読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

後宮の烏 7 白川紺子著 集英社オレンジ文庫 2022年

 シリーズ7冊目、最終巻。
 ネタバレあります、すみません;

 暗雲
 寿雪は幽宮(かくれのみや)と楽宮(ささらのみや)の境界である界島へ渡ろうとするが、海底火山の噴火で思うように進めない。港で足止めを食っている間に、寿雪は賀州から都へ戻ろうとしていた沙那賣家の晨と出会う。晨の苦悩を知り、父 朝陽の策謀を察する寿雪。寿雪を通じてそれを知った高峻は、晨に朝陽への命令を託す。
 一方 晨の弟 亘は朝陽の命で北辺山脈を訪れ、その地で反乱を起こさせようとしていた。寿雪の後ろ盾となった羊舌は、その目論見を知りながら亘を救いたいと思う。

 炎
 梟の献身で海底火山の噴火が下火になった隙に、界島へ渡った寿雪。千里、之季と合流し、白雷とも邂逅。白雷は寿雪に黒刀を渡そうとし、その瞬間、阿兪拉に憑いた鼇の神は、地下水を利用して寿雪たちを地盤から突き崩す。
 亘は野心を持つ若者を唆し、羊舌慈恵の、引いては寿雪の立場を悪化させようとしていた。だが羊舌の身を挺した諭しに、父 朝陽の支配から離れることを決める。晨もまた、朝陽に高峻からの蟄居の命を伝え、自尽を促した。 

 半身
 寿雪たちは烏の力で何とか無事だった。なおも寿雪に迫る鼇の神。だが、阿兪拉の意思と白雷の裏切りで、黒刀は寿雪の元に還った。烏は寿雪から離れ、鼇の神との決戦に挑む。元の力を取り戻した烏は、鼇の神の敵ではなかった。…

 う~ん、出来過ぎなほどのハッピーエンド(笑)。いや、そうでなきゃなんですけど。
 烏が圧倒的に強いから、鼇の神は知恵を絞ってた、ってのは「…そうか!」でした。色々巡らせてあった伏線も回収されましたね~。
 何より嬉しかったのは、高峻と寿雪が恋愛関係にならなかったこと。ここで結ばれてしまっては、寿雪が本当の自由にはならないんですよね。こういう少女小説の流れをくむレーベルでは、恋愛至上主義になりがちだったのに。時代は変わったな~、とちょっとしみじみしました。

後宮の烏 6 白川紺子著 集英社オレンジ文庫 2021年

 シリーズ6冊目。
 ネタばれあります、すみません;

 血の縁
 目覚めた寿雪の体には烏の意識しかなかった。寿雪の魂は飛ばされ、回廊星河をさまよっているという。寿雪を呼び戻せるのは血縁者のみ、衛青は自分が寿雪の異母兄であると言い出せずにいた。
 一方、結界が破れた折、隠娘は鼇の神に連れ去られていた。隠娘こと阿愈拉の幼馴染 衣斯哈と共に。

 冬の咎人
 寿雪は衛青の呼びかけにより、回廊星河から帰還した。高峻は正体のばれた寿雪のために、公的な地位、身分を用意する。
 白雷は隠娘と衣斯哈を見つけ、鼇の神の命令通り界島に向かう。鼇の神もまた、烏の半身を探していた。

 海より来りて
 千里と之季は界島へ赴き、海底火山の伝承について調べていた。今は落ちぶれてしまったが海神の巫覡だった老女 昭に話を聞き、千里は千年前、この地で烏漣娘娘と鼇の神の戦があったことを確信、寿雪に手紙を送る。之季は界島で白雷を見かけ、自分の復讐心を千里に問く。
 千里からの連絡を受け、寿雪は界島へ向かう。

 血の鎖
 賀州 沙那賣家にて、長子 晨は母の乳母から、自分の呪われた血脈を知らされた。父 朝陽は、自分と妹 杳の間にできた晨を跡継ぎに着けたいらしい。絶望した晨は家を飛び出して都へ向かい、途中、界島を目指す寿雪に出会う。
 一方、弟 亘は父 朝陽の命を受け北辺山脈に向かい、羊舌慈恵と知り合っていた。…

