読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

読書 作家別あ行

一ノ瀬ユウナが浮いている 乙一著 集英社 2021年

ネタばれになってるかも、すみません; 幼馴染みの一ノ瀬ユウナが、宙に浮いている。十七歳の時、水難事故で死んだはずのユウナは、当時の姿のまま、俺の目の前にいる。不思議なことだが、ユウナのお気に入りの線香花火を灯すと、俺にしか見えない彼女が姿を…

みとりねこ 有川ひろ著 講談社 2021年

猫にまつわる短編集。 ハチジカン ~旅猫リポート外伝~ サトルとコーちゃんに拾われたブチの仔猫は、サトルの家の飼い猫になった。ハチと名付けられたちょっと鈍くさい彼を、「おっとりしてる」と評したサトル。大騒ぎして修学旅行に出かけている間に、お父…

久遠の島 The book of pledge 乾石智子著 東京創元社 2021年

〈オーリエラント〉シリーズ、『夜の写本師』へと連なる最初の物語。 ネタばれになってるかも、すみません; 〈久遠の島〉、そこは世界中のあらゆる書物を見ることができ、本を愛する人のみが入ることを許される楽園だ。全ての書物が今保存されている状態で…

バイバイ、ブラックバード〈新装版〉 伊坂幸太郎著 双葉文庫 2021年

星野一彦は借金のカタに、〈あのバス〉に乗せられて、おそらく二度と帰れないある場所に連れて行かれることに。せめてもの、と5人の恋人に別れを告げることを願い、お目付け役の繭美(身長190センチ体重200キロの金髪ハーフ)と共に5人の女性を順々に訪れ…

烏百花 白百合の章 阿部智里著 文藝春秋 2021年

八咫烏シリーズ外伝。短編集。 かれのおとない 北領の茂丸の実家を訪れた雪哉。学生の頃からなじみだった彼が、茂丸の死後変わってしまったことを、茂丸の妹のみよしは感じていた。 ふゆのことら 北領の風巻郷長の三男坊 市柳は力を持て余して地元で暴れるま…

櫻子さんの足下には死体が埋まっている キムンカムイの花嫁 太田紫織著 KADOKAWA 2018年

シリーズ14冊目。 第壱骨 キムンカムイの花嫁 櫻子さんの屋敷で盗聴器が発見された。取り除いてはかえって怪しまれる、とそのままにすると言う。ばあやさんにも知らせない、との方針を受けて、せめて自然に部屋から離れようと温泉旅行に連れ出すことになった…

「おたく」の精神史 1980年代論 大塚英志著 講談社現代新書 2004年

この国はなぜ袋小路にはいったか?ニューアカ、ロリコンまんが、フェミニズム、黒木香、糸井重里、新人類、宮崎勤、岡田有希子、都市伝説、UWF ロリコンまんがの誕生、岡田有希子の自死、キャラクター産業の隆盛、都市伝説ブーム、フェミニズムの隘路。現代…

櫻子さんの足下には死体が埋まっている わたしのおうちはどこですか 太田紫織著 KADOKAWA 2017年

シリーズ13冊目。 第壱骨 わたしのおうちはどこですか・後 鴻上百合子の暗示を読み解いて、正太郎と櫻子は『新ジェットコースターの道』に車を走らせた。側道の廃屋で出会った百合子は、自分が柚胡香を攫ったことを告白する。櫻子に睡眠薬を飲ませ、眠らせた…

櫻子さんの足下には死体が埋まっている ジュリエットの告白 太田紫織著 KADOKAWA 2017年

シリーズ12冊目。 第壱骨 ケルヌンノスの妙薬 9月、東京の大学に通う兄が帰省、正太郎に「一緒に旅行しよう」との声が掛かった。何だかんだ、櫻子さんも一緒に足寄、網走の博物館を巡ることに。途中に寄った親戚の家で、猟った鹿の頭部が何故か無くなった、…

櫻子さんの足下には死体が埋まっている 蝶の足跡 太田紫織著 KADOKAWA 2017年

シリーズ11冊目。 ネタばれになってるかも、すみません; 第壱骨 蝶の足跡 櫻子さんとばあやさんが姿を消して1カ月足らず。薔子さんのアドバイスを受けて、正太郎は磯崎先生と層雲峡を目指す。途中で寄った昆虫館で、背の高い女性と老婦人の二人連れを見た、…

