『僕僕先生』外伝集。
避雨雙六
外は雨、第狸奴の庵の中で。暇つぶしにと僕僕は雙六の神を呼び出す。それぞれが決めたゴールを目指す特別なルールで、王弁は何だか止まったり休んだり前に戻ったり、上手く行かない。
雷のお届けもの
雷の国で暮らすことになった董虔を心配して、湖南雷王の子・砰は董虔に構ってばかり。雷王はそれぞれの独立を図るため、秘宝・雷龍珠を洞庭君に届ける使いを董虔に頼む。ところが董虔は洞庭君の勢力争いに巻き込まれ…。
競漕曲
海の上で、不思議な島に捕らわれてしまった僕僕一行。抜け出すには、この島の王の船と競争して勝たねばならない。僕僕は劉欣に、王弁と協力して王の舟に勝つよう命じる。
第狸奴の殖
第狸奴にさかりの季節が来た。王弁は僕僕に、第狸奴のお相手を見つけるよう命じられる。しかも雌雄どちらにでもなる第狸奴が、雄になるように捕まえろ、と。王弁は改めて第狸奴の生態を観察することになる。
鏡の欠片
不思議な鏡の欠片が降って来て、司馬承禎がその中に吸い込まれてしまった。承禎を助け出そうと、従者の那那と這這が残りの欠片を探して大騒ぎ、どうやら見習い僧侶の鉄心が持っているらしい。母親の病気を、その鏡を売って治療しようと思っている鉄心ももう半分の欠片がほしい。鉄心は二人に、かくれんぼで決着をつけようと言い出した。
福毛
妻が突然倒れた。医師は老衰だという。まだ28歳なのに、と康介は信じられない。信じて待っていてくれ、という妻の言葉があったのに、康介は怪しげな薬師に声をかけられるまま、自分の福毛を差し出してしまう。…