読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

#読書

厨師、怪しい鍋と旅をする 勝山海百合著 東京創元社 2018年

連作短編集。 優れた厨師を輩出することで有名な斉家村に生まれた見習い料理人・斉鎌(さいれん)は、ある日茸を採りに入った山で、桃源の李と名乗る見知らぬ男から、不思議な鍋を借り受ける。しかしそれは煮炊きをしないでいると腹を空かして動物や人間を襲…

狼と香辛料ⅩⅩⅠ Spring LogⅣ  支倉凍砂著/文倉十イラスト  メディアワークス電撃文庫  2019年

『狼と香辛料』シリーズ21冊目。短編集。 狼と湯煙の向こう 湯屋「狼と香辛料亭」の留守番を、主人夫婦から頼まれたセリムは不安がいっぱい。早く帰ってきて欲しいのに、ホロは眷属の噂話を集め、ロレンスは湯屋仲間から頼まれたと、湯の元になる硫黄を大量…

文藝別冊 [総特集]森見登美彦 作家は机上で冒険する! 河出書房新社 2019年

『太陽の塔』『夜は短し歩けよ乙女』『有頂天家族』そして最新作『熱帯』―― 唯一無二の小説世界を築き上げてきた森見登美彦、初の総特集! デビュー15年、創作の秘密に迫る永久保存版。 キュートなSFあり、怪談ありのバラエティ豊かな短篇3作をはじめ、著者…

熱帯 森見登美彦著 文藝春秋 2018年

汝にかかわりなきことを語るなかれ――。そんな謎めいた警句から始まる一冊の本『熱帯』。 この本に惹かれ、探し求める作家の森見登美彦氏はある日、奇妙な催し「沈黙読書会」でこの本の秘密を知る女性と出会う。そこで彼女が口にしたセリフ「この本を最後まで…

罪の声 塩田武士著 講談社 2016年

ネタばれになってる気がします、すみません; これは、自分の声だ。 京都でテーラーを営む曽根俊也は、ある日父の遺品の中からカセットテープと黒革のノートを見つける。ノートには英文に混じって製菓メーカーの「ギンガ」と「萬堂」の文字。テープを再生す…

永田町小町バトル 西條奈加著 実業之日本社 2019年

ネタばれというか粗筋書いてます、すみません; 保育園落ちて、仕事を辞めた。 生活も育児も八方塞がり…… こんなニッポンじゃ、子供が産めない! 「法律を変えて、予算を勝ち取る―それができるのは、国会議員だけなのよ」。 野党・民衛党から出馬し、初当選…

フーガはユーガ 伊坂幸太郎著 実業之日本社 2018年

ネタばれあります、すみません; 常盤優我は仙台市のファミレスで一人の男に語り出す。 双子の弟・風我のこと、決して幸せでなかった子供時代のこと、そして、彼ら兄弟だけの特別な「アレ」のこと。僕たちは双子で、僕たちは不運で、だけど僕たちは、手強い…

作りかけの明日 三崎亜記著 祥伝社 2018年

ともに生きよう。 たとえ世界が終わるとしても。 十年前の実験失敗の影響で、終末思想が蔓延する街。 運命の日へのカウントダウンが続く中、 大切な人との愛しい日々を守ろうとする人々を描く。 十年前、地下プラントで、ある実験が失敗、世界を滅ぼしうる物…

ビブリア古書堂の事件手帖~扉子と不思議な客人たち~ 三上延著 メディアワークス文庫 2018年

『ビブリア』シリーズ新章。 大輔がどこかに置き忘れたという青い手帳を探す栞子。 第一話 北原白秋与田準一編『からたちの花 北原白秋童謡集』(新潮文庫) 栞子と大輔が結婚してすぐのこと。 平尾由紀子は、長いこと絶縁状態だった叔父を訪ねるに当たって…

テンプル騎士団 佐藤賢一著 集英社新書 2018年

『スター・ウォーズ』、フリーメイソンとの関連は!? 最強・最富・最大組織の全貌を明かす! 12世紀初頭に誕生した「テンプル騎士団」は、もともとエルサレム巡礼に向かう人々の保護のために設立された。しかしその後、彼らは、軍事力、政治力、経済力すべて…

秘密のチョコレート チョコレート小説アンソロジー 今野緒雪・岩本薫・我島彩子・はるおかりの・櫻川さなぎ著 集英社オレンジ文庫 2019年

チョコレートにまつわる短編集。 プラリネ 櫻川さなぎ 陸上部をサボってチョコレートカフェに通う倫子。理由はそこに勤めるショコラティエが、姉の元恋人だったから。姉に代わって別れの理由を問い詰める、きっと浮気が原因だからその現場を押さえる、と息巻…

宮部みゆき全一冊 宮部みゆき著 新潮社 2018年

長年単行本未収録だった、幻の短篇小説3本! ファン必携のコンプリートブック、満を持して誕生!! 未収録エッセイ15本、映画監督や作家との未収録対談、超ロングインタビュー、作家生活&全作品年表、いしいひさいち漫画2本、藤田新策・新潮文庫装画画廊、こ…

ナナメの夕暮れ 若林正恭著 文藝春秋 2018年

オードリー若林、待望の新エッセイ集! 『完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込』から3年。 雑誌「ダ・ヴィンチ」での連載に、大幅に書き下ろしエッセイを加えた、「自分探し」完結編! ゴルフに興じるおっさんなどクソだと決めつけていた。 恥ずかしくて…