白の劇場 恩田陸著 河出書房新社 KAWADEムック 2021年

ミステリー、ファンタジー、ホラー、青春小説、SF……多彩なジャンルを縦横無尽に越境し、幅広い年代から愛される恩田陸の作品世界を徹底特集。書き下ろし小説、未収録エッセイ他収録。 (出版社HPより) 恩田陸作家生活30年を記念したムック本。 これは楽しい…

再生(仮) 緒方恵美著 角川書店 2021年

超大変な壁を越え、これでしばらく安堵できると思う側から、必ずそれより大きな新しい「壁」が現れる…。生誕から現在までのトライ&エラーや作品秘話を綴った、声優・緒方恵美の自伝。カラーグラビアも収録。 声優・緒方恵美、初の自伝本発売! 『新世紀エヴ…

灰の劇場 恩田陸著 河出書房新社 2021年

「私は確かにその二人を知っていた。もっとも、私はその二人の顔も名前も知らない。」始まりは、三面記事。これは、“事実に基づく物語"。 大学の同級生の二人の女性は一緒に住み、そして、一緒に飛び降りた――。いま、「三面記事」から「物語」がはじまる。き…

庵野秀明のフタリシバイ ~孤掌鳴難~ 庵野秀明著 木俣冬企画・構成 徳間書店 2001年

'97年夏に公開された劇場版「新世紀エヴァンゲリオン」以降「ラブ&ポップ」「彼氏彼女の事情」「式日」までを、鴻上尚史、野田秀樹ら演劇人を中心に10人の表現者たちと語り尽した対談集。 これは '97~'01の庵野秀明の心の記録でもある。 (出版社紹介文よ…

赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。 青柳碧人著 双葉社 2020年

連作短編集、になるのかな。 第1章 ガラスの靴の共犯者 赤ずきんがクッキーの包みとワインのボトルを持って旅をしていると、森の中で魔法使いに出会いました。ところがこの魔法使いがぽんこつで、赤ずきんの靴を泥だらけにしてしまいます。小川で靴を洗って…

櫻子さんの足下には死体が埋まっている 八月のまぼろし 太田紫織著 KADOKAWA 2016年

シリーズ10冊目。 第壱骨 片羽の烏 正太郎の家の前に、連続して烏の死体が遺棄された。どの死体も片羽が折れ、死因は溺死だった。正太郎をつけ狙う白い軽自動車も現れ、乗っていた女性は「9月14日を忘れたか!」との捨て台詞を残して去る。その日は、正太郎…

陸王 池井戸潤著 集英社 2016年

ネタばれあります、すみません; 勝利を、信じろ。足袋作り百年の老舗が、ランニングシューズに挑む。このシューズは、私たちの魂そのものだ! 埼玉県行田市にある老舗足袋業者「こはぜ屋」。日々、資金操りに頭を抱える四代目社長の宮沢紘一は、会社存続の…

日曜日は青い蜥蜴 恩田陸著 筑摩書房 2020年

少女時代のエピソードあり、笑える読書日記あり、真摯で豊かなレビューあり……。約10年ぶりに放たれる待望の新刊エッセイ集! 書き下ろしあとがき収録。 (出版社紹介文より) あとがきに曰く、主に本や映画などの「鑑賞」系を中心にしたエッセイ集、第二弾。…

死にがいを求めて生きているの 朝井リョウ著 中央公論新社 2019年

「螺旋プロジェクト」平成篇。 誰とも比べなくていい。そう囁かれたはずの世界はこんなにも苦しい――「お前は、価値のある人間なの?」 朝井リョウが放つ、〝平成〟を生きる若者たちが背負った自滅と祈りの物語 植物状態のまま病院で眠る智也と、献身的に見守…

イスランの白琥珀 乾石智子著 東京創元社 2020年

〈オーリエラントの魔道師〉シリーズ。イスリル帝国建国から中興まで。 ネタばれになってるかも、すみません; 国母イスランにその才を見いだされた大魔道師ヴュルナイ。いまわのきわのイスランに、白琥珀と共に国の行く末を託されたものの、王族の後継者争…