 香薔、なかなかのヤンデレでした。…自分の指さえ厭わないとは、これは怖いわ。
 いよいよクライマックスっぽいんですが、ここへ来て沙那賣家が本当にクローズアップされて来ました。
 千里や之季は海底火山の噴火に巻き込まれて大変なことに。白い手に導かれ、白雷が彼らを見つけます。黒い刀も。…これはちょっと都合がよくないかい、とちょっと思いつつ。
 次巻に続きます。

ひらりと天狗 神棲まう里の物語 明里桜良著 新潮社 2025年

 日本ファンタジーノベル大賞2025 大賞受賞作。
 ネタバレになってるかも、すみません;

 大月ひらりは、就職の都合で亡き母の実家に住むことになった。勤め先は豊穂市役所、配属されたのは〈すぐやる課〉。いわば雑用一般を引き受ける。
 車がないと通勤も買い物も不便な田舎、周囲の人からは「〈ナカヤシキ〉が帰ってきた!」「天狗の家の娘だ!」と訳の分からないことを噂されて首を傾げる日々。
 ある日、山で子供が行方不明になったとの知らせを受けた。役所そのものでの対応は難しいと、有志での捜索参加が決定、ひらりも捜索隊に加わると同時に実家近くのカフェの店主 飯野さんにも協力を仰ぐことに。何だか戸惑った風の飯野さん、実は彼の正体は天狗で、〈ナカヤシキ〉とは天狗への願掛けを請け負う家系だったのだ。
 偶然に天狗への願掛けを行ったことになったひらり。事態を理解してからも、ひらりはその責任の重さに〈ナカヤシキ〉の務めを受け継ぐ気にはならない。でも、昔を知る人はひらりに願掛けを依頼してくる。曰く、詐欺にあって家の貴重品を盗られてしまった、形見の品を取り戻してほしいと。悩むひらりに、アナグマの夜三郎が願掛けの「見本」を見せてくれた。詐欺師を化かし、懲らしめてくれたのだ。
 それでも悩むひらり。「嫁を追い出してくれ」みたいな依頼も来るし、でもそれは理不尽な言い伝えからくる村八分が根底に流れていたり。
 台風で山崩れが起きそうで、「何とかできますか?」と訊いたら不穏な空気が流れ、「じゃいいです」と言ったらきょとんとされる。何だかんだと工夫を凝らし、人が対処すること。元々神様の所業なんて信じてなかったひらりにとって当たり前のことが、神様には面白い感覚だったらしい。人ならぬ存在は、ひらりに好意を持って行く。
 狸、コノハズク、猪にムササビ、猿。博物館勤めの鈴木さんやスーパーの有能なレジ打ち佐藤さんも実は氏神様らしい。ひらりの夢の中で、宴会は続く。…

 なるほど。何だか凄くシリーズ化できそうな話だ。
 ちょっと説明っぽい箇所もありましたが、面白かったです。ひらりののんびりした、でも自立している雰囲気がいい。田舎が自然豊かないい所、だけではない、因習や偏見に凝り固まっている所も描かれて、でもそれから脱却しようとするさまも描かれる。後味よかったですねぇ。
 あれだけ神様たちに集られて(?)、ひらりのお給料がもつのかちょっと心配です(苦笑;)。豊穂市公務員、お給料いいのかな。まだまだエピソード書かれそうです。

新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙 ⅩⅢ 羊たちの宴〈下〉 支倉凍砂著/文倉十イラスト  メディアワークス電撃文庫  2025年

 シリーズ13冊目、最終巻。
 ネタバレあります、すみません;

 教会の改革を誓ったコルの決意は、ともに歩んできたミューリやハイランド、そして旅の途中で出会った仲間たちの支えによって揺るぎない意志へと変わった。潜伏場所に皇帝や教皇特使ユーベルノまでわざわざ来る「薄明の枢機卿」という自分の状況に戸惑いながら、しかし繋がりもできて、いよいよコルが主張したい案がまとまる。エーブの承認やアドバイスも得た。さぁいざ、という時になって教皇が亡くなる事態に。混乱に更に拍車がかかる中、次期教皇として選ばれたのは何とユーベルノ、だが彼が捨て駒として利用されることは明白だった。
 薄明の枢機卿に寄せられる民衆の期待が高まる一方で、教皇庁に潜入していたルティアとカナンは静かに蠢く異変に気付く。それは改革を快く思わぬ旧勢力による、禁断の聖遺物≪神の錫杖≫を用いた策謀だった。
 誤情報が渦巻く中、現場で暴動が起きる。何とか止めなくては、新教皇やコルの声を届けなくては。人と人外の者は一緒になって、鐘楼を目指した。
 それぞれの思惑が渦巻く中で、新たな時代を告げる舞台の幕が上がる。…      (表紙見返しの紹介文に付け足しました)

