読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

鬼憑き十兵衛 大塚已愛著 新潮社 2019年

 「日本ファンタジーノベル大賞2018」受賞作品。

 ネタばれあります、すみません;

 

父の仇を討つために賭した命なのに――。燃え尽きようとする十兵衛の魂を黄泉から引き戻したのは、この世のものとは思えぬほどに美しい僧の姿をした「鬼」だった。鬼もまた、十兵衛により息を吹き返し、お礼にと十兵衛に取り憑き、復讐の手助けをしようと申し出る。

熊本藩の剣術指南役だった父が、何故何人もの剣客に襲われるような殺され方をしなければならなかったのか。理由を知りたいと望む十兵衛は、山中で所縁の者を襲い続ける。そのうち、金髪碧眼の少女が囚われのまま、多くの死体の中で佇んでいる現場に出くわす。少女に惹かれる十兵衛。彼女を生まれ故郷に帰してやろうと、長崎を目指すことにした。その頃、長崎では切支丹への弾圧が苛烈を極めていた。

人魚、土蜘蛛、せいれん…。化け物と化け物、そして人間の思惑が交差し、十兵衛を巻き込む。

仇討ちに燃える若武者と、美貌の鬼との奇妙な道行きやいかに。

                    (出版社紹介文に付け足しました)

 

 そういえば、2019年のファンタジーノベル大賞受賞作品を読んでなかったことに今更気が付いて、手に取った一冊。

 う~ん、王道の冒険活劇もの、伝奇小説だったなぁ。連想したのはどうしても『どろろ』、昨年アニメも見たばかりでしたし。ただ時代は江戸初期(なのかな?)、切支丹迫害を絡めたことは新鮮で、その分凄惨さが増したような。

 人魚の紅絹は命を取り留めたし、「鬼」大悲の過去とか、いかにも続きそうな感じ。続編出たら読んじゃうだろうなぁ。