ネタばれあります、すみません;
“ぼく”を忘れていた“ぼく”は、大切な言葉をすこうしずつ取り戻しながら、この箱庭の世界から飛び出すため<旅の仲間>を求める。
――何かがおかしい。いや、何もかもがおかしい。この生活は変だ。大事なものがいくつも欠けている。こんなのは、いやだ。ぼくは、いやだ(でも、「生活」って何だっけ)。そこで、ぷつりと糸が切れたように、考え続ける気力がなくなった。だって、ハンモックのふわふわは、“ここ”は、とにかく気持ちよいからだ。
その日、男と目が合った。彼は言った、「教えてくれ。この町の出口はどこにある」と。そうだ、この町には外がある。なぜ、ぼくは、“ぼく”を思い出せなかったのだろう。
ぼくは<眠りの町>を男と抜ける。でも男は、ぼくが<旅の仲間>じゃない、と言う。ぼくらはそれぞれ、旅の仲間を見つけ、一緒にある場所へ向かうのだ、と。言い争うぼくと男の仲裁に入った少女が、偶然にもぼくの旅の仲間だった。仲間は順々に増えて行く。ツリーハウスに住んでいた明るい少女「テンネン」、休みたがりののっぽの青年、でも実は思慮深くて鋭い発言をする「ネムリ」。先導するように現れる鷲鷹のような鳥「センジイ」。
一緒に旅をしていくうちに、ぼくらは自分たちの存在に疑問を持ち始める。ぼくらは、この世界は何なんだろう、この旅の目的は、目的地には何があるんだろう。…
(前半、表紙見返しの粗筋を引用しました)
その日、男と目が合った。彼は言った、「教えてくれ。この町の出口はどこにある」と。そうだ、この町には外がある。なぜ、ぼくは、“ぼく”を思い出せなかったのだろう。
ぼくは<眠りの町>を男と抜ける。でも男は、ぼくが<旅の仲間>じゃない、と言う。ぼくらはそれぞれ、旅の仲間を見つけ、一緒にある場所へ向かうのだ、と。言い争うぼくと男の仲裁に入った少女が、偶然にもぼくの旅の仲間だった。仲間は順々に増えて行く。ツリーハウスに住んでいた明るい少女「テンネン」、休みたがりののっぽの青年、でも実は思慮深くて鋭い発言をする「ネムリ」。先導するように現れる鷲鷹のような鳥「センジイ」。
一緒に旅をしていくうちに、ぼくらは自分たちの存在に疑問を持ち始める。ぼくらは、この世界は何なんだろう、この旅の目的は、目的地には何があるんだろう。…
(前半、表紙見返しの粗筋を引用しました)