読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

みやこさわぎ お蔦さんの神楽坂日記 西條奈加著 東京創元社 2016年

 連作短編集、シリーズ3冊目。

 四月のサンタクロース
イタリア料理屋『コルディ・アリタ』の一人娘真心(こころ)ちゃんが泣いている。両親がリコンしそうなんだとか。奉介おじさんが、真心ちゃんのお父さんに話を聞いてみる。どうやら、妻の元カレから引き抜きの話を持ち掛けられて、劣等感に苛まれたらしい。

 みやこさわぎ
神楽坂芸妓の若手・都さんが結婚引退することになった。所が婚約指輪を貰ったとたん、婚約破棄を言い渡し行方不明になってしまったらしい。まるで結婚詐欺だ、と憤慨する姐さん連中の前に都は再び現れ、婚約相手との過去を語り始める。

 三つ子花火
やんちゃ盛り、腕白盛りの三つ子の男の子を置いて、母親の美穂子さんが旅行に出た。預かった滝本家はてんやわんや、だが三つ子の父親はどことなく無責任な口振りで妻を非難する。お蔦さんはその様子に激怒、一週間子供の面倒を見るように仕向けた。

 アリのままで
望の高校の演劇祭が近付いている。クラスごとにオリジナルの英語脚本まで創作する徹底ぶり、二歳から英語教室に通っている小坂翠はその中心人物。その彼女を意識している女の子が現れた。高等部からの編入組の笹井真棹、図書館で毒物の本を調べたり望に料理のことを訊いてきたリする行動に、望は不安を感じる。

 百合の真贋
岩井さんの姉妹三人がもめている。お祖母さんが亡くなった後で、どうやら日本画の大家・新藤画伯の絵が出てきたらしい。それぞれが自分の意見を主張する中、お蔦さんは新藤画伯本人に絵の真贋判定を依頼する。

 鬼怒川便り
神楽坂祭りの日、滝本家では盛大な食事会が開かれる。食道楽で金に糸目をつけなかった曾祖父からの恒例行事だ。そんな中、送られてきた鬼怒川の鮎に、望は過去の記憶を刺激される。確か以前、鮎が原因でお蔦さんとお祖父さんが喧嘩したことはなかったか? その原因は、送り主にあった。

 ポワリン騒動
元の真淵写真館「スタジオ・マブチ」は、今は観光客を相手にしたコスプレ写真館として流行っている。望はそこに、クラスメイトの森彰彦の兄・行也が入って行くのを見かけた。彰彦曰く、オタクの兄は今付き合っている彼女に、大金を貢いでいるらしい。騙されているのではないかと望は行也の後をつける。…


 シリーズ三作目なんですが、内容ほとんど思い出せなくてですね;(←こんなのばっかりだなぁ;)
 ただ、料理上手な男の子と元芸者のお蔦さんが出て来る話、ってのはかろうじて覚えてました。
 今回もやっぱり美味しそうな料理はてんこ盛りでしたね~。
 『三つ子花火』とか『百合の真贋』とか、ちょっと辛口な話も入りましたね。得意料理はパスタ、という男の人は、確か恩田さんも『木曜組曲』の中でこっぴどく評していた気がする。(笑)
 それにしても、主人公以外をほぼ忘れていたのが何とも…。また読み直さないといけないかも;