読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

恐怖小説 キリカ 澤村伊智著 講談社 2017年

 人間が一番怖い――。
 あなたの日常を侵食する究極のサイコ・サスペンス!

 ホラー小説の新人賞を獲得し、僕は出版に向けて準備をはじめた。隣には支えてくれる最愛の妻・キリカ。
 順風満帆な日々が続くと思われたが、友人の一人が「作家とは人格破綻者である」「作家は不幸であるべき」と一方的な妄想を僕に押し付け、嫌がらせをはじめる。ストーカー行為、誹謗中傷の手紙、最悪の贈り物。
 やがて不幸(ミザリー)は、僕とキリカのとある「秘密」を暴き出すが――。          (帯文より)


 面白かったです。…って言わなきゃ殺されるのかしら(苦笑;)。
 澤村さん、えらくメタな話を書いてきました。本名とかこのままじゃないですよね、そこまで捨て身じゃないですよね? でもホラー大賞受賞してから出版されるまでの流れ、ってのはそのままなんでしょうね。授賞式で会った作家さんたちとか。講談社でこれ出していいんだ、講談社さん太っ腹(笑)。
 思い込みの激しい友人に振り回される展開かと思いきや、そこから一捻り、二捻り。でもこの友人の気持ちも分からないではない、というのが私の恐ろしい所で(…;)、何しろ私の夢の一つに友人が有名作家なりなんなりになって、本屋さんで山積みになった作品を前に「これ、私の友達やねん」って自慢する、ってのがあるもので。いやでも、「不幸でなけりゃ作品が書けない」とは思いませんよ、とは一応言っておきます(苦笑;)。
 惨殺の仕方とかでとにかく痛そうなのがあって、よくこんなの思い付くなぁ、とも思いました。サイコ・サスペンスなのかな、スプラッタの要素も多分にあるよなぁ。
 いやいや、読んでて痛かったです。