綾辻行人がデビューに携わった作家を、京都にお招きしての対談集。
噂の「京都対談」が、この一冊に!
綾辻行人が、それぞれのデビュー時からかかわりを持ってきた後輩作家たちと夜な夜な語る、ミステリの魅力と創作の秘密。それは、かけがえのない愉楽。
作家にはそれぞれ、その作家だけの創作の秘密がある。
着想の手段、執筆時のこだわり、影響を受けた本、これまでに書いてきた作品への想い。あくまでおだやかに。意外なほど深く。作家たちが語った創作の魅力を、のぞいてみてください。
きっと、小説がさらに面白くなる。読書欲に火をつける、極上の対談集。
Secret1 ×詠坂雄二
Secret2 ×宮内悠介
Secret3 ×初野 晴
Secret4 ×一 肇
Secret5 ×葉真中 顕
Secret6 ×前川 裕
Secret7 ×白井智之
Secret8 ×織守きょうや
Secret9 ×道尾秀介
Secret10 ×辻村深月 (出版社HPより)
すみません、対談相手では初野さんと辻村さんの作品しか読んだことありません; でもこういうの読むと、どの作家さんの作品も面白そうに見えてくるんだよなぁ、出版社の思う壺(苦笑;)。
まず、織守きょうやさんが女性だと知って驚いた(←そこ?・笑)。現役の弁護士さんなんですね、「出版社に入る方が狭き門」ってのは何となく分かるような…。いや、勿論どっちも狭いんですが、希望の会社に就職ってのの方が努力だけでは何ともし難い気がするもの。『記憶屋』のシリーズは私の中で、いずれ読んでみたいリストに入っています。
初野晴さんのミステリ体験として『名たいてんカゲマン』が出て来て、あまりの懐かしさに思わず笑ってしまいました。あれ、ミステリだったのか…! 小学二年生だったか三年生だったかの連載でしたね~。〈ハルチカ〉シリーズ、終わりに向かってるんだ~。
「特殊設定ミステリ」って1ジャンルになってるんだな、というのも初めて知りました。存在だけなら昔からありましたよね。アシモフのSFミステリなんて元祖だよなぁ、バカミスじゃないか、と言われた作品もあったし。
道尾秀介さん、本当、頭いい人なんだなぁ。書籍の商品改良、という点で、でも遠い目をされてしまう蘇部健一さんが哀しい(笑)。
小説家目指してる人にも有益なんじゃないかしら。伏線あとから加えて行くとか、そんな手が…!と驚きました。それぞれの作家さんでの設計図というかコンテというかにも少し触れられてましたし。デビュー後の映像化についても「本の売れ行きに跳ね返ってこないようなメディアミックスは意味がない」なんて、まぁ何て潔い。
信頼する読み手として、綾辻さんが奥さんの小野不由美さんの名前出されてて、ああ、このご夫婦凄いな、と改めて思ったり。この間TV番組『7ルール』で、やっぱりご主人の評価を大切にされてる料理人の方、いらっしゃいましたっけ。同志、尊敬、信頼。ぶれない価値観。勿論宇山さんのお名前も出てらっしゃいましたし、作家さんにそう言って貰える編集さんって、それこそ編集冥利に尽きるでしょうね。
とにかく伝わってくるのは、各作家さんの綾辻さんへの敬意。辻村さんとかすっかりファンに戻ってたし(笑)。綾辻さん、面倒見いいんだなぁ。
そうそう、私の初人面瘡も、手塚治虫『ブラック・ジャック』でした!(笑)。