読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

狼と香辛料ⅩⅨ Spring LogⅡ  支倉凍砂著/文倉十イラスト  メディアワークス電撃文庫  2017年

 シリーズ19冊目。

 狼と花弁の香り
ミューリのいなくなった湯屋で、石臼を探しに納谷に入ったロレンスとホロ。そこにあった空き小瓶に、旅商人だった昔のことを思い出す。修道院から頼まれて様子を見に行った東の村で、新米領主は水車の使用税を領民から取れずに困っていたこと、そもそも水車の修繕がすぐ必要になるのは、村を席巻するほどに紫の花が群生し、自然発火までするからだということ。村人から各戸石臼を徴収するという悪役を引き受けながら、ロレンスはこの花の使い道を考える。

 狼と甘い牙
ミューリの悪戯が絶えない毎日、今日もミューリは温泉の中島で二頭の熊を取っ組み合わせ、石舞台をぶっ壊してしまった。さすがに堪忍袋の緒を切らせたコルは、反省の色もないミューリに腹を立てる。

 狼と羊の毛づくろい
スヴェルネルでの祭りの帰り。ホロは新しく雇うことになったセリムへの対応に不安を抱いていた。折も折、偶然出会った羊飼いから羊の番を頼まれる。ロレンスは腰痛で動けないというのに。

 狼と香辛料の記憶
繰り返される日常の中、湯治客の僧侶から仕事の依頼が来る。コルの活躍のおかげで、特権を貪っていた教会が慌て始めたらしい。今までの利権をなるべくいい条件で売り捌きたい、その中継をしてほしいとのこと、ロレンスは大喜びで仕事にかかる。事務作業に明け暮れるロレンスの様子を、ホロは少々疑問に思う。そんなにも金儲けに勤しむ理由が、今のロレンスにあっただろうか。…

 
 一話目の香油については、どうも察しがついちゃったなぁ、というのが少々残念でした。思いもかけない所に皆が幸せになるような解決策があったのか、目から鱗!って面白さがちょっと半減してしまいましたね。いや、石臼の隠し場所とかは面白かったんですけど。
 残す側が残される側を思い遣るラスト、ロレンスは本当にいい男になったねぇ。先に逝く方が気楽なものではあるんでしょうけど。でもこれで案外、ホロがけろっとしてるのが現実かもしれない(苦笑;)。