読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

#読書

源氏物語 宇治の結び 上 荻原規子訳 理論社 2017年

出生の秘密をかかえる青年は自らの体から芳香が漂い、競争心を燃やし調香に熱心な宮とともに、薫中将、匂宮と呼ばれていました。 ひっそりと宇治で暮らす二人の姫君との出会いは、二人の若者を思いがけない恋の淵へ導くのでした。 (折り返し紹介文より) 源…

むすびつき 畠中恵著 新潮社 2018年

『しゃばけ』シリーズ。連作短編集。 昔会った人 広徳寺の寛朝和尚の元に収められた蒼玉は、付喪神になっていた。“若”に会いたい、と呟く蒼玉のために広徳寺に呼び出された若だんな。まるで覚えのない若だんなに代わり、貧乏神が語り始める。二百年前、まだ…

珈琲店タレーランの事件簿4 ブレイクは五種類のフレーバーで 岡崎琢磨著 宝島社 2015年

短編集。 午後三時までの退屈な風景 ある日の出来事。喫茶店タレーランに二組の客、母子とカップル。どうやらカップルの男は女にプロポーズしようとしているらしい。カップルがミュージカル観劇へ向かった後、母子は意外な行動をとり始めた。 パリェッタの恋…

白金(しろがね)の巫女 紐結びの魔導師Ⅱ 乾石智子著 東京創元社 2018年

第二巻。 ネタばれになってるかも、すみません; 悪意に満ちたイスリルの魔道師に呼び覚まされた邪悪な魂と、元コンスル帝国軍人率いる侵略軍。まさしく前門の虎、後門の狼状態で追いつめられたリクエンシスたちは、トゥーラの暮らすオルン村に難を逃れた。…

白いりゅう黒いりゅう――中国のたのしいお話 賈芝・孫剣冰編 赤羽末吉 イラスト 君島久子訳  岩波書店 1964年

童話集。 九人のきょうだい(イ族) 不思議な丸薬で、9人の息子を授けて貰ったおばあさん。その名も「ちからもち」「くいしんぼう」「はらいっぱい」「ぶってくれ」「ながすね」「さむがりや」「あつがりや」「切ってくれ」「みずくぐり」。 王さまの宮殿の…

あきない世傳 金と銀 三 奔流篇  高田郁著  2017年 角川春樹事務所

シリーズ3冊目。 ネタばれになってるかも、すみません; 大坂天満の呉服商「五鈴屋」の女衆だった幸は、その聡明さを買われ、店主・四代目徳兵衛の後添いに迎えられるものの、夫を不慮の事故で失い、十七歳で寡婦となる。四代目の弟の惣次は「幸を娶ること…

凛の弦音 我孫子武丸著 光文社 2018年

連作短編集。 第一話 甲矢(はや)と乙矢(おとや) 篠崎凜は、翠星学園高校一年生。中学から弓道を始め、現在弓道弐段。ひたすら弓道に打ち込む少女。 中学までは棚橋先生に教わっていたが、高校入学のタイミングで、棚橋先生は年齢と体調を理由に指導を引…

憑物語(ツキモノガタリ) 西尾維新著 講談社BOX 2012年

『物語』シリーズ。 ネタばれあります、すみません; 第体話 よつぎドール 二月十三日。 受験を一か月後に控えた朝、火憐のために沸かした朝風呂を月火と奪い合った阿良々木暦は、自分の姿が鏡に映らなくなっていることに気付く。 暦は忍から、斧乃木余接に…

あきない世傳 金と銀 二 早瀬篇  高田郁著  2016年 角川春樹事務所

シリーズ二冊目。 ネタばれあります、すみません; 学者の娘として生まれ、今は大坂天満の呉服商「五鈴屋」に女衆として奉公する主人公、幸。十四歳の幸に、店主徳兵衛の後添いに、との話が持ち上がった。店主は放蕩三昧で、五鈴屋は危機に瀕している。番頭…

珈琲店タレーランの事件簿3 心を乱すブレンドは 岡崎琢磨著 宝島社 2014年

シリーズ3作目。 珈琲店“タレーラン”の切間美星は、実力派バリスタが集結する関西バリスタ大会に出場した。5年前に始まったこの大会は、昨年、事情があって中止。復活した今年は前回出場者が多数、それぞれ得意分野を持っている。前回優勝者の黛冴子、石井…

