読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

読書 作家別な行

刀語(カタナガタリ) 第四話 薄刀・針(ハクトウ・ハリ) 西尾維新著 講談社BOX 2007年

『刀語』第四巻。 ネタばれあります、すみません。 とがめと七花が錆白兵との巌流島での果たしあいを決めた頃。 不承島を三人の男が訪れた。真庭忍軍の三頭領、真庭蝶々、蟷螂、蜜蜂。刀集めに際し、七花の姉・七美を人質にしようと言うのだ。 自在に爪を伸…

刀語(カタナガタリ) 第三話 千刀・鎩(セントウ・ツルギ) 西尾維新著 講談社BOX 2007年

『刀語』第三巻。 ネタばれになってるかも、すみません; 奇策士とがめと鑢七花は、次の刀を求めて出雲の国の三途神社へ。狙いは圧倒的な数量に重きを置いて作られた刀・千刀『鎩(ツルギ)』、今の持ち主は三途神社の長、敦賀迷彩。 三途神社は駆け込み寺の…

童子の輪舞曲(ロンド)~僕僕先生 仁木英之著 新潮社 2013年

『僕僕先生』外伝集。 避雨雙六 外は雨、第狸奴の庵の中で。暇つぶしにと僕僕は雙六の神を呼び出す。それぞれが決めたゴールを目指す特別なルールで、王弁は何だか止まったり休んだり前に戻ったり、上手く行かない。 雷のお届けもの 雷の国で暮らすことにな…

刀語(カタナガタリ) 第二話 斬刀・鈍(ザントウ・ナマクラ) 西尾維新著 講談社BOX 2007年

『刀語』第二巻。 ネタばれになってるかも、すみません; 奇策士とがめが鑢七花と共に次に収集に向かったのは斬刀・鈍、比類なき切れ味が特徴のこの刀を求めて二人は因幡砂漠へ。持ち主は半ば廃墟と化した下酷城にたった一人で住む宇練銀閣、居合抜きの達人…

鳥と雲と薬草袋 梨木香歩著 新潮社 2013年

地名にまつわるエッセイ集。 鳥のように、雲のように、その土地を辿る。ゆかしい地名に心惹かれる――。 作家の胸奥の「ものがたり」がはぐくまれる場所に、滋養を与える旅の記憶。49の土地の来歴を綴り重ねた葉篇随筆。読む者の心も、はるばると時を超える。…

エストニア紀行――森の苔・庭の木漏れ日・海の葦 梨木香歩著 新潮社 2012年

祖国への変わらぬ熱情を静かに燃やし続けてきた人々の魂に触れた紀行。エストニアの人々が歌う「我が祖国」とは、生れた土地のこと。そして、それは地球そのもの スカンジナビア半島の対岸、バルト海に面したエストニア。首都タリンから、古都タルトゥ、オテ…

刀語(カタナガタリ) 第一話 絶刀・鉋(ゼットウ・カンナ) 西尾維新著 講談社BOX 2007年

丹後の深奏海岸から海を挟んだ向こう側にある不承島。二十年前からそこに住みこんでいる姉弟を訪ねて、一人の女が現れた。 奇策士とがめ、尾張幕府家鳴将軍家直轄預奉所軍所総監督と名乗った彼女は、刀を持たない剣術 虚刀流の六代目当主に会いたいと言う。…

半熟作家と“文学少女”な編集者(ミューズ) 野村美月著 ファミ通文庫 2011年

“文学少女”シリーズ最終巻。 ネタばれになってるかも、すみません; 半熟作家と“文学少女”な編集者(ミューズ) 俺・雀宮快斗は売れっ子高校生作家。『ハードボイルド高校生・業平涼人』シリーズを刊行し、ベストセラー街道をかっ飛ばしている。 今度の担当…

鋼の魂~僕僕先生 仁木英之著 新潮社 2012年

『僕僕先生』シリーズ6冊目。 この作品をお好きな方は、この先読まれない方がいいかと思います; 僕僕先生一行は、王弁の「吐蕃の医術が学びたい」との希望から雲南の洱海へ。三国の国境にあたる土地柄は人民の坩堝で、治安もあまり安定していない様子。さら…

雪と珊瑚と 梨木香歩著 角川書店 2012年

ネタばれになってるかも、すみません; 母でも娘でもない、自分が今、ここにいる――。 21歳の珊瑚は、赤ん坊の雪を抱えて途方に暮れていた。母ひとり子ひとり。働きたいけれど保育園も託児所も満員で、だけどお金も必要で――。そんなとき、珊瑚はくららさんに…

