読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

月の輝く夜に/ざ・ちぇんじ! 氷室冴子著 集英社コバルト文庫 2012年

 文庫未収録作品を集めたもの。

 月の輝く夜に
十七歳の貴志子は、親子ほどに歳が違う恋人の有実から、彼の娘の晃子を預かってほしいと頼まれた。折しも貴志子は、有実の正妻であり晃子の母親の豊子にとんでもない嫉妬をあてられたばかり。全く気が進まないのに、晃子はさっさとやって来た。疱瘡の痕も痛々しい彼女は、帝への入内が決まっているという。こんな自分を愛していると言ってくれた人もいるというのに。
貴志子は貴志子で、同じ屋敷に住む従姉に通う人に、叶わぬ恋をしていた。…

 他、『少女小説化を殺せ!』短編2本と、『クララ白書番外編 お姉さまたちの日々』、『ざ・ちぇんじ!』収録。
 

 氷室冴子さんの追悼ムック本を読んで以来、まだ読んでいない作品をとりあえずチェックしたくなりまして。「手直しした」ということを考慮すれば、これが遺作になるのかな。
 人の思惑が二重、三重に絡む表題作。決して単純な話じゃないんだよな、氷室さんが大人のレーベルにも行こうとしていた、その証左にもなるような作品。今市子さんのイラストも珍しい感じ。
 『ざ・ちぇんじ!』は、多分私、高校時代に一回しか読んでないと思うのに、細かい表現をちょこちょこ覚えててびっくりしました。…思春期、恐るべし(苦笑;)。