読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

ドミノin上海 恩田陸著 角川書店 2020年

シリーズ、になるのかな、2作目。

イグアナが料理されれば盗賊団が上海に押し寄せ、そこに無双の甘党が上陸。風水師が二色に塗り分けられ、ホラー映画の巨匠がむせび泣くと秘宝『蝙蝠』の争奪戦が始まった! 現代アートの展示即売会にはギャンブル中毒の彫刻家と借金取りまで入り交じり、新作月餅がばら撒かれる。革ジャンの美青年がカプチーノをオーダー、一瞬で10万ドルが吹き飛んだら、上海猛牛号で渋滞をすりぬけ、まぁとにかく寿司喰寧。歯が命のイケメン警察署長が独走し、青年が霊感に覚醒したとき、パンダが街を蹂躙する!
張り巡らされた魔術に酔いしれよ! 圧巻のエンタテインメント。 (紹介文に付け足しました)

 前作『ドミノ』をほぼほぼ覚えてなくてですね、唯一と言っていいのが「子役の女の子が最後、ミュージカル(『アニー』っぽいやつ)の宣伝してたなぁ」くらい。(ごめんなさい、ごめんなさい;) 前作にも出てきた人物がいるっぽいんですが、それも思い出せない、すみません; でも、それでも何の問題もなく読めました。…何だか前より楽しかった気がするなぁ。…覚えてない癖に;;
 いくら何でも140キロのパンダ荷車に乗り込んだら気が付くだろうとか、イグアナご主人への忠誠心あるんだろうかとか、山のようにツッコミ入れながら読むのが正解なんでしょうね。印章によく似た形、包装の月餅とか出てきたら、「ほらほら、これも交じってくるよ」とわくわくしてしまう。これ、シチュエーションコメディだったんだな、と今回気が付きました。設営上無理でしょうけど、舞台化されても筋立てとしておかしくない。客席で見てたら、きっと「志村~、うしろうしろ~!!」的に盛り上がりそう。

 最終ページの初出を見たら、雑誌連載の初回が2008年11月とのこと。2回目が2011年12月まで飛んで、…よくラストまで辿り着いたよなぁ。恩田さんも編集さんも、続けて下さってありがとうございました。