読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

キノの旅ⅩⅨ―the Beautiful World― 時雨沢恵一著/黒星紅白イラスト メディアワークス電撃文庫 2015年

 『キノの旅』シリーズ19冊目。

「幸せの話」
 エルメスとキノが、人の幸せについて語る。

「首輪の国」
 とある国で、首輪をつけられた陸を見て、ティーが疑問を持つ。

「美しい記憶の国」
  かつて師匠が何も教えてくれなかった国に辿り着いたキノ。その理由を、キノも身を持って体験する。

「天才の国」
 キノとエルメスと、同じタイミングで入国した一団は、天才の赤ん坊を探しているという。果たしてその国でも天才児が一人見つかった。一団は大金を支払って、その天才児を引き取ると言う。

「秀才の国」
 治安もよく、産業も発達して、とても完成度の高い国。その秘密は、秀才を作り出す教育にあると言う。

「守る国」
 シズと陸、ティーが訪れた国は、立派な並木があった。かつて一人の男がその並木を守り、彼は今では英雄になっているらしい。ティーは手榴弾で、その樹木を一本破壊する。その根元には…。

「戦えない国」
 近くに六つの国が固まって存在しているのに、戦争が起きていないのは珍しい。キノがそのうちの一つの国王に訳を訊いてみると、二百年以上前に飛行船が一基飛んできて、以来戦争が起きないようその飛行船に見張られているのだとか。キノはその飛行船への接触を頼まれる。 

「贋物の国」
 ブランドもののナイフを探していたキノ。だがその国で売られていたのはすべてそのブランドの贋物で…。

「助けに来た国」
 フォトは、モトラドのソウと共に、とある一団に雇われた。水陸両用車に乗ったガタイのいい一行は、五百年も前、先祖がとある島に置き去りにした仲間を迎えに行く、その旅程を記録撮影してほしいと言う。

「撃ちまくれる国」
 パースエイダーが大好きな国に辿り着いたキノ。その分、銃器に対するモラルやマナーも申し分ない。

 プロローグとエピローグで語られる、師匠が訪れた老人ばかりの国「捨てる国」

 キノの旅十五周年特別企画あとがき短編、とある国に住みついてすっかり明るく、アイドルにまでなってしまったティーの話。…


 キノの旅ももう19冊目。よくネタが切れないよなぁ。
 短い簡潔な文章、読み易くて好きだなぁ。オチに察しのつくものもあるにはあるんですが、少々意地悪だったりお間抜けだったり切なかったり、やっぱり面白い。
 この作家さんの作品は、長編より短編の方が好みです。