読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

鳥と雲と薬草袋 梨木香歩著 新潮社 2013年

 地名にまつわるエッセイ集。

 鳥のように、雲のように、その土地を辿る。ゆかしい地名に心惹かれる――。
 作家の胸奥の「ものがたり」がはぐくまれる場所に、滋養を与える旅の記憶。49の土地の来歴を綴り重ねた葉篇随筆。読む者の心も、はるばると時を超える。旅に持ち歩く「薬草袋」のなかの、いい匂いのハーブのブーケや、愛着のある思い出のメモの切れ端のような……日常を生きるときの常備薬ともなり、魂を活性化する、軽やかな愛蔵本。
                                    (新潮社HPの紹介文より)

 
 この人、色んなとこ行ってるんだなぁ。海外に色々行ってるみたいなのは他のエッセイでも書いてらっしゃいましたが、国内も本当、あちこち行ってるみたい。
 無くなった地名を惜しみ、由来や歴史に思いを馳せる。読み物として面白く読んだのですが、読んでいるうちに何だか作者のプライベートが気になって来まして。
 …作者の旦那さんはどうしてるんだろう。
 アトピーの子供さんがいらっしゃるのを何かのインタビューで見たことはあるのですが、で今回一度、赤ちゃんには触れられたのですが、旦那さんの影がどうも見えない。こんなにフィールドワークに励める奥さん、ってのはちょっと珍しい気がして気になりました。よほど理解があるのか(こんな言い方をするのも嫌なんですけどね、でもどうしても、自分が行動することで旦那さんに後ろめたさを感じてしまう人が多いと思うので)、いっそ梨木さんの小説『雪と珊瑚と』のようにシングルマザーなのかしら。
 …いやいや、自分の下世話さにも気がついてしまった一冊でした(苦笑;)。