あきない世傳 金と銀 源流篇  高田郁著 角川春樹事務所 2016年

物がさっぱり売れない享保期に、摂津の津門村に学者の子として生を受けた幸。父から「商は詐なり」と教えられて育ったはずが、享保の大飢饉や家族との別離を経て、齢九つで大坂天満にある呉服商「五鈴屋」に奉公へ出されることになる。 五鈴屋は現在四代目、…

女子的生活 坂木司著 新潮社 2016年

ネタばれ、ばりばりしてます、すみません; 地方から東京へ出て来て、アパレルで働くみき。ルームシェアしていた友人は恋人ができて出て行ったばかり、そこに高校時代の同級生 後藤が転がり込んできた。できれば地元の人間とは距離を置きたいのに、だってみ…

八咫烏外伝 烏百花 蛍の章 阿部智里著 文藝春秋 2018年

『八咫烏』シリーズ外伝短編集。 しのぶひと 端午、宮中行事の競馬で、見事な弓矢の腕を見せた雪哉に思わず見とれる真赭の薄に、雪哉との縁談が持ち上がった。激怒する真赭の薄、彼女に雪哉を勧めた人物は、実は…。 すみのさくら 浜木綿こと墨子の、幼い頃い…

シロガラス❺ 青い目のふたご 佐藤多佳子著 偕成社 2018年

シリーズ5巻目。 ネタばれあります、すみません; 庵から見つけた古文書を、数人は自分一人では読み解けないことを悟り、郷土史研究家の柿田春子さんに依頼することに。それによると、今は禁足になっている本尊は、昔は定期的に検めるものだったらしい。子…

心花堂手習ごよみ 三國青葉著 角川春樹事務所 2018年

連作短編集。 日本橋の小松町にある「女筆指南心花堂(こはなどう)」は、匂坂初瀬が師匠を務める、女子だけを集めた手習い所。ながらく師匠を務めていた伯母が倒れたため、初瀬は務めていた旗本の奥祐筆を辞め、心花堂を継ぐこととなった。しかし習うと教え…

月の輝く夜に/ざ・ちぇんじ! 氷室冴子著 集英社コバルト文庫 2012年

文庫未収録作品を集めたもの。 月の輝く夜に 十七歳の貴志子は、親子ほどに歳が違う恋人の有実から、彼の娘の晃子を預かってほしいと頼まれた。折しも貴志子は、有実の正妻であり晃子の母親の豊子にとんでもない嫉妬をあてられたばかり。全く気が進まないの…

真夜中のパン屋さん 午前5時の朝告鳥 大沼紀子著 ポプラ文庫 2017年

シリーズ最終巻。 5年後。 班目裕也は綾乃と結婚して、今や一児の父。娘の百葉子の垣間見える自分のDNAに少々怯える日々。 多賀田はシンガポールで佳乃と暮している。もうすぐ結婚するだろう、何しろ佳乃は身重だから。 マタニティブルーを起こしているとい…

櫻子さんの足下には死体が埋まっている 雨と九月と君の嘘 太田紫織著 角川文庫 2013年

シリーズ3冊目。 第壱骨 呪われた男 警察官 内海の依頼で内海の親友 藤岡を訪ねた九条櫻子と「ぼく」館脇正太郎。藤岡は自分が若死にすると思い込んでいるのだとか。元々親族に早死にが多く、その上「呪われた絵」や「呪われた犬」を進んで引き取っていると…

恋物語(コイモノガタリ) 西尾維新著 講談社BOX 2011年

『物語』シリーズ。 ネタばれになってるかも、すみません; 第恋話 ひたぎエンド 1月。戦場ヶ原ひたぎは貝木泥舟に会い、千石撫子を騙してほしい、と依頼する。北白蛇神社で神様になってしまった少女を。 一万円のお布施をエサに会った「神様」は、いかにも…

あやかし草子 三島屋変調百物語伍之続 宮部みゆき著 KADOKAWA 2018年

連作短編集。 ネタばれになってるかも、すみません; 固く封じ込めたはずのわだかまりが、どこまでも追いかけてくる。一歩を踏みだすために、人は胸につかえる秘事を吐き出し心の重荷をそっと下ろす。 「語ってしまえば、消えますよ」 江戸は神田の筋違御門…

