読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

読書 作家別あ行

シークレット 綾辻行人ミステリ対談集 in 京都 綾辻行人/著 詠坂雄二/著 宮内悠介/著 初野晴/著 一肇/著 葉真中顕/著 前川裕/著 白井智之/著 織守きょうや/著 道尾秀介/著 辻村深月/著 光文社 2020年

綾辻行人がデビューに携わった作家を、京都にお招きしての対談集。噂の「京都対談」が、この一冊に!綾辻行人が、それぞれのデビュー時からかかわりを持ってきた後輩作家たちと夜な夜な語る、ミステリの魅力と創作の秘密。それは、かけがえのない愉楽。 作家…

海神(わだつみ)の島 池上永一著 中央公論社 2020年

ネタバレになってるかも、すみません; 沖縄で祖母の愛情を受けて育った花城汀、泉、澪の三姉妹は、いずれ劣らぬ個性派揃い。 汀は琉舞の名手から祇園の舞妓へ、さらに銀座のクラブのママにまでのし上がった。次のターゲットは銀座表通りのポルシェビル、購…

ルーズヴェルト・ゲーム 池井戸潤著 講談社文庫 2014年

初出は2012年。 ネタばれになってるかも、すみません; 中堅メーカー・青島製作所の野球部はかつては名門と呼ばれたが、ここのところすっかり成績低迷中。会社の経営が傾き、リストラの敢行、監督の交代、廃部の危機……。野球部の存続をめぐって、社長の細川…

コイコワレ 乾ルカ著 中央公論新社 2019年

「螺旋」プロジェクト昭和前期篇。 太平洋戦争末期。敗色濃厚の気配の中、東京から東北の田舎へ集団疎開してきた小学生たち。青い目を持つ美しい少女、六年生の浜野清子もそのひとりだった。その目の色ゆえか、周りに溶け込めない孤独な彼女が出会ったのが、…

まなの本棚 芦田愛菜著 小学館 2019年

運命の1冊に出逢うためのヒントに! 「本の出逢いは人との出逢いと同じ」年間100冊以上も読み、本について語り出したら止まらない芦田愛菜が本当は教えたくない“秘密の約100冊”をご紹介。世代を超えて全ての人が手に取ってみたくなる考える力をつけたい親御…

むかしむかしあるところに、死体がありました。 青柳碧人著 双葉社 2019年

【2020年 本屋大賞ノミネート作】昔ばなし、な・の・に、新しい!鬼退治。桃太郎って……え、そうなの?大きくなあれ。一寸法師が……ヤバすぎる!ここ掘れワンワン。埋まっているのは……ええ!?「浦島太郎」や「鶴の恩返し」といった皆さんご存じの《日本昔ばな…

もののふの国 天野純希著 中央公論新社 2019年

螺旋プロジェクト中世・近世篇。 ネタばれになってるかも、すみません; 源頼朝、足利尊氏、明智光秀、大塩平八郎、土方歳三…命を懸けた果てなき争いの先に待ち受けていた光景とは?千年近くの永きに亘り、この国を支配し続けてきた武士。しかしてその真の主…

濱地健三郎の幽(かくれ)たる事件簿 有栖川有栖著 角川書店 2020年

連作短編集。シリーズ2冊目。 ネタバレになってるかも、すみません; ホームに佇む 東京への出張で新幹線を利用するたび、窓から見える有楽町駅に男の子の姿が視える。依頼されて調べてみると、その駅で階段から落ちた少年が、意識不明のままなのだとか。こ…

屍人荘の殺人 今村昌弘著 東京創元社 2017年

第27回鮎川哲也賞受賞作。 ネタばれになってるかも、すみません; 神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と会長の明智恭介は、曰くつきの映画研究部の夏合宿に加わるため、同じ大学の探偵少女、剣崎比留子と共にペンション紫湛荘を訪ねた。合宿一日目の夜、映研の…

ドミノin上海 恩田陸著 角川書店 2020年

シリーズ、になるのかな、2作目。 イグアナが料理されれば盗賊団が上海に押し寄せ、そこに無双の甘党が上陸。風水師が二色に塗り分けられ、ホラー映画の巨匠がむせび泣くと秘宝『蝙蝠』の争奪戦が始まった! 現代アートの展示即売会にはギャンブル中毒の彫刻…

