短編集。
橋を、架ける
倍倍ケーキ
秘密基地
独特の文章は相変わらず、くどいよ、もっとさくさく話進めようよ、と思うこともありましたが、何しろ新井さんだもんなぁ。お話自体は面白いし。
とりあえず、作家生活四十周年おめでとうございます。…高校生デビューだもんな、凄いなぁ。
何世代にも渡って巨大な河に岩を投げ込んで来た。一番遠くまで投げ入れた人物が首長になる、いつしかそういう掟ができた。ある首長は岩を伝って橋を架け、出水対策を講じ、そして、いつしか対岸が見えて来た。
黒猫ナイトの冒険
捨て猫ナイトは一旦飼い主を得て、でも段ボールに敷き詰められていた“あったかいもの”が忘れられずに家を飛び出し、そして今はカラスのキングと餌についての攻防を繰り広げている。キングは何故かナイトばかりを目の敵にしているようだ。
妾(わたくし)は、猫で御座います
妾こと猫が繰り広げる傍迷惑なこと、いたずらというのは、実はひとを守るためなのでございます。というのも、妾どもは寿命が随分延びまして…。
ショートショート倍倍ケーキ
秘密基地
ボルネオの熱帯雨林の研究をしていたおじさんから、ボクは秘密基地を貰った。地上80メートルくらいに打ち上げられる、風船のような観測道具。そこに入って遠くを眺めてたら、ある日同じような秘密基地が上がっているのを見つけてしまった。
お片づけロボット
念願の「お片づけロボット」を手に入れてご満悦の「あたし」。でもあちらを立てればこちらが立たず、要る物、要らない物のプログラミングに何度も苦労している。
基盤事件
無人の家で、家具たちの裁判が始まった。この家の主人、奥さんが転んで基盤で頭を打って救急車で運ばれた事件について。奥さんのそそっかしさが原因、でいい筈なのに、基盤は自分が犯人だと言い出す。これまでの長い歴史や屈託と共に。
なごみちゃんの大晦日
花卉農家のなごみちゃん、大晦日に不思議な夢を見た。亡くなったおばあちゃんの声が、農園の中にある祠へ導こうとするもの。だが、辺りは真っ暗だし、土砂降りにはなるし、守ろうとした球根は雨でずぶぬれになるし…。
新井素子さん猫飼ってるのね、ってのが第一印象(笑)。可愛さも欠点も含めた上で、愛してらっしゃるんでしょうね。独特の文章は相変わらず、くどいよ、もっとさくさく話進めようよ、と思うこともありましたが、何しろ新井さんだもんなぁ。お話自体は面白いし。
とりあえず、作家生活四十周年おめでとうございます。…高校生デビューだもんな、凄いなぁ。