読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

“文学少女”見習いの、初戀。 野村美月著/竹岡美穂イラスト ファミ通文庫 2009年

 “文学少女”新シリーズ第一弾。
 ネタばれしてます、すみません;

 三月の終わり、四月から通う高校に立ち寄った「わたし」日坂菜乃は、身も世もなく泣き叫ぶ一人の少年の姿を見る。大切な人の名を呼ぶ彼に、「わたし」は恋をした。
 彼の名は井上心葉。文芸部の三年生だと知って、菜乃は即効、入部を決める。文芸初心者でスプラッタ愛好家の彼女には少々荷の重い選択だったが、恋するパワーは止まらない。心葉が書いていた小説を盗み見して感動して、彼には恋する相手がいることを知って、でも一気に告白までして、心葉には嫌がられる展開に。
 今日も『曽根崎心中』の読解に励む菜乃は図書館で、同じく近松門左衛門について調べていた美女と知り合う。松本和(なごむ)と名乗った彼女は西高の二年生だそうで、菜乃とそのまま意気投合。なごむのブログを切っ掛けに、次の日曜日には巣鴨でデートすることに。
 お寺巡りをしながらのお煎餅の食べ放題、塩大福、大学芋。次のデートでは手延べの味噌煮込みうどん、蜂蜜のソフトクリームに抹茶のアイスも食べましょうね、とはしゃぐ菜乃に、なごむは囁く。「わたしと心中してくれる?」
 心中に憧れるなごむは、この頃彼の様子がおかしいのだと菜乃に語る。どうも自分は避けられているようだ、と。デート中にこちらを気にしていた眼鏡少年が、どうやらその相手らしい。菜乃がその存在をなごむに知らせたその後、なごむとの連絡が途絶えてしまう。気になった菜乃は西高まで彼女に会いに行くが、そこで菜乃は、松本和という少女は存在しないことを知る。いたのは同名の男子生徒で、しかも先月、恋人の雛沢幸と心中したのだとか。
 彼女は何者なのか、何処へ行ってしまったのか。麻貴先輩にまで身体を張って頼ろうとする菜乃の誠意に、心葉が動く。心葉は真相を見抜き、「なごむ」の真のメッセージを読み解く。…

 新シリーズとはいえ、フォーマット変わらないなぁ。もうしっかり出来上がってるんですね。前回の最終話を引きずって、探偵役は心葉に移った訳ですけど。心葉って他人からは、ああいう風に映ってるのね~。
 今回のテーマは『曽根崎心中』。鴨鍋なのか鉄鍋餃子なのかは、私読んだことないのでわかりません(笑)。しかし、このシリーズはライトノベルなのにちゃんとヒト殺すよなぁ。なごむさんは学生時代から妙に色っぽくて誤解を受け易い性質だったようで、何だか頭に浮かんだのはAKBの板野友美さん。…あの子も色っぽいよな~。でもちょっとタイプ違いますね、なごむさんは小悪魔っぽくはないか(苦笑;)。
 薬の代わりに白い貝を、ってあたりは感動するシーンなんですが、何となく「薬包紙」の言葉から粉薬を想像してたので、「…あれ、錠剤だったの?」って感想の方が先に来てしまいました。…反省;
 心葉が菜乃に傾かないのはもう決定事項だから、落とし所はどこにするのかな、と思いつつ。やっぱり7、8巻で大きな1エピソードにするのかなぁ。