読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

読書 外国作家

緋色の研究 コナン・ドイル著/駒月雅子訳 角川文庫 2012年

従軍から帰国し、ロンドンで同居人を探していたワトスンが紹介された不思議な男。アフガニスタンに行っていましたね――。初対面でそう言い当てられ、度肝を抜かれたその男こそ、怜悧な観察眼を備えた名探偵シャーロック・ホームズだった。若き日のホームズと…

ネイサン・チェン自伝 ワンジャンプ ネイサン・チェン著/ないとうふみこ 児玉敦子 中村久里子訳 KADOKAWA 2023年

ネイサン・チェンが初めて明かす 金メダル獲得までの苦悩と栄光 北京五輪のフリーで5度の4回転ジャンプを決め金メダルを獲得したネイサン・チェン。その栄光の裏には、想像を絶する苦悩の日々、家族やチームとの絆があった。トップスケーターが舞台裏を語り…

地球の長い午後 ブライアン・W・オールディス著/伊藤典夫訳 ハヤカワSF文庫 1977年

アメリカでの出版は1962年。ヒューゴー賞受賞作品。 ネタばれあります、すみません; 大地を覆い尽くす巨木の世界は、永遠に太陽に片面を向けてめぐる、植物の王国と化した地球の姿だった! わがもの顔に跳梁する食肉植物ハネンボウ、トビエイ、ヒカゲノワナ…

サピエンス全史(下)――文明の構造と人類の幸福 ユヴァル・ノア・ハラリ著/柴田裕之訳 河出書房新社 2016年

近代に至って、なぜ文明は爆発的な進歩を遂げ、ヨーロッパは世界の覇権を握ったのか?その答えは「帝国、科学、資本」のフィードバック・ループにあった。帝国に支援された科学技術の発展にともなって、「未来は現在より豊かになる」という、将来への信頼が…

サピエンス全史(上)――文明の構造と人類の幸福 ユヴァル・ノア・ハラリ著/柴田裕之訳 河出書房新社 2016年

アフリカでほそぼそと暮らしていたホモ・サピエンスが、食物連鎖の頂点に立ち、文明を築いたのはなぜか。その答えを解く鍵は「虚構」にある。我々が当たり前のように信じている国家や国民、企業や法律、さらには人権や平等といった考えまでもが虚構であり、…

誰がネロとパトラッシュを殺すのか 日本人が知らないフランダースの犬 アン・ヴァン・ディーンデレン ディディエ・ヴォルカールト編著 塩崎香織 訳 岩波書店 2015年

イギリス人作家が、なぜフランダース地方を舞台に悲しい物語を書いたのか。本国ベルギーでは、なぜ人々に受け入れられなかったのか。アメリカで作られた5本の映画は、なぜハッピーエンドにに書き換えられたのか。日本にはどのように紹介され、1975年のテレビ…

魔道祖師 4 墨香銅臭 著/鄭穎馨 訳/千二百 挿画 フロンティアワークス 2021年

最終巻。番外集付き。ネタばれあります、すみません; 乱葬崗から雲夢江氏の仙府に落ち着いた一行。そこへ金光瑶の罪を暴く証言者が二人もやってくる。あまりにものタイミングの良さに疑問を抱く魏無羨。だが周囲は既に金光瑶弾劾の雰囲気が高まっていた。 …

魔道祖師 3 墨香銅臭 著/鄭穎馨 訳/千二百 挿画 フロンティアワークス 2021年

『魔道祖師』第3巻。 ネタばれあります、すみません; 魏無羨と江澄は眉山虞氏にいる姉 江厭離を訪ねようとするが、途中で江澄が岐山温氏に捕まってしまう。江澄を助けてくれたのは温寧、それに与する形で姉 温情も。温寧は過去、魏無羨が彼の弓の腕を褒め…

魔道祖師 2 墨香銅臭 著/鄭穎馨 訳/千二百 挿画 フロンティアワークス 2021年

『魔道祖師』第2巻。 ネタばれあります、すみません; 温寧が宋嵐と、藍忘機とが戦っている間に、魏無羨は彼らに何かを伝えようとしている少女の幽霊に共情し、過去の経緯を知る。暁星塵が自分の目を宋嵐に与えて盲いた後、薛洋と出会い、騙されて幾多の村…

魔道祖師 1 墨香銅臭 著/鄭穎馨 訳/千二百 挿画 フロンティアワークス 2021年

ネタばれになってるかも、すみません; かつて「悪の道に堕ちた」と人々から恐れられた魏無羨(ウェイ・ウーシエン)は、すべてを失い非業の死を遂げた。しかし、それは自らの信念を貫いた証だった。それから13年後――別人の体に召喚され、思いがけず現世に蘇…

