読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

あきない世傳 金と銀 源流篇  高田郁著 角川春樹事務所 2016年

 物がさっぱり売れない享保期に、摂津の津門村に学者の子として生を受けた幸。父から「商は詐なり」と教えられて育ったはずが、享保の大飢饉や家族との別離を経て、齢九つで大坂天満にある呉服商「五鈴屋」に奉公へ出されることになる。
 五鈴屋は現在四代目、二代目である夫と息子である三代目に先立たれた「お家はん」富久が中心となって、四代目が成人するまで盛り立てていた。だが四代目は廓遊びにはまってしまい、商売をないがしろにしていて、それが次男の惣次には許せない。三男の智蔵も商才を示さず読書に耽る毎日、だがその佇まいは、亡くした兄と重なる気がして幸には好ましい。
 四代目の性根を直そうと、五鈴屋は船場から嫁・菊栄を迎える。裏表のないあっけらかんとした性格は五鈴屋には馴染んだが、四代目の廓狂いは治らず、菊栄は結局実家に帰ってしまった。
 すっかり評判の落ちた四代目に、もう他家からの嫁取は望めない。先々代から務める忠義者 番頭の治兵衛の目に、「商売往来」を暗唱する幸の姿が止まる。…
                                    (裏表紙紹介文に付け足しました)

 高田さんの新シリーズ、本当はもっと先が見えてから一気に読みたかったんですが、書架にあったので思わず借りて来てしまいました。
 今回は大阪、というか関西が舞台、いやもう前半は特に馴染みのある地名満載で妙に嬉しかったなぁ。津門、鳴尾、今津、通勤で通ってますよ(笑)、甲山は私の出身中学のマラソン大会のコースだし、えっ、武庫川って暴れ川だったの??
 商家の食事メニューにもちょっとびっくり。…あれでは蛋白質足りないでしょう??
 なかなか素敵な性格で憎めないお嫁さん、菊栄さんは実家に帰ってしまいました。もう登場しないのかな、残念。で、幸に目が着けられてしまった様子です。…これは大変そうだよ;;
 次巻に続きます。