逆ソクラテス 伊坂幸太郎著 集英社 2020年

小学生を主人公にした短編集。 逆ソクラテス 「久留米先生の先入観を崩してやろうよ」――転校生の安斎の言葉から、その計画は始まった。久留米先生は同じクラスの草壁に対して、見下した態度を取ることが多い。言い出しっぺの安斎は、草壁にテストでいい点を…

僕の人生には事件が起きない 岩井勇気著 新潮社 2019年

日常に潜む違和感に芸人が狂気の牙をむく、ハライチ岩井の初エッセイ集!段ボール箱をカッターで一心不乱に切り刻んだかと思えば、組み立て式の棚は完成できぬまま放置。「食べログ」低評価店の惨状に驚愕しつつ、歯医者の予約はことごとく忘れ、野球場で予…

倒れるときは前のめり ふたたび 有川ひろ著 角川書店 2019年

有川ひろの魅力がつまったエッセイ集、第2弾! 書き下ろし小説も収録!書き下ろし掌編「彼女の本棚」と、中編小説「サマーフェスタ」を特別収録! 愛する本たちへの想い、ネット時代に思うことなどのほか、ペンネーム変更の理由も語られる。稀代の人気作家…

絶対猫から動かない 新井素子著 角川書店 2020年

「うぃやっ……地震?」 56歳の大原夢路は将来が絶賛不安な元校正者、現在無職。両親の介護のために仕事をやめ、さらには認知症になった義父母の存在もがっしりとのしかかっている。そこそこに仲良しの旦那はいるけれど、そりゃもうストレスは満載。おかげで最…

カナダ金貨の謎 有栖川有栖著 講談社ノベルス 2019年

社会人アリスシリーズ、連作短編集。 船長が死んだ夜免停をくらった火村准教授のアシとして、有栖川有栖は兵庫県の山間部へ、フィールドワークのお供をすることに。折も折、養父市で刺殺事件が起きた。被害者は40年近くぶりに地元に戻って来た海の男、彼に好…

祝祭と予感 恩田陸著 幻冬舎 2019年

『蜜蜂と遠雷』スピンオフ短編集。 祝祭と掃苔亜夜とマサル、二人の恩師のお墓参りに、風間塵もついてくる。他愛ないお喋りの中、明らかになる塵の素性、三人の希望とこれからの予定。 獅子と芍薬ミュンヘン国際コンクールで、ナサニエル・シルヴァーバーグ…

歩道橋シネマ 恩田陸著 新潮社 2019年

短編集。 線路脇の家エドワード・ホッパーの絵画を見て、「私」はとある洋館を思い出す。電車の中から見かける家。いつも二階の同じ部屋に、三人の男女が揃っていた。 その不自然さに、いつも首を傾げていた。 球根天啓学園では眠れる生徒会長を目覚めさせる…

小説 シライサン 乙一著 角川文庫 2019年

ネタバレになってるかも、すみません; 親友の変死を目撃した山村瑞紀と、同じように弟が眼球を破裂させて亡くなった鈴木春男。それぞれ異様な死の真相を探る中、2人は事件の鍵を握る富田詠子から、ある怪談話を聞かされる。それは死んだ2人と詠子が旅行先で…

櫻子さんの足下には死体が埋まっている 蝶は十一月に消えた 太田紫織著 角川文庫 2014年

シリーズ4冊目。 第壱骨 猫はなんと言った? 鴻上百合子の叔母・椿がストーカー被害にあっているらしい。飼い猫が殺され、櫻子に相談が入った。猫には他の動物に襲われた痕跡があり、椿は元カレの飼い犬を疑うが、櫻子は歯型や爪痕に疑問を抱く。 第弐骨 私…

ウナノハテノガタ 大森兄弟著 中央公論新社 2019年

螺旋プロジェクト原始篇。 「いいか、島でのこと、だれにも話してはいけない」 “死”を知らない海の民の少年オトガイ。ある日、父から恐ろしい役目を引き継いだ。生贄の運命を逃れた少女、火葬をする山の民の出現……のどかな日々を、望まぬ争いと喪失が激変さ…

