読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

豆つぶほどの小さないぬ 佐藤さとる著 講談社青い鳥文庫 1980年

 コロボックル物語二冊目。初出は1960年。

 せいたかさんからマメイヌと呼ばれる小さな犬のことを聞いたクリノヒコは、小さい頃、風に吹き飛ばされて行き着いた竹やぶで、不思議な生き物に出会ったことを思い出した。もしかしてあれがマメイヌだったのではないだろうか。
 マメイヌは人間にはユビギツネと呼ばれ、代々決まった一族に飼われていたらしい。その子孫が、今は郵便局長さんの家の離れに住んでいることが判ったクリノヒコたちは、マメイヌを捕まえる罠をかたつむりの殻と安全ピンで作り、竹やぶと離れに仕掛ける。
 コロボックル初の新聞には、ぜひマメイヌ捕獲の記事を載せたい。コロボックル通信社も立ち上げることになったクリノヒコは、仲間たちと協力して、マメイヌ探しに走り回る。…


 「豆つぶほどの小さないぬ」という題名ながら、メインになるのはマメイヌではなく、クリノヒコたちの活躍。マメイヌは最後に「捕まった」って記述があるだけですもんね。反対にクリノヒコたちが、古い郵便受けを利用してコロボックル通信社を作り上げていくさまは、詳しく記述されていてわくわくします。活版印刷まで作るんだもんなぁ。
 せいたかさんはおちび先生と結婚して二世も生まれている様子、ユビギツネを飼っていた一族と文通したりしてクリノヒコをサポートしたり、子孫であるエク坊と仲良くなったり。資材も色々調達して、なかなかの保護者っぷりです。
 かたつむりの殻と安全ピンを使った罠、ってのは正直構造がよくわからなかったなぁ。それにしてもコロボックルたち、こんなに小さかったんだな、と改めて驚きました。