読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

おおあたり 畠中恵著 新潮社 2016年

 『しゃばけ』シリーズ。

 おおあたり
栄吉の作ったあられ菓子が評判になった。若旦那も販促に手を貸して大当たり、これで栄吉も三春屋へ戻って来る、許婚お千夜と一緒になると思っていたら、栄吉はあんこ上手く作れるようになるまでは帰らない、という。そのうち、あられの偽物やお千夜に言い寄る別の男まで現れて…。

 長崎屋の怪談
獏こと場久が、自身の語る怪談のように、何者かに後をつけ回されているという。日限の親分に頼んだが、しばらくして親分が行方不明になったとの情報が入った。最後に目撃されたのは岡っ引きの才蔵の後をつけていた所、才蔵も行方不明になっていたことから、親分が才蔵を殺して逃げたのではないかとの噂が立つ。辻斬り、土左衛門等不穏な流言も飛び交う中、若だんなは河童や貧乏神の力も借りて、真相究明に乗り出す。

 はてはて
貧乏神がひょんなことから貰った富札が、大金に当たってしまった。ところが当たりくじが三本もあったり、その富札は自分のものだと主張するおなごが三人も出て来たりして大騒ぎ。兄やたちは若だんなの周りが騒がしいと剣呑な雰囲気、若だんなが首を突っ込む前に解決しなければと、貧乏神も焦り出す。

 あいしょう
仁吉と佐助が長崎屋に来た頃のこと。
まだ小さい若だんなが行方不明になってしまった。どうやらしゃぼん売りについて行ってしまったらしい。近辺では米問屋福山屋の正五郎ぼっちゃんも十日前から行方不明、五十両の身代金も払ったのに帰ってこないとのこと。仁吉と佐助が聞きまわっていると、子供の世話を頼まれた、という河童に出くわした。

 暁を覚えず
長崎屋の役に立ちたい若だんな。お客様の接待の相手をするため、猫又の作った薬“暁散”を飲みたいと言いだした。飲んで丸一日寝たら、次の日は丈夫に過ごせるとのこと、所が半日位で目が覚めてしまった。その間に長崎屋に松之助が訪れたり、妖たちが翌日若だんなに誰がついていくか揉めていたり。…


 もう安定してますよね、『しゃばけ』シリーズ。
 栄吉に意外な才能、あられは上手く作れるんですね! もうこれでいいじゃん、あんこの材料費も勿体ないし、と思ったのは私だけでしょうか。そのせいで結局許婚にも振られちゃうし。
 若だんなの身体が弱いのは何とかならないのかなぁ、と根本的なことを今回思ってしまいました。そのくせあちこちに首を突っ込みたがるのは、何だかこれは性分だから仕方ないんだけど、というかそれがお話なんだけど、学習能力ないのかしら、別の解決策探した方がいいんじゃないのか、安楽椅子探偵みたいな(いや、今ももうその手の話はあるんだけど)感じで満足できないか、とかちょっと考えてしまいましたよ。
 いや何しろ安定したまま発展ないから…。(それを言い出したらドラえもん全否定みたいになるんですけど;)