読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

読書 作家別さ行

ごんたくれ 西條奈加著 光文社 2015年

二人の絵師を描いた長編。 当代一の誉れ高い絵師・円山応挙の弟子・吉村胡雪こと彦太郎。その応挙の絵を絵図とこき下ろし、我こそ京随一の絵師と豪語する深山箏白こと豊蔵。彦太郎が豊蔵を殴りつけるという最悪の出会いから、会えば喧嘩の二人だが、絵師とし…

シロガラス ❶パワー・ストーン 佐藤多佳子著 偕成社 2014年

パワー・スポットとして、ひそかな人気の白烏神社。そこに暮らす藤堂千里は小学五年生。星芒一心流古武術の天才少女だ。 祭りの夜、千里はいとこの藤堂星司と幼なじみの筒井美音と共に子ども神楽の剣士と舞い手をつとめ、その後呼ばれた宴の席に、いるはずの…

睦月童 西條奈加著 PHP研究所 2015年

日本橋国見屋の息子・央介と、奥州から招かれた座敷童・イオとの連作短編集。 ネタばれになってるかも、すみません; 第一話 睦月童 元旦、日本橋国見屋に一人の幼女が招かれた。奥州睦月の里からイオには、不思議な力があるという。曰く、イオの目を見ると…

ラ・ミッション 軍事顧問ブリュネ 佐藤賢一著 文藝春秋 2015年

ネタばれというか、それらしきことは書いてしまいます、申し訳ありません; 江戸幕府に招聘され、幕府の精鋭部隊「伝習隊」を近代的に鍛え上げたフランス軍事顧問団。 彼らは母国からの帰還命令に背き、教え子たちとともに、戊辰戦争に身を投じることを決意…

六花落落(りっかふるふる) 西條奈加著 祥伝社 2014年

何故、雪は、六花の形を成すのでしょうか。 万象の理が識りたいと願った古河藩の下士・小松尚七。 政のために蘭学を究めた重臣・鷹見泉石。 冬の日に出会った二人は幕末へ向かう時代に何を見たのか? 何と言われようと考えることをやめようとしない。それは…

GOSICK BLUE 桜庭一樹著 角川書店 2014年

『GOSICK』シリーズ、新章二冊目。 ネタばれあります、すみみません; 1930年夏。移民船でアメリカに辿り着いた久城一弥とヴィクトリカ。丸一日かけて入国審査を通過した二人は、ボンヴィアンと名乗る青年に拾われ、世界一の高層タワー<アポカリプス>の完…

僕と先生 坂木司著 双葉社 2014年

『先生と僕』続編。 一話 レディバード 二月バレンタイン前の百貨店、催事場にて。限定チョコの整理権獲得に「先生」こと中学生の瀬川隼人と「僕」伊藤二葉は並んでいる。あまりの混雑に将棋倒しまで発生、その被害者に百貨店の店員を装って近付き、整理権を…

泣き虫弱虫諸葛孔明 第四部 酒見賢一著 文藝春秋 2014年

シリーズ4冊目。 いやぁ、時間がかかりました。二週間まるまる使いましたね、何しろ登場人物からエピソードからすっかり忘れてるから。(←こらこら;) 曹操の側近の名前なんか覚えてませんよ、「こんな人いたっけ」状態。それでも、この間宮部みゆきさんの…

キノの旅ⅩⅧ―the Beautiful World― 時雨沢恵一著/黒星紅白イラスト メディアワークス電撃文庫 2014年

『キノの旅』シリーズ18冊目。 ネタばれあります、すみません; 「牛の国」 無人なのにただ牛を飼い、搾乳するシステムが動いている国。近隣の国は、ここに牛乳を貰いに来ると言う。 「草原の話」 草原に立っていた看板には、「二百メートル先の木に吊るされ…

ほんとうの花を見せにきた 桜庭一樹著 文藝春秋 2014年

桜庭一樹が描くヴァンパイア奇譚。 ネタばれあります、すみません; 『ちいさな焦げた顔』 町の実力者だった義父が襲撃され、ママも姉さんも殺された。10歳の梗が、凌辱された姉の死体を前に息を殺して隠れていると、そこにバンブーが現れた。血を吸う伝説の…

