読書 作家別な行
『物語』シリーズ三作目。 ネタばれあります、すみません; 最終話 つきひフェニックス 火憐に乞われて神原駿河の家を訪問する道すがら、阿良々木暦は影縫余弦、斧乃木余接と名乗る人物にそれぞれ道を尋ねられる。曰く、「叡考塾」を探している、と。羽川翼…
「物語」シリーズ三作目。夏休みの出来事。 第六話 かれんビー 阿良々木暦の上の妹・阿良々木火憐は正義感の強い武闘派少女。その正義感から、中学生の間で悪質な「おまじない」を流行らせている人物がいることを、羽川翼の力を借りて突き止める。一人その人…
第28回 柴田錬三郎賞 第4回 歴史時代作家クラブ賞作品賞 第3回 河合隼雄物語賞 受賞作品。 慶長五年(1600年)、角を一本しか持たない羚羊が、八戸南部氏20代当主で ある直政の妻・袮々と出会う。羚羊は彼女に惹かれ、両者は友情を育む。やがて羚 羊は寿命で息…
シリーズ2冊目。 第一話 憧れの物語 恋する春近が、犬を連れた人妻の誕生日を祝うこと 八月。夏祭りの花火の目玉“虹のエール”三百玉が消失した。現場には「ごちそうさまでした」と書かれた犬の足跡つきの手紙が。全量で1トン以上にもなる花火を誰がどうや…
「物語」シリーズ第二弾。春休みの話。 ネタばれあります、すみません; 第零話 こよみヴァンプ 高校二年の終業式後、春休みの始まり、優等生羽川翼の風に舞い上がるスカートの下を見てしまった日の夜。阿良々木暦は伝説の美しき吸血鬼、鉄血にして熱血にし…
『化物語』下巻。 第四話 なでこスネイク 6月11日、忍野に頼まれて、阿良々木暦は神原駿河と共に、街の廃神社にお札を納めに行く。そこで見たのは、夥しい数の蛇のぶつ切り死体だった。途中ですれ違った中学生らしき少女が下の妹の同級生・千石撫子ではない…
連作短編集。 ネタばれになってるかも、すみません; 第一話 ひたぎクラブ 高校三年のGW明け、学校の階段で、クラスメイトの戦場ヶ原ひたぎが足を滑らせた。とっさに受け止めた「僕」阿良々木暦は、その軽さに驚く。 「近づくな」とさんざん脅されながらも、…
短編集。 李陵 漢の武帝時代の武将・李陵は、わずか歩兵五千での匈奴侵略阻止を命じられる。健闘虚しく匈奴に捕らえられ、だがその報は誤って武帝に伝わり、都にいた李陵の一族は尽く処刑、李陵を庇った発言をした司馬遷も宮刑を命じられた。妻子惨殺を知っ…
謎のカルト教団と革命の予感。自分の元から去った女性は、公安から身を隠すオカルト教団の中へ消えた。絶対的な悪の教祖と4人の男女の運命が絡まり合い、やがて教団は暴走し、この国を根幹から揺さぶり始める。神とは何か。運命とは何か。絶対的な闇とは、光…
連作短編集。 はじまりの物語 眠れない春近が、犬を連れた人妻と朝を迎えること 2月。今までそつなく人生をこなしてきた木村春近が大学受験で失敗し、それでも二次募集で受かった大学に、千葉の実家から2時間かけての通学を、1年で断念して晴追町で一人暮ら…
『僕僕先生』シリーズ最新作。この作品を気に入られた方は、この記事を読まない方がいいかと思います。 ネタばれあります、すみません; 連れ去られた父母を救うため、長安へ向かった劉欣。後を追う美少女仙人・僕僕と王弁は途中、タシという少女と出会う。…
小さな三日月湖、マッドガイド・ウォーターのほとりに棲む、ハリネズミのような小さな生きものの男の子ヤービ。寄宿学校の教師である「わたし」が一粒のミルクキャンディをあげたことから、クーイ族の小さな男の子「ヤービ」との交流が始まる。ヤービをはじ…
第8回『このミステリーがすごい!』大賞隠し玉。 ネタばれあります、すみません; “「死神」と呼ばれる殺し屋のターゲットになると、ジョーカーのカードが届いた後、24時間以内に偶然の事故によって殺される”。 特ダネを追うライター・陣内は、ある組長の死が…
ネタばれになってる気がします、すみません; 殺し殺される戦士たちの物語。 その殺し合いを生き延びた者は、どんな願いでもたったひとつだけ叶えることができる。 ――戦いの名は「十二大戦」。参加者は、「子」「丑」「寅」「卯」「辰」「巳」「午」「未」「…
『怪盗グリフィン』二作目。 「SF作家P・K・トロッターの未発表原稿、『多世界の猫』を盗んでほしい」 ――依頼を引き受けたグリフィンは、原稿をもつマーズデン博士との接触に成功するが、その場を猫に扮装し武器を持った動物愛護グループに襲撃される! 謎多…
