読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

キノの旅ⅩⅦ―the Beautiful World― 時雨沢恵一著/黒星紅白イラスト メディアワークス電撃文庫 2013年

 『キノの旅』シリーズ17冊目。

ファッションの国
 服飾生産が盛んな国で、豪華な食事につられてモデルを務める旅人たち。

   …みんな、ノリノリじゃん(笑)

「遊んでいる国」
 パラグライダーの発明で、空と飛ぶことを覚えた山岳の国の国民達。

「旅人達の話」
 キノとエルメスは旅の地中で行き倒れていた男に出会う。故郷で大流行している病気の治療薬を見つけて、持って帰る所だとか。

「自然破壊の国」
 ジャングルの中の国には、芸術の域にまで達したような、見事な石造りの家々が並んでいた。感心するキノとエルメス。だが、その国の人々は別の価値観に目覚めたようで…。

「時計の国」
 国民全員が腕時計をしている国。ただ、その時計はばらばらの時間を指し示している。

   …時計が壊れる、ってことはないのかしら。修理に出すとして、その間はどうやって
   時間計ってるんだろう。

「左利きの国」
 右利きのキノは危険人物と判断され、その国に入国できなかった。左利きばかりのその国は、右利きの人物は牢屋暮らしなんだとか。

「割れた国」
 廃墟となった国で出会ったのは、その国が滅びた理由を調査研究していた男。どうやら、東西に別れてあるお菓子を巡って争いが起こったらしい。

「貧乏旅行の国」
 キノに取材依頼をしてきたのは、“貧乏旅日記”というエッセイを書いて、大金持ちになった男。ネタが尽きたので、話を聞きたいのだとか。

「楽園の話」
 川に流されて行き着いた場所には、同じく川に流された人々が自給自足の生活をしていた。断崖絶壁に囲まれて、逃げ出すことは不可能。シショーと名乗る女は、その国の国庫からブローチを盗み出して、逃げる途中だったと言う。住民の一人は、そのブローチを見て顔色を変える。

「恋愛禁止の国」
 恋愛を禁止して、薬で脳内ホルモンを抑えている国。

「料理の国」
 さすらいの料理人に間違われたキノ。出来上がったとんでもない名物料理を、後々本物の料理人が食べてしまった。

「広告の国」
 携帯電話の広告に出ることになったキノ。嘘ばかりの内容だけど、旅人の言うことだから関係ない。

「鉄道の国」
 盆地の中に五つの国がある。端々に別れている四つを繋いでいるのは、五つ目の鉄道の国。50年前、この風変わりな形態を選んだ真意が、今明かされる。

「旅の終わり」
 気持ちのいい午後、ハンモックで昼寝をするキノとエルメスの会話。

「神のいない国」
 宗教の自由を保障している国に、入り込んできた夫婦とその子供。次々に信者を増やして行く様子に眉を顰めていた丁度その頃、エルメスが盗まれてしまった。警察でも介入できないと聞いて、キノは単身、乗り込んで行く。

「私達の国」
 山岳地帯でささやかに暮らす国民、十年前にこの地に移住してきたと言う。

「渡す国」
 漸く永住できそうな国を見つけたシズと陸、ティー。テスト移住期間も無事過ぎるかと思われたが、シズの滞在している村に、村人に無断で産業廃棄物処理場ができることになる。シズは夜を徹して、異議申し立て書類を届けに走った。…


 今回の作品は、新聞に連載されていたものがメインとのこと。
 それが終わっていきなり「神のいない国」、これは確か不特定多数の人が見る新聞誌上には載せにくいだろうな、と思ってしまいましたよ。
 フォトとシズたちのニアミスも描かれましたが、同じ国に住むことはできなかったようで。いずれキノとフォトとの出会いも描かれるんでしょうか。…というか、同じ時代の子だったのね~。