猫が足りない 沢村凛著 双葉社 2014年

猫のためなら人の迷惑や常識を考えず行動する主婦に振り回される就職浪人生の一年半。 ネタばれになってるかも、すみません; 私の人生には猫が足りないの。彼女が猫のために動くと、必ず「死」や「犯罪」につきあたる。だから、放っておけないのだ。ラスト…

本のおかわりもう一冊 桜庭一樹読書日記  桜庭一樹著  東京創元社  2012年

桜庭一樹読書日記、第4弾。 あの3・11の日も、サクラバカズキは本を抱えて避難した。 どんなことがあっても、やっぱり本は手放せないのだ。 動揺する心をなだめてくれた本、陽気な犬との慣れない生活を助けてくれた本、 忙しない日々の一服の清涼剤となった…

ヴァロワ朝 フランス王朝史2 佐藤賢一著 講談社現代新書 2014年

佐藤賢一が語るフランス王朝史第2弾。 カペー、ヴァロワ、ブルボンと続くフランス王朝の歴史を描けるのは、この人しかいない! ヴァロワ朝の歴史を描く待望の第2弾。 ヴァロワ朝創設より始まったイングランドとの百年戦争、国内有力諸侯との駆け引き。 イタリ…

まるまるの毬 西條奈加著 講談社 2014年

連作時代小説。 ネタばれになってるかも、すみません; 江戸は麹町の菓子舗「南星屋」。 繁盛の理由は、ここでしか買えない日本全国、名菓の数々。 若い時分に全国修業に出、主の治兵衛が自ら歩いて覚えた賜物である。 娘のお永、孫のお君と親子三代、千客万…

藍のエチュード 里見蘭著 中央公論新社 2014年

東京藝術大学剣道部を舞台に繰り広げられる青春群像劇。 ネタばれになってるかも、すみません; 美術学部絵画科日本画専攻三年の粟生野壮介が主将を務める剣道部に、新入部員がやって来た。油画専攻、同じ三年生の高杉唯。彼女は、常人離れしたその才能をカ…

大きな音が聞こえるか 坂木司著 角川書店 2012年

八田泳、高校一年生。そこそこ裕福でいわゆる幸せな家庭の息子、帰宅部、唯一の趣味はサーフィン。凪のように平坦な生活に自分を持て余している。だがそんな矢先、泳は製薬会社に勤める叔父がブラジル奥地に行くと知らされた。さらにアマゾン川の逆流現象=ポ…

上野池之端 鱗や繁盛記 西條奈加著 新潮社 2014年

連作短編集。…になるのかな。 ネタばれになってるかも、すみません; 上野池之端にある「鱗や」は、料理茶屋とは名ばかり、連れ込み宿と化している。主人の宗兵衛は女遊びにうつつを抜かし、内儀のお日出や一人娘のお鶴は芝居見物や物見遊山に夢中になってい…

月と太陽 瀬名秀明著 講談社 2013年

短編集。 ホリデイズ 新米飛行教官と一年ぶりに飛ぶ小説家の航空経路は、ある記憶を辿る旅だった。 真夜中の通過(ミッドナイト・パス) 仙台の空を通過する、制御不能になった衛星を捉えた大学院生の冬の日。 未来からの声 脳から脳へ言葉を送る“フラッシュ…

ウィンター・ホリデー 坂木司著 文藝春秋 2012年

『ワーキング・ホリデー』続編。 エリア0 配達予告 この夏に存在を知ったばかりの息子・進にめろめろな大和。今日も『ハチさん便』と呼ばれる宅配便で、地域に密着した荷物の運送に勤しんでいる。進からの連絡があまりないのがちょっと気がかりでもある毎日…

通り雨は〈世界〉をまたいで旅をする 沢村凛著 角川書店 2014年

ネタばれになってるかも、すみません; 広い世界を、己の足だけをもって渡る小さな<わたし>。その<わたし>だけが果たせる任務がある――。世界を変える、“それ"は死神か福音か。優しくて残酷な、世界の決まりとは? (出版社HPより) 世界をへだてるドアが開い…

