読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

読書 作家別さ行

恐怖小説 キリカ 澤村伊智著 講談社 2017年

人間が一番怖い――。 あなたの日常を侵食する究極のサイコ・サスペンス! ホラー小説の新人賞を獲得し、僕は出版に向けて準備をはじめた。隣には支えてくれる最愛の妻・キリカ。 順風満帆な日々が続くと思われたが、友人の一人が「作家とは人格破綻者である」…

GOSICK GREEN 桜庭一樹著 角川書店 2016年

『GOSICK』シリーズ、新章4冊目。 ネタばれになってるかも、すみません; 開業したグレイウルフ探偵社に依頼人が来た。 一人はケリー・スー、ニューヨーク市役所地域管理課緑地係の新入社員で、セントラルパークの本当の地図を探しているという。公園の設計…

みやこさわぎ お蔦さんの神楽坂日記 西條奈加著 東京創元社 2016年

連作短編集、シリーズ3冊目。 四月のサンタクロース イタリア料理屋『コルディ・アリタ』の一人娘真心(こころ)ちゃんが泣いている。両親がリコンしそうなんだとか。奉介おじさんが、真心ちゃんのお父さんに話を聞いてみる。どうやら、妻の元カレから引き抜…

キノの旅ⅩⅩ―the Beautiful World― 時雨沢恵一著/黒星紅白イラスト メディアワークス電撃文庫 2016年

『キノの旅』シリーズ20冊目。 ネタばれあります、すみません; 「海のない国」 海のない国で、海の説明を求められたキノ。上手く伝えられないキノに代わって、モトラドのエルメスが答える。 「人間の国」 シズたちが訪ねたのは、人間が本能のままに生きる国…

明るい夜に出かけて 佐藤多佳子著 新潮社 2016年

今は学生でいたくなかった。コンビニでバイトし、青くない海の街でひとり暮らしを始めた。唯一のアイデンティティは深夜ラジオのリスナーってこと。期間限定のこのエセ自立で考え直すつもりが、ヘンな奴らに出会っちまった。 コンビニで一緒に働く鹿沢は、「…

この青い空で君をつつもう 瀬名秀明著 双葉社 2016年

ネタばれあります、すみません; 12月23日、高校2年生の早季子に宛名だけが印刷された郵便はがきが届く。25日、クリスマスの朝、そのはがきで「猿」が折られていた。その猿を見るうち、はがきの文字を目にした早季子は驚く。10か月前に亡くなった同級生、和…

何が困るかって 坂木司著 東京創元社 2014年

掌編集。 いじわるゲーム 高校二年の時、友人のM子に彼氏ができた。なのに自分には何も話してくれない。不機嫌な気持ちになった「私」はM子の相手の男に囁く。「彼女はもう、処女じゃないよ」 怖い話 夜更けの酒場にて。男が話す「怖い話」は、女には思い当…

シロガラス ➍お神楽の夜へ 佐藤多佳子著 偕成社 2015年

シリーズ第4巻。 雪気は子供たちに、二十年前に現れた謎の二人組のこと、自分たちを森崎古丹の仲間だと話し、雪花を奪っていったリサンダール人のことを語る。 子供たちは森崎古丹の眠るコールドスリープ装置を見つけようと、神社のあちこちを探し回る。や…

ずうのめ人形 澤村伊智著 角川書店 2016年

澤村伊智、二作目。 ネタばれになってる気がします、すみません; オカルト雑誌でアルバイトとして働く藤間は、校了間際に音信不通になったライターの湯水を探すために同僚の岩田とともに自宅を訪れる。そこで2人が発見したのは、顔中に“糸”のような引っか…

小説 君の名は。 新海誠著 角川文庫 2016年

映画『君の名は。』原作小説。 ネタばれになってる気がします、すみません; 山深い田舎町に暮らす女子高校生・三葉は、自分が男の子になる夢を見る。見慣れない部屋、見知らぬ友人、目の前に広がるのは東京の街並み。一方、東京で暮らす男子高校生・瀧も、…