鬼憑き十兵衛 大塚已愛著 新潮社 2019年

「日本ファンタジーノベル大賞2018」受賞作品。 ネタばれあります、すみません; 父の仇を討つために賭した命なのに――。燃え尽きようとする十兵衛の魂を黄泉から引き戻したのは、この世のものとは思えぬほどに美しい僧の姿をした「鬼」だった。鬼もまた、十…

監禁探偵 我孫子武丸著 実業之日本社 2019年

連作短編集。…になるのかな?? 第一話 山根亮太 勤めを辞めて、コンビニでバイト状態の山根亮太。日課は向かいのマンションに住む美女の覗き見。思い余って彼女の下着を盗もうと彼女の部屋に忍び込むと、彼女が死体となって転がっていた。折も折、亮太は前…

白銀の墟 玄の月(しろがねのおか くろのつき)十二国記 (一)~(四) 小野不由美著 新潮社 2019年

十二国記、18年ぶりの新刊。 ネタばれになってると思います、すみません; 発売日に手に入れたにも関わらず(特に一・二巻は蝕の中電車に乗って本屋へ行った(←徒歩圏内の本屋が無くなってしまったので;)というのに!)、楽しみすぎて手が出せなかった作品…

営繕かるかや怪異譚 その弐 小野不由美著 角川書店 2019年

シリーズ2作目。連作短編集。芙蓉忌10年以上帰っていなかった実家に戻った。両親も弟も既に亡い。古い町屋の二階、亡き弟の部屋の壁穴から見えた隣には、三味線を爪弾く女の姿が見えた。隣家は料亭、だがそこの女将はそんな女はいないという。戸惑うが、あ…

鹿の王 水底の橋 上橋菜穂子著 KADOKAWA 2019年

なによりも大切にせねばならぬ人の命。その命を守る治療ができぬよう、政治という手が私を縛るのであれば なによりも大切にせねばならぬ人の命。その命を守る治療ができぬよう、政治という手が私を縛るのであれば、私は政治と戦わねばなりません。黒狼熱大流…

シーソーモンスター 伊坂幸太郎著 中央公論新社 2019年

ネタバレになってるかな、すみません; シーソーモンスター バブル期。製薬会社の営業勤務 北山直人は嫁姑問題に悩んでいる。妻 宮子自身にもこれは想定外の事態だった、何しろ彼女はどんな人間ともある程度うまくやっていける自信があったので。彼女は元情…

ゆっくり十まで 新井素子著 キノブックス 2018年

短編集。 第一章 天下無敵の恋する乙女 ゆっくり十まで お互い一目惚れした運命の相手は温泉好き。だけど自分はお湯に十秒も浸かっていられない。そして私は、前世を思い出してしまった。 謎の男 地下鉄のエキナカにあるパン屋でバイトをはじめた「私」。そ…

こうして誰もいなくなった 有栖川有栖著 角川書店 2019年

短編集。 館の一夜 夜道を運転しながら、黒田卓也教授は思い出す。学生時代、民俗学のフィールドワークの帰り、美佳子と道に迷って辿り着いた不思議な洋館のことを。 線路の国のアリス 車掌の格好をして懐中時計を持った白ウサギを見かけたアリスは、思わず…

空飛ぶタイヤ 池井戸潤著 実業之日本社 2006年

136回直木賞候補作。 走行中のトレーラーのタイヤが外れて歩行者の母子を直撃した。ホープ自動車が出した「運送会社の整備不良」の結論に納得できない運送会社社長の赤松徳郎。真相を追及する赤松の前を塞ぐ大企業の論理。家族も周囲から孤立し、会社の経営…

この橋をわたって 新井素子著 新潮社 2019年

短編集。 橋を、架ける 何世代にも渡って巨大な河に岩を投げ込んで来た。一番遠くまで投げ入れた人物が首長になる、いつしかそういう掟ができた。ある首長は岩を伝って橋を架け、出水対策を講じ、そして、いつしか対岸が見えて来た。 黒猫ナイトの冒険 捨て…