読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

読書 作家別た行

噛みあわない会話と、ある過去について 辻村深月著 講談社 2018年

短編集。2018年本屋大賞受賞後第一作。 ナベちゃんのヨメ 大学時代、コーラス部でよく女子とつるんでいた“男を感じさせない男友達”ナベちゃん。卒業して七年、彼が結婚するという。部活仲間が集まった席で紹介されたナベちゃんの婚約者は、ふるまいも発言も…

滅びの園 恒川光太郎著 角川書店 2018年

ネタばれになってる気がします、すみません; 職場にも、家庭にも疲れていた鈴上誠一は、気が付いたらそこにいた。中央広場駅の前、都会ではない景色が広がる。魔女が住んでいたという空家を借り、山が産む鉱石を拾って生活する。時々出る魔物を、住民と共に…

青空と逃げる 辻村深月著 中央公論新社 2018年

ネタばれになってる気がします、すみません; 本条拳、舞台役者。七月、客演した舞台の主演女優と同乗していた車が事故り、醜聞の渦中の人となる。それは顔を怪我した女優が自殺したことで、さらに火が着いた。 妻の早苗と五年生の力もそれに巻き込まれた。…

天涯無限 アルスラーン戦記16  田中芳樹著  光文社カッパ・ノベルス  2017年

『アルスラーン戦記』最終巻。 ネタばれあります、すみません; 中世ペルシアによく似た異世界の英雄物語――。 周囲を難敵に包囲され、パルス国は絶体絶命の窮地に追い込まれた。解放王アルスラーンはシンドゥラのラジェンドラ王とのある交渉をジャスワントに…

政略結婚 高殿円著 角川書店 2017年

江戸末期・明治大正・昭和、百二十年の間に女性の生き方はこう変わった! 金沢城で生まれた私の結婚相手はわずか生後半年で決まった。(中略) 早すぎると思うかも知れないが、当時ではごくごく当たり前のことで、大名の子の結婚はすべて政略結婚、祝言の日…

オブリヴィオン 遠田潤子著 光文社 2017年

ネタばれになってる気がします。 この作品を気に入られた方は、この記事をあまり読まれない方がいいかもしれません、すみません;; 「あの世からだっていい、俺の名前を呼んでくれ」 森二が刑務所を出た日、塀の外で二人の「兄」が待っていた――。 自らの犯…

水晶宮の死神 田中芳樹著 東京創元社 2017年

「ヴィクトリア朝怪奇冒険譚(ヴィクトリアン・ホラー・アドベンチャー)」三部作最終巻。 ネタばれになるのかな、すみません; 十一月のある晴れた休日、ニーダムは姪のメープルと共に、ロンドン郊外のシドナムにある水晶宮(クリスタルパレス)を訪れる。…

かがみの孤城 辻村深月著 ポプラ社 2017年

ネタばれあります、すみません; どこにも行けず部屋に閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然、鏡が光り始めた。 輝く鏡をくぐり抜けた先の世界には、似た境遇の7人が集められていた。 9時から17時まで。時間厳守のその城で、胸に秘めた願いを叶える…

冬雷 遠田潤子著 東京創元社 2017年

ネタばれになってるのかな、すみません; 夏目代助はみなしごだった。産まれてすぐ、施設の前に夏目漱石『それから』の文庫本と共に捨てられていて、名前もそこからつけられた。11歳の時、とある旧家に後継ぎとして養子に入る。その町魚ノ宮町は、巨大な魚を…

笑いのカイブツ ツチヤタカユキ著 文藝春秋 2017年

人間の価値は人間からはみ出した回数で決まる。僕が人間であることをはみ出したのは、それが初めてだった。僕が人間をはみ出した瞬間、笑いのカイブツが生まれた時―― 他を圧倒する質と量、そして“人間関係不得意”で知られる伝説のハガキ職人・ツチヤタカユキ…

