読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

ずうのめ人形 澤村伊智著 角川書店 2016年

 澤村伊智、二作目。
 ネタばれになってる気がします、すみません;

 オカルト雑誌でアルバイトとして働く藤間は、校了間際に音信不通になったライターの湯水を探すために同僚の岩田とともに自宅を訪れる。そこで2人が発見したのは、顔中に“糸”のような引っかき傷をつけ、目を自ら抉り出した状態で死んでいる湯水の姿だった。
 1週間後、葬儀を終えた藤間は岩田からある原稿のコピーを押し付けられる。それは、亡くなった湯水の部屋に遺されていた手書きの原稿だった。湯水の死の原因はこれにあるはずだと言われた藤間は半信半疑でその原稿を読み始める。原稿に出てくる「ずうのめ人形」という不気味な都市伝説、それと対応するように藤間の周辺に現れる顔中を“糸”で覆われた喪服の人形。迫り来る怪異をふせぐため、藤間は湯水の後任ライターである野崎と彼の婚約者であり霊能力者の真琴に原稿のことを相談するが……。
 はたしてこの物語は、「ホンモノ」なのか。迫りくる恐怖を描くノンストップエンタテインメント!
                                          (出版社内容紹介より)

 鈴木光司著『リング』や小野不由美著『残穢』等、実在の書籍名が出て来るのにまず驚きました。…そうか、『リング』はもう古典みたいな感じになってるのかぁ。
 面白かったです。特に後半、ページを捲る手が止まらない、的な。小説の形態をとった原稿、不幸な境遇を背負ったいじめられっ子に見えた語り手の不実。いや、これは、巻き込まれたら不幸としか言いようがない。
 『リング』があれだけ流行った為に、多分全国で「サダコ」とあだ名された子がいたんだろうな、と今更ながら気が付きました。丁度私たちの子供の頃、学校に一人は「ガッちゃん」と呼ばれた巻毛ショートの女の子がいたように。「ガッちゃん」はともかく、「サダコ」は嫌だっただろうなぁ。『リング』って弊害も大きかったのかも。
 作中に出て来るホラーを語る老害人物には、こういう人はあらゆる分野でいそうだなぁ、と思ってしまいましたよ。とにかく新しいものを貶せばいい、みたいな。いや、我が身を反省します(苦笑;)。