 完結。そうか、こういう結末か。よくまとめたなぁ。(←上からですみません;)
 聖人に列挙されてしまったコルに、平穏な生活はもうあり得ない気はしますが、そこはそれ(苦笑;)。ただ、彼が結論を出した「教育の充実」には納得しました。≪神の錫杖≫の正体にも。なるほど、東方から来た訳だわ。そういえばこの世界って、まだ剣だけでしたね。
 ミューリとの行く末が違ってきていることは、ちょこちょこ示唆されてましたが、コルはミューリにとっての「帰ってくる場所」になったようです。ホロの楽しみの中に、ミューリの冒険譚も加わるのかな。たまにはニョッヒラにも帰ってあげてほしいものです。

爆笑問題 with タイタンシネマライブ100回記念公演に行ってきました。

 2月7日(土)、「タイタンライブ」の生中継を見てきました。
 LINE CUBE SHIBUYAこと渋谷公会堂で開催されたお笑いライブ「タイタンライブ」を各地TOHOシネマに生中継、スクリーンで鑑賞するシネマライブ。
 私はTOHOシネマ梅田本館にて鑑賞です。

 出演は、ネコニスズ、脳みそ夫、BOOMER&プリンプリン、ウェストランド、パペットマペット、ラブレターズ、パックンマックン、錦鯉、ナイツ、東京03、千原兄弟、松村邦洋と爆笑問題でした。…うん、今日は演者が多い(笑)。

 ネコニスズは「大どんでん返しのドラマに出たい」と無理を言い、脳みそ夫はアラサー武士の一人語り、BOOMER&プリンプリンは安定のゴレンジャーのコントを。(…戦隊ものは今期で一応終わるみたいなんですけど、ネタは続けるんでしょうかね。光代社長に出て貰えるんなら、攫われたのをモモレンジャーにすればよかったのに・笑)
 ウェストエランドは今日の香盤順に安堵した様子(笑)、納得いかないことを並べ立て、パペットマペット(…久しぶり!)はウシさんとカエルさんのショートコントを。
 ラブレターズはエディが対応する不動産会社(…なぜ?・笑)のコント、パックンマックン(このコンビも久しぶり!)は前のネタの数々に「ムカつくライブ!」と愚痴を言いつつ(すみませんねぇ)コメンテーターパトリックと芸人パックンとの建前と本音を述べ(「どうせ参政党に投票するんだろ!」はある意味観客を信頼してないと言えないよなぁ)、錦鯉は「犬を飼いたい」漫才。
 ナイツは生理現象を扱うばりばりの下ネタ(…あれ、会場だったら笑えたのかしら、私は笑えた自信はないなぁ。巨人師匠に下ネタやめろって言われてたでしょうに・苦笑;)、東京03は「上司のフェレットを逃がしてしまった」コント。上司がお土産の紙袋を出した瞬間、梅田の会場では「…グッチ…!」のざわめきが起きました(笑)。飯塚さんがとにかく楽しそうでしたねぇ。
 千原兄弟は深刻な状況からトリビアを次々と披露し、松村邦洋さんは数々のモノマネを。大丈夫、私 大河見てますよ(笑)、で、爆笑問題です。
 今日の衣装は黒のベルベット、凄いな、気合入ってるなぁ。千原せいじさんや松村さん、BOOMER&プリンプリンに触れつつ、オリンピックや選挙のネタを。「パンダ ゼロにした実績がありますから」には笑ってしまいました。

 本当に時間が無くなってしまったらしく、最後は出演者の皆さんが一気に舞台に出て来る状態。エンディングトークはほとんどなし、これはちょっと残念でした。ゲストの皆さんのコメント、聞きたかったなぁ。ライブ会場では聞けたのかしら、特権ですね。

 さて、次はまた4月だとか。チケット取り易くなってるといいなぁ、楽しみです。

爆笑問題 with タイタンシネマライブ 99回記念公演に行ってきました。

 2月6日(金)、「タイタンライブ」の生中継を見てきました。
 お笑いライブ「タイタンライブ」を各地TOHOシネマに生中継、スクリーンで鑑賞するシネマライブ。今回は記念公演らしくLINE CUBE SHIBUYAこと渋谷公会堂での開催です。
 私は今回もTOHOシネマ梅田本館にて鑑賞しました。