無貌の神 恒川光太郎著 角川書店 2017年

ホラー短編集。 ネタばれになってるかも、すみません; 無貌の神 赤い橋のかかる谷の向こうに、見捨てられた世界があった。そこには光り輝く顔のない神が、人を癒し、だが食い、殺されて代替わりしていた。ある日、「私」は橋の向こうから来た少年ガモウから…

クローバーナイト 辻村深月著 光文社 2016年

連作短編集。 ネタばれあります、すみません; Chapter_O1 イケダン、見つけた? 鶴峯裕は公認会計士。大学時代から付き合っていた志保と結婚して、現在は4歳の莉枝未、2歳の琉大の二人の子持ち。起業した志保と協力して子育てに追われる日々、今日も保育…

東京會舘とわたし 下 新館 辻村深月著 毎日新聞出版 2016年

後編。 第六章 金環のお祝い 昭和五十一年(1976年)一月十八日 茂木芽衣子は69歳。夫が生きていれば、今年は金婚式だった。建築家の夫は、東京會館の建て替えを惜しんでいた。今日、芽衣子は新館になってから初めて東京會館を訪れる。 第七章 星と虎の夕べ …

東京會舘とわたし 上 旧館 辻村深月著 毎日新聞出版 2016年

連作短編集。 海外ヴァイオリニストのコンサート、灯火管制下の結婚式、未知のカクテルを編み出すバーテンダー… “會舘の人々”が織り成すドラマが、読者の心に灯をともす。 大正十一年、丸の内に誕生した国際社交場・東京會舘。“建物の記憶”が今、甦る。 (帯…

戦旗不倒 アルスラーン戦記15  田中芳樹著  光文社カッパ・ノベルス  2016年

『アルスラーン戦記』15巻。 ネタばればりばりあります、すみません; ヒルメスを追放しミスル国を掌握したテュニプは、孔雀姫フィトナをパルス王国の正統な内親王と押し立ててパルス侵攻をもくろむ。その陰には、パルス人の商人・ラヴァンの暗躍があった。 …

出世花 高田郁著 祥伝社文庫 2008年

高田郁デビュー作。 出世花 幼い娘お艶を連れて妻敵討ちの旅に出て六年、矢萩源九郎は無念の死を遂げた。しかし、源九郎の骸と魂は青泉寺の三昧聖の手によって清められ、安らかに浄土へ旅立つ。お艶は父親の遺言によってお縁と名を改め、寺で健やかに育つ。…

少年の名はジルベール 竹宮惠子著 小学館 2016年

少女マンガを変えようよ マンガで革命を起こそうよ 少女マンガの黎明期を第一線の漫画家として駆け抜けた竹宮惠子の半生記。 石ノ森章太郎先生に憧れた郷里・徳島での少女時代。 高校時代にマンガ家デビューし、上京した時に待っていた、出版社からの「缶詰…

蓮の数式 遠田潤子著 中央公論新社 2016年

ネタばれになってるかも、すみません; 結婚して十三年、不妊治療を始めて十年、安西千穂は四回目の流産をした。夫は病院にも来なかった。 義母と夫との異常なプレッシャーの中、千穂は一人の青年と会う。夫が起こした接触事故の後始末を押し付けられたのが…

図書室で暮らしたい 辻村深月著 講談社 2015年

エッセイ集。 「好きなものが多すぎて、ごめんなさい!」 作家になる前から、作家になってから、夢中で追いかけてきた小説、漫画、アニメ、音楽、映画、美味しいもの……etc. すべてが詰まった、読むと元気になれるエッセイ集! 特別収録! 短編 おじいちゃんと…

ヘブンメイカー スタープレイヤーⅡ 恒川光太郎著 角川書店 2015年

シリーズ2冊目。 ネタばれあります、すみません; 気が付くと殺風景な部屋にいた高校二年生の鐘松孝平。彼は横須賀にむかってバイクを飛ばしている最中に、トラックに幅寄せされ……その後の記憶はなかった。建物の外には他にも多くの人々がおり、それぞれ別の…

