読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙  支倉凍砂著/文倉十イラスト  メディアワークス電撃文庫  2016年

 『狼と香辛料』一世代後の物語。
 ネタばれあります、すみません;

 青年となったコルは永年の夢聖職者となるべく、温泉地ニョッヒラから旅立った。何故かロレンスとホロの娘・ミューリも一緒、目指すはレノスの町だったのだが、結局アティフへと向かうことに。
 教会の権威は絶大なものとなり、代わりに目に余る行動も多くなった。税金を自由にかける横暴に抗議した王国に対抗して、教皇自らが勤めを拒否。結婚も洗礼も葬式も正式に出せない有様に、コルはこれは本来の聖職者のあるべき姿ではない、と憤る。
 神の教えを独占する教会に、市井の人々は抗議する根拠を持てない。ウィンフィール王国は聖典の俗語翻訳版を作って世間一般に神の教えを広めるという計画を立て、コルはその一端を担うことになった。ウィンフィール王家の血筋を引くハイランドに惹かれ、聖書の翻訳に没頭する日々。その翻訳版はアティフの大司教に対し要となる筈だったのに、意図的に混ぜられた誤訳を指摘され、ハイランドは異端の宣告を受けてしまう。
 おそらく、デバウ商会もハイランドの敵に回っただろう。だが、ロレンスとホロに恩義のある商会は、コルの説得は聞くかもしれない。ミューリの能力を借りてデバウ商会に向かったコルは、町中が殺気立つ有様を見る。市民の側に立ったウィンフィール王国を異端としたことで、教会に群衆が殺到していた。
 元々デバウ商会は教会に貨幣を横流し、利益を貪っていた。コルは商会に、王国側に立ち、ハイランドを救うよう主張する。…


 そうか、続編は宗教改革の話になるのか。イギリス国教会とかプロテスタントの設立とか、そのあたりがモデルの話になるのかな。私、その辺りのことは全然詳しくないんですが。
 ミューリは母譲りの大喰らい(笑)、我儘も言ってコルを困らせます。…うん、やっぱり好きなタイプの女の子じゃない(苦笑;)。
 さて、新教会の設立が最終目的になるんでしょうね。まだまだ道のりは遠そうです。次巻に続きます。