ぼくは〈眠りの町〉から旅に出た 沢村凛著 角川書店 2014年

ネタばれあります、すみません; “ぼく”を忘れていた“ぼく”は、大切な言葉をすこうしずつ取り戻しながら、この箱庭の世界から飛び出すため<旅の仲間>を求める。 ――何かがおかしい。いや、何もかもがおかしい。この生活は変だ。大事なものがいくつも欠けて…

いつもが消えた日 お蔦さんの神楽坂日記 西條奈加著 東京創元社 2013年

シリーズ二冊目。 サッカー部の友人・森彰彦を通じて知り合った後輩・金森有斗は、将来有望なサッカー小僧。勉強がてら滝本望の家で晩御飯を食べて家に帰ると、家には誰もいなかった。しかもリビングには大量の血痕。 両親と姉は何処へ行ってしまったのか、…

GOSICK RED 桜庭一樹著 角川書店 2013年

『GOSICK』シリーズ、新章一冊目。 ネタばれあります、すみません; 1930年代、二つの大戦後のアメリカ、ニューヨークにて。 グレイウルフ探偵社を開いたヴィクトリカのもとに、イタリアンマフィアから事件の依頼が来る。内容は、理由なく殺された三人の構成…

忘れ村のイェンと深海の犬 冴崎伸著 新潮社 2013年

第25回日本ファンタジーノベル大賞 優秀賞受賞作。 辺境の貧しい村・ホローで生まれ育ったお転婆娘イェン・サクリ。日照時間の短い、茸しか特産がない田舎の村の海磯で、ある日、イェンは犬によく似た瀕死の生き物を拾う。ぬいぐるみのように愛らしい容姿に…

キノの旅ⅩⅦ―the Beautiful World― 時雨沢恵一著/黒星紅白イラスト メディアワークス電撃文庫 2013年

『キノの旅』シリーズ17冊目。 ファッションの国 服飾生産が盛んな国で、豪華な食事につられてモデルを務める旅人たち。 …みんな、ノリノリじゃん(笑) 「遊んでいる国」 パラグライダーの発明で、空と飛ぶことを覚えた山岳の国の国民達。 「旅人達の話」 …

革命の終焉 小説フランス革命&#8555;  佐藤賢一著  集英社  2013年

最高存在の祭典、ロベスピエール一派への反感、そして――ロベスピエールの末路。 変革は、なしえたか。使命は果たしたか。 フランス革命を描く巨篇、ついに完結! (帯文より) 盟友ダントン、デムーランの処刑以降、革命に疲れた感のあるロベスピエール。それ…

かの名はポンパドール 佐藤賢一著 世界文化社 2013年

ルイ15世寵姫 ポンパドール侯爵夫人の生涯。 時代は18世紀のフランス。 平民の身分ながらブルジョワ階級の娘として貴族の子女以上の教育を受けて育ち、16歳で社交界にデビューするやパリ中の評判となり、その美貌と知性でルイ15世の心を一瞬にして奪ってしま…

ミリオンセラーガール 里見蘭著 中央公論新社 2013年

恋人にフラれたその翌日、アパレル会社をリストラされた主人公・正岡沙智。彼女は心機一転、ファッション誌の編集者を志して「紙(かみ)永(なが)出版」という中堅出版社を受ける。 普段ろくに本を読まない沙智はトンチンカンな受け答えしかできず、面接落ちを…

三途の川で落としもの 西條奈加著 2013年 幻冬舎

連作短編集、になるのかな。 ネタばれになっている気がします、すみません; 志田叶人は12歳、小学六年生。橋から落ちて、生死の境を彷徨っている。 三途の川のほとりで奪衣婆(ダ・ツ・エヴァ)や懸衣王(県営王)と出会い、死者の魂の行方について聞くうち…

桜庭一樹短編集 桜庭一樹著 文藝春秋 2013年

短編集。 このたびはとんだことで 男の死後、浮気相手の女が本妻を訪ねて来て起きた騒動。 …これは喜劇だね。白い和服を喪服で着てくる、って勇気あるチョイスだなぁ。 青年のための推理クラブ お互いを文豪の名で呼び合う読書クラブ。アンブローズは、礼拝…