櫻子さんの足下には死体が埋まっている 狼の時間 太田紫織著 KADOKAWA 2016年

シリーズ9冊目。 ネタばれになってるかも、すみません; 第壱骨 狼の時間 夏。正太郎の元に差出人不明の写真が届く。写っていたのは愛犬ウルフの無残な姿。花房の仕業と思い込む正太郎に、櫻子さんは違うと告げる。正太郎は櫻子の叔父の助手 青葉を花房の正…

櫻子さんの足下には死体が埋まっている はじまりの音 太田紫織著 KADOKAWA 2015年

シリーズ8作目。 第壱骨 ウラ ト オモテ 四月。正太郎は今居、鴻上と同じクラスになった。三人でよくつるんでいたら、転校生の阿世知蘭香が鴻上に声をかけて来る。「親友になってほしい」「三という数字は残酷ね、鴻上さん?」。ゴスロリでオカルト趣味の阿…

ワトソン力 大山誠一郎著 光文社 2020年

連作短編集。 ネタばれになってるかも、すみません; 警視庁捜査一課に所属する和戸宋志、彼はそばにいる人間の推理力を飛躍的に向上させる特殊能力「ワトソン力」の持ち主だった。ある日いきなり拉致監禁された和戸は、この犯行は自分の能力を利用しようと…

楽園の烏 阿部智里著 文藝春秋 2020年

『八咫烏』シリーズ 第2部1巻。 ネタばれあります、すみません; 血の繋がらない資産家の父から、安原はじめは山を継いだ。元々放浪癖のある山師だった父は7年前から行方不明になっていて、相続における条件は一つ「どうしてこの山を売ってはならないのか…

櫻子さんの足下には死体が埋まっている 謡う指先 太田紫織著 KADOKAWA 2015年

シリーズ7冊目。 第壱骨 Bloody Valentine's Day 正太郎の上靴の靴紐が切られた。昼の弁当が汚されていたり、購買部で買ったパンに針が刺さっていたり、被害はエスカレートしていくが、Phantomの影がちらついて、正太郎は誰にも相談することができない。パン…

櫻子さんの足下には死体が埋まっている 白から始まる秘密 太田紫織著 KADOKAWA 2014年

シリーズ6冊目。 ネタばれあります、すみません; 第壱骨 土を掘る女性(ひと) 正太郎が中学三年生の時。義理の祖父母の家の近くに住んでいたおばあさんが、老人ホームからいなくなったらしい。正太郎は、血まみれの荷物を抱えている美女――櫻子さんの姿を見…

Another 2001 綾辻行人著 角川書店 2020年

ネタばれ…になるのかな、一人目はもう本編中で種明かしされてる感があるんだけど、あります、すみません;始まってしまった。そんなはずは、なかった……のに、どうして。 今年の〈もう一人〉は、誰――? 多くの犠牲者が出た1998年度の〈災厄〉から3年。春から…

スキマワラシ 恩田陸著 集英社 2020年

ネタばれになってる気がします、すみません; 纐纈散多(こうけつさんた)は自分の名前の由来を知りたいと思っている。でも建築家の両親は散多が幼い頃死んでしまっているし、8歳違いの兄 太郎も聞いていないという。兄は古い建材を扱う古物商で、散多は特定…

イマジン? 有川ひろ著 幻冬舎 2020年

ネタばれなってる気がします、すみません; 想像力は、あるかい? 憧れの映像制作の現場に飛び込んだ、良井良助(27歳)。聞き慣れない業界用語が飛び交う現場に戸惑う日々だが、そこは現実と物語を繋げる、魔法の世界だった。 「必死で知恵絞って想像すんの…

櫻子さんの足下には死体が埋まっている 冬の記憶と時の地図 太田紫織著 KADOKAWA 2014年

シリーズ5作目。長編。 蝶形骨が失われた頭蓋骨について、櫻子はかつて、同じような遺体が見つかった事件ファイルを思い出す。それは法医学者の叔父 設楽が記録したもの。十年前、蓴菜沼で見つかった遺体は、湖に首が落ちて、頭蓋骨が破損していた。自殺と…