読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

タイタニア 4 〈烈風篇〉 田中芳樹著 講談社ノベルス 2013年

 『タイタニア』第4巻。
 ネタばれしてます、すみません;

 ファン・ヒューリックを迎え入れたイドリス・タイタニアはジュスランへの当てつけに、ジュスランの秘蔵っ子・リディア姫の故郷エルビング王国への攻撃を命じる。アリアバートは艦隊2万隻を率いてエルビング王国ではなく「天の城(ウラニボルグ)」へ進撃。その堂々たる行軍に、周辺のタイタニア軍勢も手出しをできない。全滅覚悟でアリアバート・ジュスラン軍の兵力を削げ、とのイドリスの命令はファン・ヒューリックへ向かう。かき集められた5000隻で2万隻に立ち向かうファン・ヒューリック。時機を測るファン・ヒューリックに対し、同乗していたイドリスの弟・ラドモーズ男爵が業を煮やす。ファン・ヒューリックを差し置いて艦隊に無謀な突撃を命令し、陣内に誘い込まれた挙句完敗。ファン・ヒューリックは仲間たちに引きずられるように敗走する。
 そのまま「天の城」に攻め込んだアリアバートは、「天の城」4万隻の艦隊に対し2万隻で戦闘に挑む。ほぼ勝利を確定させたその時、藩主アジュマーンがスクリーンに登場。アリアバートとジュスランに講話を提案し、その特使としてイドリスの末の弟ゼルファを遣わせた。
 兄に絶対的な信頼を寄せるゼルファは、アジュマーンの命を受けて、兄を窮地に追い遣ったアリアバートを殺害する。ザーリッシュ亡き今、アジュマーンの思惑は、イドリスとジュスランを争わせることにあった。…


 中表紙捲ってすぐ、「故石黒昇監督に捧げます」の献辞にびっくり。…石黒監督、亡くなってたの? いつの間に??  そりゃ流石に続き書こうと思うよなぁ、と不謹慎なことを思ってしまいました。
 出版社も変わった第4巻、最初はもたついた感があった気がしたんですが、でも戦闘場面というか艦隊モードに入ると一気でした。戦術、戦略、やっぱり面白い。「読者」と言う名の歴史学者の感想や意見も取り入れてるんだろうなぁ。「メディアが存続するのに必要な戦略は、勝てる相手を選んで攻撃すること」「これは軍事的戦略とよく似ている」。…なるほど。
 勿体ないことにアリアバートは死んでしまいました。リディア姫に「変」と評されるアジュマーンの真意は狂気なのか、イドリスの失地回復はなるか、ファン・ヒューリックはどう絡んで来るのか。…あと一巻で終わったんだよなぁ…。次巻、最終巻です。