連作短編集。シリーズ2冊目。
ネタバレになってるかも、すみません;
ホームに佇む
東京への出張で新幹線を利用するたび、窓から見える有楽町駅に男の子の姿が視える。依頼されて調べてみると、その駅で階段から落ちた少年が、意識不明のままなのだとか。この少年は何に囚われて駅から出られないのか。
姉は何処
田舎の一軒家に住む姉が、いなくなった猫を探して行方不明になった。弟は、近所を訪ねて回るうち、空き家の庭先で、仰臥した姉が浮かび上がったまま水平に移動する様を視る。姉はもう生きていないのか、その状態の意味は。
饒舌な依頼人
濱地の事務所を訪れて来た男は、達者な口調で話し始めた。飲み屋の男二人が語る怪談話、タクシーに乗せた女性客とその女を騙した男の話。助手のユリエはやがて、その男の様子がおかしいことに気が付く。
浴槽の花嫁
浴槽で夫が溺死した後、夫の弟から告発の電話が掛かってくるようになった。曰く、遺産目当てでお前が殺したんだろう、と。だが、夫の霊は弟に憑いている。その何か罵っている様子を、ユリエは偶然目撃する。
お家がだんだん遠くなる
依頼人は育ちのよさそうな女性。夜な夜な、幽体離脱を繰り返してしまう、と言う。しかもどこかに引き寄せられているようだ、と。その地に着いてしまったら、元の肉体に戻れなくなってしまう気がする、という彼女の言葉に、濱地たちは目的地を探す。
ミステリー研究会の幽霊
高校のミステリー研究会にて。窓が開いていたり、雑誌の置き場所が変わっていたり、他愛ない現象が繰り返し起こってはいたのだが、新入部員が入ってきて事態がエスカレートした。明らかに暴力的になった現象に、濱地は旧部員の存在を視る。
それは叫ぶ
夫に取り憑いたものは、夫に自殺を強いるという。相談を受けた濱地は、それを消し去ると言う。…
濱地探偵の能力については、結構色々もやもやしつつ(笑)。何しろ、一切説明がない能力だもんなぁ。何だか浄霊や除霊的なものもできるようで。
その辺りを気にしなければ、面白かったです。『浴槽の花嫁』なんか、どんでん返しが効いてる感じで、成程!と思いましたし。『ミステリー研究会~』も好きだなぁ、これから代々、ずっと続けて行くのは大変かもだけど(笑)。
全体的に、ハッピーエンド(?)で終わる雰囲気もいいですね。これから濱地さんの過去とかも解明されていくのかなぁ。