読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

肉小説集 坂木司著 角川書店 2014年

 短編集。ネタばれになってるかも、すみません;

武闘派の爪先
 自称「武闘派」の俺が、まわりまわって就職したのがヤクザ金融。でも結局そこでもポカをして、沖縄に飛んで嫌いな豚足を薦められる日々。僕は、武闘派なんですけど、暴力ハンタイ。

アメリカ人の王様
 結婚相手のお父さんはとにかくこってりした味付けの好きな人だった。僕は上品なあっさりした料理が好き、挨拶に出向いて僕はあまりの価値観の違いに愕然とする。僕たちは上手くやっていけるだろうか。

君の好きなバラ
 反抗期の俺には、母親の作る、微妙にまずい料理が許せない。態度から何から、やることなすこと気に入らない。偶然出会った、いかにも「優しいお母さん」みたいな雰囲気の女の人、あんな人がお母さんだったらいいのに。

肩の荷(+9)
 上司の早期リストラで、部下を持つ身になった。でも真面目一筋な自分には、マネジメントは向いてない。その上、度重なる食事会やらバーベキュー大会やらで、自分の老いにも気づいてしまった。

魚のヒレ
 大学のサークルの飲み会の帰り、憧れの先輩に部屋に誘われてしまった。「豚ヒレ肉のトマトソース煮込みピザ風、食べる?」
それは誰かの代わりだったんだけど。

ほんの一部
 小さい頃、僕はすごくものを食べなかったらしい。だけどハムのおいしさに目覚めて、小6の今でも大好物はハム。この間から塾で一緒になる女の子が食べているのは、どうやら生ハムサンドというものらしい。…


 あら、坂木さん、何だか作風変えたのかしら、と思うような短編集。
 私自身、あまり肉類は好きではないのでそのせいもあるんでしょうが、食べ物の描写の不味さ加減(という日本語でいいのか?・笑)が妙にリアルで気持ち悪かったりして、そのせいで爽やかな話の筈なのに後味を悪く感じてしまったり。『アメリカ人の王様』とか『肩の荷(+9)』、『ほんの一部』なんか、本来ならとても気持ちのいい話なんですけどね。『魚のヒレ』も文句なく。
 やっぱり、食べ物は美味しい方がいいですねぇ。