも、気軽に本格ひらめきが楽しめます。
また、丁寧なヒントがあるので、謎解き初心者でも大丈夫です。

大満足の50問。オールカラーです。プレゼントにもぴったり。
癒しのイラストとともに、驚きとひらめきの時間をお楽しみください。
                 (出版社HPより)

 書架で見かけて、手に取った本。
 クイズや謎解きは好きです。TVのクイズ番組なんか、本気で考えてます。
 で、この本です。最初のうちは「これあり??」と思う問題もありましたが、傾向が分かってくるとそこそこ解けました。追加ヒントに目を通す頻度も減りましたし。ヒントの文章自体結構 面白かったです。
 ただやっぱり、最終的な答えはどこかに欲しかったかも。「多分これだろう」と思いながらも確信が持てない問題もあったので。
 それにしても2021年発行、2025年2月で第20刷って凄いなぁ。