読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

ぼぎわんが、来る 澤村伊智著 角川書店 2015年

 第22回日本ホラー小説大賞受賞作。
 ネタばれになってるかも、すみません;


 それが来たら、絶対に答えたり、入れたらあかんて――
 幸せな新婚生活を営んでいた田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。取り次いだ後輩の伝言に戦慄する。それは生誕を目前にした娘・知沙の名前であった。原因不明の怪我を負った後輩は、入院先で憔悴してゆく。その後も秀樹の周囲に不審な電話やメールが届く。一連の怪異は、亡き祖父が恐れていた“ぼぎわん”という化け物の仕業なのだろうか?
 愛する家族を守るため秀樹は伝手をたどり、比嘉真琴という女性霊媒師に出会う。真琴は田原家に通いはじめるが、迫り来る存在が極めて凶暴なものだと知る。はたして“ぼぎわん”の魔の手から、逃れることはできるのか……。
 怪談・都市伝説・民俗学――さまざまな要素を孕んだノンストップ・ホラー!        (帯文より)

 
 書評等で見かけて褒めてあったので借りてみました。
 面白かったです。ページを捲る手が止まらない感じ、先がとにかく気になりました。
 第一章の語り手・秀樹の胡散臭さが第二章で暴露される展開、あんな独りよがりで自分に酔ってるような旦那は嫌だよなぁ。それでも彼を憎みながらも、最終的に「彼は守ってくれた」と理解しようとする香奈。
 由来やら何やら明らかになりながらも決定的な「何者なのか」という回答はない。退治の仕方も科学的・論理的ではなく、結局は才能というか力尽くというか。でも結局怪異ってそういうものだから怖いんだよなぁ。「声を真似る」っていうのには、携帯電話がこれだけ発展している世の中、そりゃ怖いわ、と納得してしまいました。
 これ、シリーズ化しそうだなぁ。霊媒師の琴子については何も語られてないし。
 そうそう、参考資料に一本木蛮さんのお名前があって驚きましたよ。