消失グラデーション 長沢樹著 角川書店 2011年

第31回横溝正史ミステリ大賞大賞受賞作。 語り手は椎名康、藤野学院高校二年生。とっかえひっかえ女の子と付き合っているような男子バスケ部員。そんな康が恋をした。相手は網川緑、去年一年生ながら女子バスケ部のレギュラーを射止めたエースで、雑誌の読者…

ゆみに町ガイドブック 西崎憲著 河出書房新社 2011年

ここは、あの人が去った町。片耳のプーさんが走っているかもしれない町。そして雲マニアの失態で、危険な特異点が生まれつつある町……日本ファンタジーノベル大賞受賞作家が贈る書下し長編。 (出版社の紹介文より) 片耳のプーさん、雲マニアの孤独な生活、…

“文学少女”と恋する挿話集(エピソード)4 野村美月著 ファミ通文庫 2011年

“文学少女”シリーズ、番外編短編集第4弾。 心葉先輩に『銀河鉄道の夜』の珍解釈を披露する日坂菜乃。でも読み返すうちに気付いた言葉が、心葉の心に響く :『“文学少女見習いの、発見。』 一年生の文化祭時。遠子先輩から「柿の葉で包んだお寿司」『堤中納…

蕃東国年代記(ばんどんこくねんだいき) 西崎憲著 新潮社 2010年

中国と日本の間に位置する架空の国・蕃東を舞台にした連作短編集。 ネタばれになってるかな、すみません; 雨竜見物 臨光帝が即位して間もない頃、蕃東の第一の都景京にて。 都の北、塞の大地の水の色が変わっていると言う。どうやら竜の卵が孵るらしい。竜…

瞬間移動死体 西澤保彦著 講談社ノベルス 1997年

「俺」中島和義は妻・景子を殺すことにした。景子は売れっ子の小説家、彼女のおかげで怠け者の俺は左団扇で暮らしていけるが、精神的に追い詰められてしまった。 俺は、ロスの別荘<うぐいす荘>に秘書兼愛人の波多野と共にいる景子を殺す計画を立てる。アリ…

先生の隠しごと~僕僕先生 仁木英之著 新潮社 2011年

『僕僕先生』シリーズ5冊目。 ええとですね、このお話を気に入っている方は、この先読まれない方がいいかもしれません、すみません; 蚕嬢と茶風森の結婚を見届けて、僕僕一行は再び旅路へ。 目指すはは西。どうやら僕僕は、蚕嬢たちの婚儀で辺境の国々の団…

クロノスの飛翔 中村弦著 祥伝社 2011年

中村弦、三作目。 少々ネタばれしているかも、すみません; 昭和36年。中国大陸で日本軍の軍鳩係だった坪井永史は復員後、明和新聞の記者になった。安保闘争で社会全体が揺れる中、坪井はある日、学生運動家の女子大生・山岸葉子から特ダネが持ち込まれる。…

僕は、そして僕たちはどう生きるか 梨木香歩著 理論社 2011年

多分ネタばれになってます、すみません; ある休みの日、5月の一日。 14歳の僕・コペル君は染織家の叔父・ノボちゃんと一緒に、友達の優人(徒名はユージン)の家を訪ねることになった。目当ては清浄ヨモギ、ユージンの家は旧家で、広い敷地には林や沼地、大…

“文学少女”見習いの、卒業。 野村美月著/竹岡美穂イラスト ファミ通文庫 2010年

“文学少女”見習いシリーズ、最終話。 “文学少女”見習いの、寂寞。 日坂菜乃の親友・冬柴瞳が、井上心葉とつきあうと言いはじめた。しかも菜乃への態度が眼に見えて邪険になった。虫が苦手な筈なのにお弁当にイナゴを食べる変化ぶりも、菜乃には訳がわからな…

“文学少女”と恋する挿話集(エピソード)3 野村美月著 ファミ通文庫 2010年

“文学少女”シリーズ、番外編短編集第三弾。 モチーフは三島由紀夫『潮騒』。 遠子先輩に恋した牛魔王こと柔道部の牛園先輩が、せめて遠子先輩との思い出作りをしたいと夏祭りデートを申し込む。…『“文学少女”と炎を上げる牛魔王(ミノタウロス)』 下駄箱の…

