読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

シーソーモンスター 伊坂幸太郎著 中央公論新社 2019年

 ネタバレになってるかな、すみません;

 

 シーソーモンスター

バブル期。製薬会社の営業勤務 北山直人は嫁姑問題に悩んでいる。妻 宮子自身にもこれは想定外の事態だった、何しろ彼女はどんな人間ともある程度うまくやっていける自信があったので。彼女は元情報員だった。

何かにつけ苛立たせる言動をする義母との同居の原因は義父の死、その詳細を知って、宮子は一つの疑いを持つ。義父は義母に殺されたのではないか? 宮子は昔の伝手を辿って真相を調べ始める。同じ時期、直人も職場で、別の事件に巻き込まれていた。

 

 スピンモンスター

舞台は2050年。情報の信頼が失われ、一周回って「手紙」が見直され始めた頃。

「配達人」水戸直正は新幹線の中で、偶然出会った男に手紙を託される。好奇心半分、その相手 中尊寺敦に手紙を届けたことから、水戸は中尊寺と共に警察に追われることとなる。「男」の名は寺島テラオ、人工知能ウェレカセリを開発した天才科学者。しかも水戸に手紙を依頼した直後、死亡したらしい。メモのような謎の内容の手紙を受け取った中尊寺は、寺島が自分にウェレカセリを破壊するよう指示している、と解釈した。

その昔二人で迷い込んだという山中の民家へ、そこも追われて中尊寺の研究施設へ。水戸は自分に埋め込まれているというカメラの存在を知る。

幼い水戸から家族を奪った自動車事故、その因縁の相手 檜山景虎。混乱する記憶、正しいログとは。…

 

 螺旋プロジェクトの一冊、なんだそうで。複数の作家が同じ設定で架空の歴史を語る、そういえば雑誌「ダ・ヴィンチ」でそんな宣伝してたっけ、と読み終えてから思い出しました。

 いつの時代も諍いあう海族と山族、その審判者。基本設定は色々あるみたいなんですが、全然知らなくても面白かったです。もう伊坂さんの世界になってるし(笑)。

 嫌な人だなぁ、と思ってた義母さんの意外な正体とか、妙に呑気でユーモラスな語り口とか。いや、この人のせいで何人も人死んでるんですけどねぇ。

 次の話で宮子さんの息子さんが出てきてびっくり、そうか、子供できたんだね、よかったねぇ。

 ウェレカセリはこの後も鍵になるのかな、建設されるという壁は。水戸さんはこのまま寝たきりなんだろうか、ヒナタさんにも色々あるんだろうか。

 とりあえず、原始からこのシリーズ読んでみようか、と思いました。

 読んだことのない作家さんもいるのでどきどきです(笑)。