真夜中のパン屋さん 午前4時の共犯者 大沼紀子著 ポプラ文庫 2016年

シリーズ第5弾。 ネタばれあります、すみません; 一年半ぶりに母親 律子と会う希実。病室にいた彼女は相変わらずのほほんとして、付き添いを希実の父親に頼んだとけろりという。 希実の戸籍上の父親は門叶樹、今は別の家庭を持って幸せに暮らしている筈。…

氷室冴子読本 氷室冴子編集責任 徳間書店 1993年

氷室冴子自身が編集長となった冴子BOOK。 新作書きおろし短編「ハリーのいちばん美しい夏」、描きおろし総天然色の絵物語「シンデレラ迷宮」、初のアニメ化「海がきこえる」の世界など、あなたの好きなそしてまったく新しい氷室ワールドへようこそ。 (出版…

無限の玄/風下の朱 古谷田奈月著 筑摩書房 2018年

短編二編収録。第31回三島由紀夫賞受賞作、第159回芥川龍之介賞候補作品。 ネタばれになってる気がします、すみません; 無限の玄 その日、家に帰ると父が死んでいた。 父・玄と叔父・喬、兄・律と従兄弟の千尋と自分とで組んでいるブルーグラスバンドのツア…

師弟の祈り~僕僕先生 旅路の果てに 仁木英之著 新潮社 2018年

『僕僕先生』、最終巻。ネタばれあります、すみません。 この作品をお好きな方は、以下の記事を読まれない方がいいかと思います。 美少女ツンデレ仙人・僕僕先生と弟子・王弁のロードノベル「僕僕先生」シリーズ、堂々完結! 時空を越えた王弁が辿りついた世…

スウィングしなけりゃ意味がない 佐藤亜紀著 角川書店 2017年

1940年代、ナチス政権下のドイツ。 金もあるし、暇もある。 無敵の悪ガキどもが、夢中になったのは敵性音楽のジャズだった――! (帯文より) 1939年ナチス政権下のドイツ、ハンブルク。軍需会社経営者である父を持つ15歳の少年エディは享楽的な毎日を送って…

ガールフレンズ 冴子スペシャル 氷室冴子著 集英社コバルト文庫 1990年

ここには、冴子さんが日頃おつきあいしている友だちがたくさん登場します。対談では生き生きした会話がきかれますし、カラーページでは、冴子さんへのメッセージとして、7人からのイラストの贈りものがあります。 きさくにインタビューに答える冴子さんの現…

噛みあわない会話と、ある過去について 辻村深月著 講談社 2018年

短編集。2018年本屋大賞受賞後第一作。 ナベちゃんのヨメ 大学時代、コーラス部でよく女子とつるんでいた“男を感じさせない男友達”ナベちゃん。卒業して七年、彼が結婚するという。部活仲間が集まった席で紹介されたナベちゃんの婚約者は、ふるまいも発言も…

六花の勇者 6 山形石雄著/宮城イラスト 集英社スーパーダッシュ文庫 2015年

シリーズ最終巻、なのかな。 ネタばれあります、すみません; <運命>の神殿で分裂した六花の勇者たち。ハンス、チャモと別れたアドレットたちは、テグネウの真の居場所を探るための罠を仕掛ける。凶魔を集めての大量焼殺、しかしアドレットはフレミーの身…

文藝別冊 氷室冴子 没後10年記念特集 私たちが愛した永遠の青春小説作家 河出書房新社 2018年

『クララ白書』『なんて素敵にジャパネスク』『海がきこえる』『銀の海 金の大地』 ――没後10年、愛され読み継がれる小説家・氷室冴子の軌跡と魅力に迫る、総特集! (出版社HPより) これは珍しく購入しました。 ネットで発売されているのを知り、どんな内容…

真夜中のパン屋さん 午前3時の眠り姫 大沼紀子著 ポプラ文庫 2013年

シリーズ第4弾。 ネタばれあります、すみません; 一学期が終了した次の日。ブランジェリークレバヤシに希実の従姉妹 篠崎沙耶が現れた。何時の間にやら金髪、眉無しに変貌し、しかも男と二人、駆け落ちして来たのだという。希実の母親に会いたいと言い、こ…