刑罰0号 西條奈加著 徳間書店 2016年

連作短編集、になるのかな。 ネタばれになってる気がします、すみません; 記憶を抽出して、画像化を行い、他人の脳内で再生するシステム――0号。これを用いて犯罪被害者の記憶――殺された際の恐怖を加害者に経験させる…。もともとは、死刑に代わる新たな刑罰…

ギャラリスト 里見蘭著 中央公論新社 2015年

ネタばれあります、すみません; 日本画最後の巨匠・門馬岳雲の作品が、クリスティーズのオークションで大量に売り飛ばされた。それも、日本では考えられない安値で。長年、門馬を育て、支えて来た画商・片瀬幸蔵は息子・真治を伴い、イギリスに飛ぶ。真治の…

古書カフェすみれ屋と本のソムリエ だいわ文庫 里見蘭著 2016年

「僕は信じてるんです。たった一冊の本が、ときには人の一生を変えてしまうこともあるって」 すみれ屋で古書スペースを担当する紙野君が差し出す本をきっかけに、謎は解け、トラブルは解決し、恋人たちは忘れていた想いに気付く──。 オーナーのすみれが心を…

シロガラス ➌ただいま稽古中 佐藤多佳子著 偕成社 2014年

シリーズ3作目。 目覚めた不思議な超能力について、礼生は鍛錬しようとえらく前向き。有沙や美音は気が進まないが、それでもこの力をコントロールしようと努力し始める。 雪気からも色々な情報が手に入る。森崎古丹の正体やまだ生きているかもしれないとい…

シロガラス ➋めざめ 佐藤多佳子著 偕成社 2014年

シリーズ2冊目。 雨の夜、謎の青い光にうたれた千里たち6人。以来、6人に不思議な力が芽生え始めた。 夜の境内、石像の神使の傍に浮かぶ白いかげを見た千里は、恐怖のあまり瞬間移動した。 星司は動物の気持ちが分かるようになった。 美音は触れた人の心…

九十九藤 西條奈加著 集英社 2016年

江戸の人材派遣業、口入屋・冬屋の女主人となったお藤。「商いは人で決まる」が口癖の祖母に口入稼業を仕込まれ育ったが、実家の不幸が重なり天涯孤独の身に。義母から女衒に売られるも必死に逃げ、江戸で生きてきた。 お藤は、払いが悪く悶着の多い武家が相…

ハンニバル戦争 佐藤賢一著 中央公論新社 2016年

ネタばれになってる気がします、すみません; 古代地中海の覇権をかけた壮大な物語が、今、幕を開ける―。 時は紀元前三世紀。広大な版図を誇ったローマ帝国の歴史の中で、史上最大の敵とされた男がいた。カルタゴの雷神・バルにあやかりつけられた名はハンニ…

肉小説集 坂木司著 角川書店 2014年

短編集。ネタばれになってるかも、すみません; 武闘派の爪先 自称「武闘派」の俺が、まわりまわって就職したのがヤクザ金融。でも結局そこでもポカをして、沖縄に飛んで嫌いな豚足を薦められる日々。僕は、武闘派なんですけど、暴力ハンタイ。 アメリカ人の…

ぼぎわんが、来る 澤村伊智著 角川書店 2015年

第22回日本ホラー小説大賞受賞作。 ネタばれになってるかも、すみません; それが来たら、絶対に答えたり、入れたらあかんて―― 幸せな新婚生活を営んでいた田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。取り次いだ後輩の伝言に戦慄する。それは生誕を目前にした…

小さな国のつづきの話 佐藤さとる著 講談社青い鳥文庫 1991年

「コロボックル物語」完結編。1983年発行。 冷静で落ち着いていて、小さな頃から「ヘンな子」と呼ばれていた杉岡正子は図書館に勤めている。ある日、児童室で出会った男の子ムックリくんから『だれも知らない小さな国』をはじめとするコロボックル物語を紹介…