きのうの影踏み 辻村深月著 角川書店 2015年

ホラー短編集、になるのかな。 十円参り ミサキとマヤ、二人の少女の親友なっちゃんが姿を消した。初めからその存在すら無くなっている様子に、恐怖する二人。二人の住む団地の裏山の神社には、“消したい”人の名前を書いて十円と共に十日間賽銭箱に入れ続け…

朝が来る 辻村深月著 文藝春秋 2015年

ネタばれになってる気がします、すみません; 「子どもを、返してほしいんです」親子三人で穏やかに暮らす栗原家に、ある朝かかってきた一本の電話。電話口の女が口にした「片倉ひかり」は、だが、確かに息子の産みの母の名だった…。 子を産めなかった者、子…

納得させる話力 土田晃之著 双葉社 2015年

ひな壇では必ず強い存在感を示し、MCから絶大な信頼を得る土田晃之。 ポジション取りの巧さに加え、趣味の知識、トーク技術、 プレゼン能力の高さなど、土田氏の武器はそのままビジネスマンが身につけたい要素ばかりだ。 しかし、土田氏はすべて「見せる技術…

タイタニア 5 〈凄風篇〉 田中芳樹著 講談社ノベルス 2015年

『タイタニア』最終巻。 ネタばれになってる気がします、すみません; アリアバートが殺された。このまま戦況を維持するべきか、ジュスランは降伏も考えるが、何よりアリアバートの部下たちが、ジュスランを頭目に据えた復讐戦を望む。 傍から見ていても、藩…

タイタニア 4 〈烈風篇〉 田中芳樹著 講談社ノベルス 2013年

『タイタニア』第4巻。 ネタばれしてます、すみません; ファン・ヒューリックを迎え入れたイドリス・タイタニアはジュスランへの当てつけに、ジュスランの秘蔵っ子・リディア姫の故郷エルビング王国への攻撃を命じる。アリアバートは艦隊2万隻を率いてエル…

お葬式 遠田潤子著 角川春樹事務所 2015年

自慢の父が死んだ。百合の花を買いに出かけて、自動車事故を起こした。スマートで優しくて人当たりのいい、映画やドラマの中にしか存在しないような理想的な父、和彦。遺品を整理していた息子・片瀬在(ある)は、何も書き込まれていない母子手帳を見つける…

タイタニア 3 旋風篇 田中芳樹著 徳間書店 1991年

『タイタニア』第3巻。 アリアバート・タイタニア公爵はザーリッシュ殺害の報復のため、大艦隊を率いて惑星バルガシュへ。軍事施設をことごとく焼き払い、バルガシュ政府を完膚なきまでに撃ち果たす。だが、ファン・ヒューリック一党の姿が見えない。彼らは…

タイタニア 2 暴風篇 田中芳樹著 徳間書店 1989年

『タイタニア』第2巻。 弟アルセスを偏愛していた母親テリーザ・タイタニアにやいやい言われて、ザーリッシュ卿がファン・ヒューリック捕縛に向かう。圧倒的な物流作戦で、惑星バルガシュにてファン・ヒューリックの確保に成功したものの、彼は彼を必要とす…

タイタニア 1 疾風篇 田中芳樹著 徳間書店 1988年

星歴一年、銀河系では「星間都市連盟」が成立し、各都市は都市艦隊を所有するいっぽう商館を置いて市民の経済活動を保護していた。 その間、連盟(リーグ)の最大の敵対勢力はヴァルダナ帝国であった。両者はしばしば戦火をまじえ勝敗がくりかえされたが、連…

家族シアター 辻村深月著 講談社 2014年

七つの「わが家」でおきた、忘れられない七つの「事件」 (帯文より) ネタばれになってるかも、すみません; 「妹」という祝福 同じ中学に通う、真面目で冴えない姉と、その姉を反面教師にしたイケてる妹「私」。 サイリウム アイドルオタクの弟と、そんな…