読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

僕と先生 坂木司著 双葉社 2014年

 『先生と僕』続編。

 二月バレンタイン前の百貨店、催事場にて。限定チョコの整理権獲得に「先生」こと中学生の瀬川隼人と「僕」伊藤二葉は並んでいる。あまりの混雑に将棋倒しまで発生、その被害者に百貨店の店員を装って近付き、整理権を騙し取るという事件が起きた。
 別のブースでは一粒2千円のチョコレートの盗難騒ぎ、二葉は容疑者に気付いてしまう。

二話 優しい人
 3月、二葉の推理研の先輩が、バイト先の喫茶店のマスターに惚れているという。マスターが優しいのは自分に気があるからなのか見極めて欲しいという依頼に、二葉は隼人を連れて訪れる。アジアンテイストの美味しい料理を出すマスターは、確かに優しいが警察や救急車に関わるを嫌がる様子が伺える。隼人は一つの結論を導き出す。

三話 差別と区別
 先輩が就職活動に勤しんでいる。とある商社で就職試験を受けた時、自分のエントリーシートを捨てられていたのに気付いてしまった。集団面接を受けた際の誰かが捨てたとしか思えない。隼人は履歴書ではない、エントリーシートなるものに興味を抱く。

四話 ないだけじゃない
 7月、推理研の面々でバーベキューをすることに。先輩のリクエストで隼人を連れて行ったのはいいが、持ってきた肉が足りなかったりエビを食べ損ねたり、二葉にはあまりいいことがない。偶然居合わせた怪盗レディバードが、二葉に注意を促す。代わりに増えているものがあるのではないか、と。

五話 秋の肖像
 10月、ラーメン以外美味しくないラーメン屋さんの大将に、事件解明の依頼をされた。曰く、ラーメン屋の店舗があるマンションの掲示板に、不審なものを貼って行く男がいる、とのこと。それは写真だったりネックレスの残骸らしきチェーンだったり、そしていつの間にやら誰かが持ち帰っているらしい。張り込みを続ける推理研の面々。だが真相に辿り着いたのは隼人だった。

指先の理由
 二葉が本屋さんで指先が触れあった女の子。チョコレートをくれた彼女の正体は。…


 いいタイミングで読んだなぁ。丁度バレンタイン商戦真っ只中、百貨店の催事場は様々なチョコレートで埋め尽くされてるこの時期、確かに将棋倒しも起きるでしょうよ、と実感を持って読むことができました。怪盗っぽいやり口に、共感するような言動をする隼人君。でも私は、お堅いと言われようと、それは駄目だよ、と思ってしまう。真面目に働いている人が馬鹿を見る世の中であってはいけないよ。
 そういう意味ではどの話も、「真面目な人が損をする」のを阻止するような話だったかなぁ。あと、ちゃんと義務を果たしなさい、とか。…何かちょっと違うかも(苦笑;)。
 懐かしい二人に会えたのは良かったのですが、これ第3弾出るとしたら、タイトルどうなるんでしょう。「先生と僕と彼女」とか??(笑)。
 もう一人、小悪魔なレギュラー増えそうですよね。