GOSICK PINK 桜庭一樹著 角川書店 2015年

『GOSICK』シリーズ新章三冊目。 新大陸に到着し、一弥の姉・瑠璃の家に身を寄せたヴィクトリカと一弥。自分たちの家(ほーむ)と仕事(じょぶ)を得るために張り切る一弥は、ヴィクトリカとともにさっそくN.Y.の街中へ。あらゆる人種に喧騒―新世界の謎とも…

大川契り 善人長屋 西條奈加著 新潮社 2015年

『善人長屋』シリーズ3冊目。連作短編集。 泥つき大根 お縫の五つ上の兄、倫之助が養子に行った茶問屋 玉木屋の大おかみ・お杉が、若い男に入れ揚げているという。きっと金目当てにおかみに近づいたに違いない、と会ってみるとこれが泥つき大根のような野暮…

コロボックル童話集 佐藤さとる著 講談社青い鳥文庫 1983年

コロボックル物語、5冊目。1967年から1972年までに発表されたものをまとめた短編集。 コロボックルと時計 タツオの家の壊れた柱時計は、何故か時々動きます。タツオはそれがどうして動くのか知っています。ふりこで遊ぶ二人のコロボックルを見たから。 コロ…

ふしぎな目をした男の子 佐藤さとる著 講談社青い鳥文庫 1980年

初出は1971年。コロボックル物語4冊目。 つむじまがりでへそまがり、頑固者のコロボックル「ウメノヒコ=ツムジ」。昔の記録を整理する学者でもある。コロボックルが人間と仲良くなりすぎるのを懸念して、仲間と距離を置くことを決めた。一人コロボックル山を…

キノの旅ⅩⅨ―the Beautiful World― 時雨沢恵一著/黒星紅白イラスト メディアワークス電撃文庫 2015年

『キノの旅』シリーズ19冊目。 「幸せの話」 エルメスとキノが、人の幸せについて語る。 「首輪の国」 とある国で、首輪をつけられた陸を見て、ティーが疑問を持つ。 「美しい記憶の国」 かつて師匠が何も教えてくれなかった国に辿り着いたキノ。その理由を…

星からおちた小さな人 佐藤さとる著 講談社青い鳥文庫 1980年

初出は1965年。コロボックル物語3冊目。 空飛ぶ機会・オーニソプターを身に着けて、飛行テストをしていたコロボックル ミツバチぼうやことクルミノヒコは、モズに襲われた仲間 サクラノヒコを救おうとして、空から落っこちてしまう。行方不明になったクルミ…

豆つぶほどの小さないぬ 佐藤さとる著 講談社青い鳥文庫 1980年

コロボックル物語二冊目。初出は1960年。 せいたかさんからマメイヌと呼ばれる小さな犬のことを聞いたクリノヒコは、小さい頃、風に吹き飛ばされて行き着いた竹やぶで、不思議な生き物に出会ったことを思い出した。もしかしてあれがマメイヌだったのではない…

だれも知らない小さな国 佐藤さとる著 講談社青い鳥文庫 1980年

初出は1959年。コロボックル物語一冊目。 小学三年生の「ぼく」は、当時流行った遊びとりもちを作る「もちの木」を探して峠山に迷い込み、奇妙な三角形の平地を見つけた。二本の大きなもちの木、椅子のように腰かけることのできる枝振りをした椿の大木、傍を…

秋葉原先留交番ゆうれい付き 西條奈加著 角川書店 2015年

連作短編集。ネタばれになってるかも、すみません; 東京奥多摩の稲香村駐在所勤務、顔はいいが頭は悪い警察官・向谷は、現地の村長の奥さんに手を出して謹慎を喰らい、秋葉原の先留駐在所預かりとなった。何故か足だけの幽霊・通称「足子さん」を連れて。 …

ホリデー・イン 坂木司著 文芸春秋 2014年

『ワーキング・ホリデー』スピンオフ作品。 01 ジャスミンの部屋 三月の冷たい雨の夜。ジャスミンは行き倒れのおっさんを拾った。吊るしのスーツにそこそこのコート、ウォーキングシューズという出で立ちに興味を引かれるジャスミン。家族も家も整理した、海…