不思議な羅針盤 梨木香歩著 文化出版局 2010年

雑誌『ミセス』に2007年から2009年まで連載されたエッセイをまとめたもの。 丁度『西の魔女が死んだ』が映画化されたあたりだったようですね。 自分の思いを静かに語る文章。 梨木さん、人間関係だのカーナビだの、色々苦労されてるんだなぁ(苦笑;)。小説…

“文学少女”見習いの、傷心。 野村美月著/竹岡美穂イラスト ファミ通文庫 2010年

“文学少女”新シリーズ第二弾。 “文学少女”見習いの、傷心 「日坂菜乃さん、ぼくはきみが、きみが大嫌いだ」――心葉はそう告げて以来、本心を見せず取り繕った笑みで菜乃に対するようになる。何とかこの状況を打破しようと、菜乃は夏休み合宿を計画。姫倉麻貴…

“文学少女”と恋する挿話集(エピソード)2 野村美月著 ファミ通文庫 2009年

琴吹ななせの親友 森ちゃんとその彼氏 反町くんをメインにした短編集。 名前にコンプレックスのある“森ちゃん”は、クラスメイトの芥川くんに憧れている。芥川くんは女子の間で人気ナンバーワン、でも男子の人気ナンバーワンは琴吹ななせだ。美人でスタイルも…

ピスタチオ 梨木香歩著 筑摩書房 2010年

山本翠は「棚」というペンネームで、ライターの仕事をしている。アフリカ取材の話が来た頃から不思議な符合が起こり始めた。老いた愛犬に腫瘤ができ、その検査を待つ間に寄った古本屋で知人・片山海里の書いたアフリカの民話集を見つけ、彼の死を知り、さら…

“文学少女”見習いの、初戀。 野村美月著/竹岡美穂イラスト ファミ通文庫 2009年

“文学少女”新シリーズ第一弾。 ネタばれしてます、すみません; 三月の終わり、四月から通う高校に立ち寄った「わたし」日坂菜乃は、身も世もなく泣き叫ぶ一人の少年の姿を見る。大切な人の名を呼ぶ彼に、「わたし」は恋をした。 彼の名は井上心葉。文芸部の…

“文学少女”と恋する挿話集(エピソード)1 野村美月著 ファミ通文庫 2009年

“文学少女”シリーズ番外編、“文学少女”を取り巻く人々のエピソードを集めた短編集第一弾。 “文学少女”と恋する牛魔王(ミノタウロス) 天野遠子に恋した柔道部主将・牛園たくみ。この恋を応援する、という井上心葉のアドバイスでツルゲーネフ『はつ恋』を読…

“文学少女”と神に臨む作家(ロマンシェ) 上下巻 野村美月著 ファミ通文庫 2008年

“文学少女”シリーズ、本編最終話。 ネタばれあります、すみません; 天野遠子先輩の卒業を控えて、琴吹ななせと井上心葉の交際も順調に進行している。土曜日に塩入シュークリームを手土産にした遠子先輩、日曜日に手作りレモンパイを携えた琴吹さんを家に迎…

渡りの足跡 梨木香歩著 新潮社 2010年

渡り鳥の足跡を辿りながら、様々な「渡り」に思いを馳せたエッセイ集。 三月末、北方に帰るオジロワシやオオワシ、ワタリガラスたちに会うため知床へ。 ケミチップ湖のほとりのホテルでカワラヒワ、ウソ、ヤマゲラや、都会とは印象の違うヒヨドリに会う。 新…

“文学少女”と月花を孕く水妖(ウンディーネ) 野村美月著 ファミ通文庫 2008年

“文学少女”シリーズ6冊目にして番外編。夏休み、姫倉麻貴の別荘での出来事。 ネタばれあります、すみません; 『悪い人にさらわれました。着替えと宿題を持って、今すぐ助けに来てください』――遠子先輩からの押し花電報の招待状と、麻貴先輩のお目付役・高…

“文学少女”と慟哭の巡礼者(パルミエーレ) 野村美月著 ファミ通文庫 2007

“文学少女”シリーズ5冊目。 ネタばれあります、すみません; 受験勉強に勤しむ遠子先輩をよそに、琴吹ななせと初詣に出かける心葉。二人の距離は縮まりそうだったのに、いきなりななせが怪我をして入院した、と後輩の竹田千愛から連絡が入る。見舞いに行っ…