ラヴ・レターズ A.R.ガーニー作/青井陽治訳 劇書房 1990年

朗読劇の脚本。アメリカでの出版は1989年。 50年間におよぶ長い時間に 一組の男女の間を行き来したラヴ・レターズ。 ネタばれになってるかも、すみません; 2年生の始業式の日、オズの国の王女様のように教室に入ってきたメリッサ。アンディーは彼女の誕生パ…

スナーク狩り ルイス・キャロル作/トーベ・ヤンソン絵/穂村弘訳 集英社 2014年

その姿を見た者は消えてしまうと言われている、怪物スナーク。そのスナークを捕まえようと、船長ベルマンのもとに集まったのは、靴磨き、帽子屋、弁護士、ブローカー、ビリヤード・マーカー、パン屋、肉屋、銀行家、そしてビーバー。真っ白な海図を持って出…

はなをくんくん ルース・クラウス文 マーク・シーモント絵 きじまはじめ訳 福音館書店 1967年

米国での出版は1949年。 2015年で120刷ですよ、凄ぇ…! 冬の森の中、雪の下で動物たちは冬眠をしています。野ねずみも、くまも、小さなかたつむりも…。でも、とつぜんみんなは目をさましました。はなをくんくんさせています。みんなはなをくんくんさせながら…

読んでいない本について堂々と語る方法 ピエール・バイヤール著/大浦康介訳 筑摩書房 2008年

TV番組『セブンルール』見てたらそこに出てきた本。 そういえばアニメ『バーナード嬢曰く。』でも紹介されていて気になってたんだった!と図書館に予約入れました。そしたらどうも同じ考えの人が市内に何人かいたらしく、気が付いたら予約者が後ろに7人。…同…

小公子 フランシス・ホジソン・バーネット著/川端康成訳 新潮文庫 2020年

アメリカでの初出は1886年。 アメリカに生まれた少年・セドリックは、大好きな母や周囲の人々の細やかな愛情に包まれ幸せに暮らしていたが、名も知らぬ貴族の祖父の跡継ぎになるためイギリスへ渡ることとなった。祖父は意地悪で傲慢で、アメリカという国を嫌…

三大悲劇集 血の婚礼 他二篇  ガルシーア・ロルカ著/牛島信明訳  岩波文庫  1992年

血の婚礼 ――三幕七場の悲劇(1933年初演) 婚礼の朝、花嫁が姿をくらませた。かつての恋人レオナルドと駆け落ちしたらしい。花むこは二人の後を追い、レオナルドと刺し違える。奇しくもレオナルドの一族と花むこの血族には因縁があった。 イェルマ――三幕六場…

人形の家 ルーマー・ゴッデン作/瀬田貞二訳 岩波少年文庫 1978年

イギリスでの出版は1947年。 小さなオランダ人形のトチーは,「人形の家」に,両親と弟のりんごちゃん,犬のかがりと幸せに暮らしていました.ところがある日,ごうまんなマーチペーンが入りこんできて,思いがけない事件がおこります…。 真実という大切な問…

カレワラ物語 フィンランドの神々 小泉保編訳 岩波少年文庫 2008年

歌で事物を自由に変形させる呪術の力によって、永遠の賢人ワイナミョイネン、鍛冶イルマリネンなど、さまざまな英雄たちが活躍する神話の世界。 「カレワラ」は、1830年代に、医師であるリョンロートがカレリア地方の農村をたずね歩いて伝承詩を聞き取り、集…

ポルコさま ちえばなし――スペインのたのしいお話―― ロバート・デイヴィス文 瀬田貞二訳 フリッツ・アイヘンバーグ絵 岩波書店 1964年

ポルコさまのこと けものの仲間を治めるブタのポルコさまが、あなたの悩みを解いて下さること。 将軍の馬 ある雨の夜、将軍家のうまやばんアントニオがポルコ様を訪ねて来ました。将軍の白い馬の、左の前足がが悪くなってしまったというのです。早速ポルコ様…

白いりゅう黒いりゅう――中国のたのしいお話 賈芝・孫剣冰編 赤羽末吉 イラスト 君島久子訳  岩波書店 1964年

童話集。 九人のきょうだい(イ族) 不思議な丸薬で、9人の息子を授けて貰ったおばあさん。その名も「ちからもち」「くいしんぼう」「はらいっぱい」「ぶってくれ」「ながすね」「さむがりや」「あつがりや」「切ってくれ」「みずくぐり」。 王さまの宮殿の…

