十二国記、18年ぶりの新刊。
ネタばれになってると思います、すみません;
発売日に手に入れたにも関わらず(特に一・二巻は蝕の中電車に乗って本屋へ行った(←徒歩圏内の本屋が無くなってしまったので;)というのに!)、楽しみすぎて手が出せなかった作品。いや、ネットのネタばれを怖がってる場合じゃないだろ、自分!!と言う訳で、この年末年始で読み切りました。
本来、もっともっと長いお話だったんでしょうね。省いて略して、この長さなんだろうなぁ。そう思うと、『風の万里 黎明の空』なんかなおさら。
幽かな光明が見えたと思ったら閉ざされ、細い道が通じたかと思ったら塞がれ、崖をよじ登る手掛かりが見つかったかと思ったら突き落とされの連続でしたね。そりゃそうか、阿選元々有能だもんなぁ。小野主上、とにかく容赦がない。何しろ読み手としてはかなり擦れてる部類に入るだろう私でも、ハッピーエンドを願わずにはいられない展開でした。いや、これはこのシリーズどれもそうなんだけど。私、きっとこれから、鳩の鳴き声を聞くたびに「はっ…!」って思うんだろうなぁ(笑)。
広瀬の名前まで出てきた時には驚いたし妙に嬉しかった。そりゃ泰麒は蓬山でぬくぬく育った麒麟とは訳が違う、血の涙を流して本能を抑え込み、計略を巡らせる。どんな経験も無駄にしない、背負い、贖い、糧とする。泰麒の決意が胸に痛い。
この四巻分に入りきらなかったエピソードがあるのはありありで、英章はどうしてたんだろうとか、国幣はどこに隠してたんだろうとか、夕麗とかの、後半合流した人たちはどこに潜伏してたんだろうとか。
琅燦の真意とかももうちょっと知りたいんですが、これは次の短編集での題材に入ってるのかな。
羅睺と計都とのヨメ姑争いも見たいですねぇ(笑)。
とりえず、戴国の正確な地図作ろう。延麒、蓬莱からドローン持ってきてくれ。あと、サングラス驍宗にプレゼントね。
登場人物の名前等を覚えてる間に、過去の作品を読み返したいと思いつつ、特に戴国メインで。
辻村深月さんが寄せてらっしゃった文章の通り、最後の一行まで楽しめました。
…小野主上、凄い。