ネタばれになってるかも、すみません; 世界一の盗みの達人を決めるという「怪盗グランプリ」への参加招待状に無視を決め込んだ一週間後、ニューヨークの怪盗グリフィンに、メトロポリタン美術館(通称メット)が所蔵するゴッホの自画像を盗んでほしいという依…
『僕僕先生』番外編。 このお話が気に入ってる方は、この記事を読まれない方がいいかと思います;; 天地が今よりもずっと熱く、神々がその主人だった頃のお話。 創造主・老君は天地開闢にまず宝具「一」を置いた。その後、創りだした三聖 黄帝軒轅、炎帝神…
“一線を走る彼らに、前置きは不要だ。” デビュー以来第一線を走り続ける作家・西尾維新が書いた5通の手紙と、それを受け取ったクリエイター達による、「本題」からはじまる濃密な対談集。 (出版社HPより) 物語の「ルール」と「作り方」 ×小林賢太郎 物語を…
『刀語』最終巻。 左右田右衛門左衛門に、炎刀・銃で、とがめは撃たれて事切れた。 とがめの命令から自由になった七花は、単身尾張城に乗り込む。その天守閣、最上階にいる否定姫と、将軍 家鳴匡綱を殺すために、というより自分が死ぬために。 とがめと七花…
『僕僕先生』シリーズ最新作。 この作品を気に入っている方は、この記事を読まれない方がいいかと思います;; ネタばれあります、すみません; 人の恋路の相談に乗ったりして人間に戻りかけている薄妃とは、雲南の程海で別れることになった。 僕僕一行が吐…
短編、掌編を集めた作品集。 月と潮騒 冷蔵庫から、潮騒の音がする。エアコン代わりに扉を開けっ放しにしてその音を楽しむ。まるで生き物のような。 トウネンの耳 植物図鑑の中に挟んでいた葉が、部屋の中でちりちりと音を出している。そう、あれはトウネン…
『刀語』第十一話。 ネタばれあります、すみません; 重傷を負った真庭人鳥(ぺんぎん)は、とがめと七花に毒刀『鍍』の行く先を語る。曰く、手に入れたのは真庭忍軍の十二頭領の一人、真庭鳳凰。左右田右衛門左衛門との闘いでうっかり『鍍』を手にしてしま…
『刀語』第十巻。 ネタばれあります、すみません; 否定姫からの情報を得て、とがめと七花は奥州の百刑場へ。持ち主は『仙人』彼我木輪廻。二人には少女の姿に見える輪廻は、三百年以上も生きていて、四季崎記紀から直接変体刀を託されたと言う。 預かってす…
『刀語』第9巻。 残る変体刀を求めて、とがめと七花は出羽の天童へ。将棋で有名なこの地にあったのは王刀『鋸』、持ち主の毒気を抜いてしま変体刀、持ち主は心王一鞘流十二代当主・汽口慚愧。平和な今は門下生もいなくなった道場で、毎日生真面目に鍛錬を続…
昭和の初め、人文地理学の研究者 秋野は南九州の遅島へ赴く。かつて修験道の霊山があったその島は、豊かで変化に富んだ自然の中に、無惨にかき消された人々の祈りの跡を抱いて、彼の心を捉えて離さない。そして、地図に残された「海うそ」ということば……。 …
『刀語』第8巻。 ネタばれあります、すみません; 将軍家のお膝元、尾張へ戻って来たとがめと七花。そこで否定姫から次の変体刀の情報を聞き、二人は江戸・不要湖へ向かう。 どうやら四季崎記紀の工房があったらしい不要湖、今では不要物で湖が埋め立てられ…
『刀語』第七話。 土佐 鞘走山清涼院護剣寺、四季崎記紀の変体刀九百八十八本を集めて作った刀大仏を祀った聖地で、鑢七花と相対したのは姉の鑢七実。七実は凍空一族を滅ぼしたその足で護剣寺に登り、変体刀を護る僧侶を斬殺した上で、悪刀『鐚』を胸に突き…
『刀語』第六巻。 ネタばれあります、すみません; 校倉必に騙されて、とがめと七花は絶対凍土・蝦夷地へ。それならばこの地にある双刀・鎚を手に入れようと、鎚を持つ凍空一族を訪ねて踊山に入る二人だが、吹雪に巻かれてあやうく遭難する羽目に。 二人を救…
『家守奇譚』続編。 疏水に近い亡友・高堂の生家の守りを託されている、駆け出しもの書きの綿貫征四郎。行方知れずになって半年あまりが経つ愛犬ゴローの目撃情報に加え、イワナの夫婦者が営むという宿屋に泊まってみたい誘惑に勝てず、家も原稿もほっぽり出…
『刀語』第5巻。 次の刀は薩摩の海賊団船長が持っていた。賊刀・鎧、全身を鎧で保護した上で、しかし刀でもあるこの変体刀を着ているのは校倉必(あぜくらかなら)。闘技場にて決闘の興行をしていた必は、それを見物に来ていたとがめに一目ぼれ、破格の取引…