読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

うずら大名 畠中恵著 集英社 2015年

 連作短編集。

 若き日に同じ道場に通った貧乏武家の部屋住み・有月と百姓の三男・吉也。金もなく、家にも町にも居場所がなく、この先どうやって生きていけばいいのかと悩む日々を共に過ごしてきた。
 時は流れ、吉也は東豊島村の村名主となり吉之助と改名。ある日、大名家へ向かう途中に辻斬りに襲われるが、「御吉兆ーっ」という鳴き声とともに飛び込んできた白い鶉とその飼い主であるお武家によって命を救われる。
 お武家の正体は、十数年ぶりに再会した有月だった。涼やかな面で切れ者、剣の腕も確かな有月は大名を自称するが、どう見ても怪しく謎めいている。そんな有月と勇猛果敢な鶉の佐久夜に振り回されながら、吉之助は江戸近隣で相次ぐ豪農不審死事件に巻きこまれていく。
 まず、吉之助の姪・お奈々の、隣村への嫁入りのいざこざから始まって、有月宅へ軍鶏を届けた帰り道、何者かに襲われた挙句人殺しの容疑者にされかかったこと。
 お奈々の婿・岩井平十郎からの誘いで一緒に漬け物販売を扱うことになったのはよかったが、そのための肥取りの条件として、とある豪農の消えた財産を探さねばならなこなったこと。
 とある旗本の屋敷で妙な数字の書き付けを見つけた娘の騒動に巻き込まれ、やがて、その背景に蠢く幕府を揺るがす恐ろしい陰謀が明らかになる。その黒幕を暴き出さねばならなくなった吉之助たち。
 いつまでもくすぶり続けるしかない次男、三男坊、思わぬ幸運なのか家督を継ぐことになった者。かつての仲間達が立場を変えて再び集まる。…                        (出版社HPの紹介文に付け足しました)
                       

 畠中さんの最新作。
 表紙の挿画がスカイエマさん、これが滅法かっこいい。連載時の挿画も担当してらっしゃったのかな、出版社のHPにも色々イラストがあって、勿体ないなぁと思ってしまった。領地図なんかもあって、これ本誌の見返しとかに欲しかったなぁ。
 内容としてはひとまずカタは着いた感じなのですが、道場では弱かった有月が強くなっている経緯とか(違う流派の剣を習った様子)、老中との腐れ縁とか、まだまだ解明されていない所はあるので、シリーズ化される予定なんでしょう。
 とりあえず、鶉はいいなぁ、飼いたいかもと思いましたよ。ちょっと前にTVで鶉の雛が紹介されていたんですが、何しろ可愛い。だって500円玉くらいの大きさのヒヨコですよ、ふわふわもこもこ、それが自分の後をぴよぴよ付いてきたらたまらないじゃん! 鶉卵は大好物ですし(←こらこら;)。まぁ佐久夜はあまり可愛げのある性格はしてないようですが。