読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

倒れるときは前のめり ふたたび 有川ひろ著 角川書店 2019年

有川ひろの魅力がつまったエッセイ集、第2弾!  書き下ろし小説も収録!
書き下ろし掌編「彼女の本棚」と、中編小説「サマーフェスタ」を特別収録! 
愛する本たちへの想い、ネット時代に思うことなどのほか、ペンネーム変更の理由も語られる。稀代の人気作家のエッセイ集第2弾。    (出版社HPより)

 児玉清さんへの思い、佐藤さとるさんへの思いが繰り返し語られる一冊。両氏への有川さんの思慕が溢れてます。本人評「逆風を受けやすい作家」ってのは、申し訳ないけど、そうだろうなぁ、と思ってしまった。『シアター!』についてどんな意見があったんだろう、もう続きは出ないんだな、残念。

 有川さんが書かれた書籍の解説等も収録、那須雪絵著『月光』については、改めて読み返したくなりました。当時リアルタイムで読んでいて、ぽつぽつと場面は覚えてるんですけど、細かい所は覚えてないかも。あの頃読んでた漫画は、結構 魂に刻まれてるんだけどな(笑)。

 どうしても印象に残ってしまうのは神戸の「ツリー」に対する意思表明。ほぼ地元ながら、私は全然この件を知りませんでした、すみません; 有川さんの文章でこの事例を知ってしまったからには、私はもう自身として判断した意見はできないだろうなぁ。ただ、2017年の神戸での催しで「鎮魂」って言葉を使うのは、首を傾げただろうとは思う。東北の震災の後では使えないよ。

 中編『サマーフェスタ』は高校卒業して高知から彼氏は東京、彼女は大阪に進学した二人の恋の顛末。大学四年間の遠距離恋愛を乗り切った後に訪れた苦難。…苦かったなぁ。
 掌編『彼女の本棚』は、出版社に勤める男性がある日、自分の手掛けた文庫本を買った女性を見かけた顛末が描かれます。打って変わって甘々、最後の一文に思わず息をのむ一遍。…駄目じゃん、こんなの読んだら私も待っちゃうじゃん(←おいおい;)。

 そうそう、読書感想文は私、苦手でした。読書が嫌いにならなかっただけめっけもんでしたね。