読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

シロガラス ❶パワー・ストーン 佐藤多佳子著 偕成社 2014年

 パワー・スポットとして、ひそかな人気の白烏神社。そこに暮らす藤堂千里は小学五年生。星芒一心流古武術の天才少女だ。
 祭りの夜、千里はいとこの藤堂星司と幼なじみの筒井美音と共に子ども神楽の剣士と舞い手をつとめ、その後呼ばれた宴の席に、いるはずのないクラスメートたちの顔を見て驚く。白烏神社の宮司で祖父の藤堂佐一郎は、千里たちの相手役に、そのクラスメートを抜擢しようとしていた。
 北川礼生はクラスのボス的存在。保育園の頃から千里のケンカ相手で、でも他流試合を禁じられている千里と戦うために、星司をいじめにかけてしまうほど彼女に拘っている。支配的な母親に頭が上がらない。
 三上数斗は並外れた運動音痴だが、理数系にとにかく強い。自分の中に揺るがぬ価値を持ち、クラスの男子全員からの無視、といういじめを受けた星司に一人話しかけ、結果親友を得る。
 岡崎有沙はクラスのファッションリーダー。兄が高校野球で頭角を現し始めていて、両親を含め周囲の人の関心がそちらにばかり行くことに苛立ちを感じている。おしゃれでかっこよくあることを自分に課している。
 お神楽の稽古のために集まった境内で、6人は夕立に会う。雷が鳴り響く中、ご神体の星明石に触った6人は、青い光にうたれて気を失う。…


 佐藤さんと上橋菜穂子さん、荻原規子さんとの鼎談集を読んでから、いずれはと思ってた作品。ただ、3巻以降が出ている様子がなく、全巻出終わってからでもいいかも、とも思ったんですが、予約本が切れたこともあって手にとってみました。
 1巻目は設定説明、人物紹介みたいな感じですね。ただ、それでも登場人物結構多くて、特に前半、誰が誰だよ、と混乱することしきり。クラスの女子のリーダーの「奈美」なんて、話には出てくるんだけど実際の描写はないんですよね、思わずページ捲って探してしまった。読み終わる頃には何とか整理がつきましたけど。…と思ってるんだけど;;
 やっぱり妙に共感する場面はあって、星司のいじめが解かれてからの思い「なにかがこわれてしまった なにかがかたまってしまった」ってのは解るなぁ、と思いました。もうかつての友達を信頼できなくなってしまったんだよね。
 助けたシロガラスを放して、一巻目は終わります。佐藤さんらしからぬファンタジーに突入するんでしたよね。次巻に続きます。