ものいうなべ――デンマークのたのしいお話―― メリー・C・ハッチ文 渡辺茂男訳 富山妙子絵 岩波書店 1964年

童話集。 かあさん子のたからさがし よわむしのかあさん子は、両親が死んで、かあさんのこねばちを貰いました。それに乗って海へ出て、とおい王国の台所で働くことに。その国の、たくさんの求婚者に悩んでいるおひめさまに、求婚者を追い払う方法を教えます…

O・ヘンリ短編集(三) O・ヘンリ著/大久保康雄訳 新潮文庫 1969年

短編集、3冊目。 最後の一葉 絵描きの卵スウとジョンジーはワシントンスクエアの屋根裏部屋に同居している。十一月、ジョンジーは肺炎にかかってしまった。ジョンジーは窓から見える蔦の葉に我が身を重ね、最後の一葉が落ちたら自分も死ぬのだという。階下に…

ハリー・ポッターと呪いの子 第一部・第二部<特別リハーサル版> J・K・ローリング ジョン・ティファニー&ジャック・ソーン/翻訳 松岡佑子 静山社 2016年

『ハリー・ポッター』シリーズ 8番目の物語 19年後。 ロンドンで公開された舞台の脚本。 ネタばれあります、すみません; ハリー・ポッターの次男坊アルバスはスリザリン寮へ。マルフォイの息子スコーピウスと親友に。英雄である父親との間は決してうまく行…

小さなバイキング ルーネル・ハンソン作/大塚勇三訳 学習研究社 1967年

スウェーデンでの出版は1963年。 …でもこれ、ドイツ語版からの翻訳なのかな? 千年ほど昔、スカンジナビア半島の海岸に、バイキングと呼ばれる勇ましい海洋民族がいました。その一族――フラーケ族の族長ハルバルの息子ビッケは、大変な臆病者。オオカミに追わ…

辺境のオオカミ ローズマリ・サトクリフ著/猪熊葉子訳 岩波少年書店 2008年

英国での出版は1980年。 ローマン・ブリテン四部作の最終編。 部下の進言を無視し、不適切な撤退をしたことで、多くの部下と砦をも失ったアレクシオス・フラビウス・アクイラ百人隊長は、北ブリテンの辺境守備隊に左遷される。正規軍と程遠い辺境守備隊の面…

ともしびをかかげて 上下 ローズマリ・サトクリフ著/猪熊葉子訳 岩波少年書店 2008年

英国での出版は1959年。ローマ・ブリテン三部作(後に四部作)の三作目。 解説は上橋菜穂子さん。 衰退したローマ帝国は、450年にわたるブリテン島支配に終止符をうつ。地方軍団の指揮官アクイラは、悩んだ末に軍を脱走し、故郷のブリテン島にとどまることを…

モロー博士の島 H・G・ウェルズ著/中村融訳 創元SF文庫 1996年

英国での出版は1896年。 海難事故に遭いながら、奇しくも貨物船に拾われ一命をとりとめたエドワード。彼を乗せた船は種々の動物を積み、とある絶海の孤島にむかう途中だった。やがて辿り着いた先は、奇妙な住人たちの住む地。しかもこの島の主とは誰あろう、…

かぎのない箱――フィンランドのたのしいお話―― ボウマン、ビアンコス文/瀬田貞二訳  岩波書店 1963年

民話集。 りくでも海でもはしる船 りくでも海でもはしる船をもってきたものに、ひめぎみがつかわされる、とのお触れが出ました。三人兄弟も船を造ろうと森の木を伐り出しにかかりますが、上の二人は、途中で出逢った道端のおばあさんも 杖にすがったおじいさ…

O・ヘンリ短編集(二) O・ヘンリ著/大久保康雄訳 新潮文庫 1969年

短編集。 賢者の贈りもの 明日はクリスマスだというのに、夫のジムに贈るプレゼントを買うお金がない。デラは自分の自慢の髪を売ることにする。ジムの自慢の品 祖父から貰った金時計にぴったりの、プラチナの鎖を買うために。 アイキイのほれぐすり 薬局に勤…

小人たちの新しい家 メアリー・ノートン作/猪熊葉子訳 岩波少年文庫 1990年

シリーズ最終話。英国での出版は1982年。 気球に乗ってプラター夫妻の屋根裏部屋から何とか逃げ出したアリエッティ達。しかしようやくたどり着いたリトル・フォーダムも、安住の地ではありません。与えられた居心地の良い環境を是としないポッドは、その日の…