 常々私は公演一週間前くらいにチケット購入してまして。それに倣っていつも通り一週間前にチケットぴあを覗いて驚きました。…完売って何!?
 大慌てでタイタンのHP見に行って(この売れ方なら開催劇場増えてるかも、と思ったので)、そこで特別ゲストの存在を知りました。
 明石家さんま、千原兄弟…??
 何をしてくれるんだ!(←八つ当たり)
 TOHOシネマ梅田のHPに飛んだのは本当にたまたま、そこで座席がもう売り出されていたのに気付いたのは本当に僥倖。残り数席のうち一つを、すぐさま抑えました。割高だったけど仕方ない、取れてよかった;;

 という訳で出演は、春とヒコーキ、まんじゅう大帝国、シティホテル3号室、流れ星☆、キュウ、エレキコミック、とろサーモン、バイきんぐ、ウェストランドと爆笑問題、そして明石家さんまさんでした。…あれ、出演者少ないな、とちらっと思いましたっけ。

 春とヒコーキは撮り鉄の離婚模様を描き、まんじゅう大帝国は「何かに効く」食べ物の話を。シティホテル3号室は芸能の神様を祀る神社についての御利益(?)を語り(物凄く面白かったんだけど神主の衣装をもうちょっと頑張った方がいい、出てきた一瞬白装束に空見して、「死人か?」と勘違いした)、流れ星☆は「ヤンキー漫画を再現したい」漫才コント。実生活が暴かれて行くのが悲しい(苦笑;)。
 キュウはお互いを見失い(何て漫才だ・笑)、エレキコミックは人間ドッグのコント。とろサーモンはお化け屋敷をプロデュースし(「いくら頑張っても俺たち太田さんの前説なんだよ!」の嘆きは笑ってしまいました)、バイきんぐは引退した寿司屋のコント。「傲慢とプライドを握ってた」って言葉のチョイスが素敵です(笑)。
 次が爆笑問題でした。衣装が青いビロードの三つ揃い、まぁよくそんな着回しが効かないものを誂えたとも、気合入ってるなぁ!(笑) モームリ、選挙、シール交換といった流行りものから映画『ズートピア2』まで。微妙な話題を念押ししてしまう田中さん、でも解説が必要なボケではあったよなぁ(笑)。30周年を記念して30年前の話題にも飛びました、ドラマ「ロングバケーション」や小室ファミリー、アムラー等々。「コナンも30周年」でコラボ、ってのは本当にできるんじゃないかしら。
 その後に何とウェストランド。…偉くなったねぇ!(笑) 井口さんもこの順番に居心地が悪そうなことを言いながらも漫才を敢行、「尊敬するもの」として占いやeスポーツや高校球児を挙げてらっしゃいましたっけ(苦笑;)。
 で、明石家さんまさんです。コンビ名「古希還暦」で太田さんと漫才。…トークゲストかと思ってた…!

 黒のジャケットに蝶ネクタイのさんまさん、白いスニーカーが眩しい(笑)。太田さん「時間40分取ってます!」の言葉通り、まぁ話が進まない進まない。「せっかく作ったネタだから」とどちらも筋を戻そうとはするんですが、結局自分たちで寄り道し放題。若かりし頃の桂三枝さんの所業にも触れて、さんまさんが「しまった、これ大阪にも流れてるのか…!」と苦笑いする場面も。すかさず太田さん「なんば~!」「梅田~!」「チクって下さい!」とカメラに向かって煽ってました(笑)。何かあると、未だに文枝さんからさんまさんにお電話かかってくるそうで、今回もあったんでしょうかねぇ。
 結局コンビニ店員コントも文豪コントもやりきれないまま、田中さん「長い!」と登場、でもそしたら今度はレッツゴー三匹や漫画トリオのネタを始めて、それも脇道に逸れて、田中さんがお二人を「お前ら」呼ばわりし、さんまさんすら「こいつ」呼ばわりし…。いや、気持ちは分かる気がする(苦笑;)。

 終了3分前になって今度は井口さんが登場、漫才は強制終了です(笑)。他の出演者さんも勢ぞろいして一気に終幕へ。さんまさんは退場してしまいましたが、後々出てらっしゃったのかな、会場だったらアフタートークも聞けたのかな、羨ましい。

 最初、会場のどなたかの笑い声をマイクが拾ってて、結構気になりました。途中から気にならなくなったのは、気付いたスタッフさんがマイクをオフにしてくれたのか、それとも自分が演者さんに集中できるようになったせいか、どっちだろう。
 さんまさん途中で「来年も来たる」と仰ってましたよね、お待ちしてますよ。今度はちゃんと前もってチケット取りますから。
 さて、明日は100回記念公演、楽しみです。

後宮の烏 5 白川紺子著 集英社オレンジ文庫 2020年

 シリーズ5冊目。ネタバレあります、すみません;

 笑う女
 鶴妃 晩霞と燕夫人 黄英が懐妊した。お祝いとして燕夫人の鵲妃への昇格が決まったが、黄英は先の鵲妃の不幸に怯え、鵲巣宮への転居を嫌がっている。お祓いを頼まれ、鵲巣宮へ赴いた寿雪は、そこで漆塗りの化粧箱を持った女官 松娘と会う。夜な夜な彼女の元に、笑みを浮かべた赤い女が出る、どうやら代々家に伝わる化粧箱に朱漆で描かれた女らしい。同室の女官が嫌がるので、丁度鵲巣宮へ隠しに来たところだと言う。
 化粧箱を預かった寿雪は、朱塗の女の意匠を求め、松娘の出身地に纏わる言い伝え、昔話を集める。千里の力も借りてその矛盾点を突き、どうやら二つの説話が一緒になってしまったと分かった後。赤い女が何を伝えようと出てきたのか、寿雪は胸騒ぎを覚える。

 黒い塩
 高峻は、塩鉄使に塩商の羊舌慈恵を迎え入れようと、令狐之季を派遣した。羊舌は前王朝に仕えていた家柄、高峻はこっそり欒氏の生き残り寿雪が後宮にいることを伝えて王宮に招こうとするが、羊舌は条件を一つ出す。曰く、慈恵の娘 羊舌瑛は15年前呪詛で死んだ、その真相が知りたいと。寿雪は之季に当時のいきさつを調べさせ、之季は、瑛に恋人がいたこと、その恋人が参軍事に無実の罪を着せられ捕まって殺されたこと、その後参軍事も死んでいたことを突き止める。瑛が持っていた呪詛の道具 黒塩の意味を理解する寿雪。慈恵は寿雪に会い、高峻の言に従って寿雪の後ろ盾になることを受諾する。 

 烏妃の首飾り
 その昔、後宮から逃げようとしたが果たせず、死んだ烏妃がいたらしい。初代烏妃 香薔が、烏妃を閉じ込める結界を後宮に張り巡らせたのだとか。封一行から話を聞いて、寿雪は夜明宮に伝わる首飾りが、その烏妃の持ち物だったと知る。首飾りの宝石から来歴を、引いてはその烏妃の名前 序寧を突き止めた寿雪は招魂を試みるが、序寧は来ない。魂は囚われているのか、消滅したのか。仕方なく、結界を解こうとした巫術師の霊魂を呼び、当時の様子を尋ねる。序寧は、烏の半身の在り処に心当たりがあったらしい。

 破界
 沙那賣家を通じて白雷を呼び、封と寿雪と三人で結界を破ることに。門は破壊できたが、歴代の烏妃の骸が寿雪に襲い掛かって来た。香薔の呪詛は、結界を破った際のことまで巡らせてあったのだ。大量の骸の中に麗嬢の姿を見つけ絶望する寿雪。だが、麗嬢は生前、香薔の呪詛を返す術を烏妃の塚に施していた。いつか寿雪が結界を破壊し、後宮の外に出ると信じて。…

 いよいよ盛り上がってきた第5巻。なかなかの派手さです。
 高峻が寿雪を解放した後のことまで考えているのに「なるほど!」。前王朝の生き残り、という立場はそのまま寿雪も、己の存在も危うくさせかねない。なのに寿雪の銀髪は皆にばれてしまいました。意識も烏に乗っ取られているようです。
 ここへ来て晩霞の兄二人がクローズアップされてきました。特に長兄 晨は寿雪に心惹かれている様子、まさか今更寿雪のお相手になるとは思わないけれど、何しろ高峻が身を引こうと(?)してるからなぁ。
 烏の半身は序寧の故郷 界島にあるようです。こういう、昔話を検証していくくだり、好きだなぁ。
 次巻に続きます。