雨上がり月霞む夜 西條奈加著 中央公論新社 2018年

連作短編集。ネタばれになってる気がします、すみません; 大坂堂島の紙問屋・嶋屋を営んでいた秋成は、町一帯を襲った火事によって店を失い幼なじみの雨月が結ぶ香具波志庵に居候することに。ところがその雨月、飄々とした性格ながら妖しを引き寄せる体質で…

あきない世傳 金と銀 四 貫流篇  高田郁著 2017年 角川春樹事務所

シリーズ4冊目。 ネタばれになってるかも、すみません; 江州波村の村人に見切りを告げられ、プライドを傷つけられた五鈴屋五代目店主惣次は、店を飛び出したまま行方不明に。店に顔を出さないまま、惣次は桔梗屋に相談を持ち掛け、弟の智蔵に会い、寄合仲…

吉祥寺の百日恋 坂本葵著 新潮社 2014年

都会の片隅、猫たちが夜毎こんな甘やかな恋愛遊戯にひたっていたとは――。 この恋は偽り、それとも真実? ――若きシャム猫の錫乃介はその美貌ゆえに放蕩の日々。かつて道ならぬ恋にあった義姉・永遠子にけしかけられ、侯爵家の令嬢・深雪を百日で籠絡出来るかの…

その先には何が⁉ じわじわ気になる(ほぼ)100字の小説 北野勇作著 キノブックス 2018年

なんだろう、この胸さわぎ……。 子どもの想像力をかき立てる100字の奇妙な物語集! 著者のルーティンワークであり、Twitterでウワサの【ほぼ百字小説】が初の書籍化。 掲載作130本は、1000作以上の作品から厳選! いつでもどこにでも持ち歩ける正方形に近いコン…

謎解きはディナーのあとで3 東川篤哉著 小学館 2012年

シリーズ3作目。 第一話 犯人に毒を与えないでください 微熱をおして駆け付けた現場、被害者は自宅のベッド毒殺されていた。風邪薬のカプセルに青酸性の毒物が仕込まれていたらしい。現場に会ったペットボトルから、影山はその使い道を推測、犯人を絞り込む…

青少年のための小説入門 久保寺健彦著 集英社文庫 2018年

「すげえの書いて、デビューしようぜ」 落ちこぼれヤンキーといじめられっ子中学生が、小説界に殴り込み! ? 小説家を目指すデコボココンビの奮闘を描く、渾身の青春長編小説。 小説家となった入江一真(かずま)のもとに、一枚の葉書が届く。とぎれとぎれの字…

インド倶楽部の謎 有栖川有栖著 講談社 2018年

社会人アリス、国名シリーズ第9弾。 前世から自分が死ぬ日まで―すべての運命が予言され記されているというインドに伝わる「アガスティアの葉」。この神秘に触れようと、神戸の異人館街の外れにある屋敷に“インド倶楽部”のメンバー七人が集まった。 神戸が誇…

耽美・華麗・悪魔主義 谷崎潤一郎文学の着物を見る 大野らふ+中村圭子編著 河出書房新社 2016年

谷崎文学に登場するヒロインの着物姿を再現! 同時代に描かれた挿絵も同時掲載。岩田専太郎が描く「ナオミ」の着物、小倉遊亀の描く「細雪」幸子の着物――挿絵と本物の着物の美の饗宴! (内容紹介より) 表紙のアンティーク着物に目を惹かれて借りてみました…

カレワラ物語 フィンランドの神々 小泉保編訳 岩波少年文庫 2008年

歌で事物を自由に変形させる呪術の力によって、永遠の賢人ワイナミョイネン、鍛冶イルマリネンなど、さまざまな英雄たちが活躍する神話の世界。 「カレワラ」は、1830年代に、医師であるリョンロートがカレリア地方の農村をたずね歩いて伝承詩を聞き取り、集…

ポルコさま ちえばなし――スペインのたのしいお話―― ロバート・デイヴィス文 瀬田貞二訳 フリッツ・アイヘンバーグ絵 岩波書店 1964年

ポルコさまのこと けものの仲間を治めるブタのポルコさまが、あなたの悩みを解いて下さること。 将軍の馬 ある雨の夜、将軍家のうまやばんアントニオがポルコ様を訪ねて来ました。将軍の白い馬の、左の前足がが悪くなってしまったというのです。早速ポルコ様…

まれびとパレード 越谷オサム著 KADOKAWA 2018年

短編集。ネタばれあります、すみません; 人生を変えてくれたのは、人間ではない何かでした――。 ゾンビ、座敷わらし、泥田坊、邪鬼――。 彼らに出会ったら、何だか少し、変わるかも!? 『陽だまりの彼女』の越谷オサム最新作。 (帯文より) Surfin’ Of The De…

30センチの冒険 三崎亜記著 文藝春秋 2018年

僕が迷い込んだのは、「大地の秩序」が乱れた世界―― 三崎亜記のすべてが詰まった傑作ファンタジー! 故郷に帰るバスに乗ったユーリが迷い込んだのは、遠近の概念が狂った世界だった。 ここでは、目の前に見えるものがそばにあるとは限らず、屋外に出ればたち…

翼竜館の宝石商人 高野史緒著 講談社 2018年

1662年晩夏のアムステルダム。宝石商人ホーへフェーンがペストで死んだ。 しかし遺体が埋葬された翌日、厳重に人の出入りが管理された館の、鉄格子がはまった部屋で、ホーへフェーンに瓜二つの男が意識不明で発見される。 画家レンブラントの息子ティトゥス…

アリバイ崩し承ります 大山誠一郎著 実業之日本社 2018年

連作短編集。 時を戻すことができました。アリバイは、崩れました――。美谷時計店には、「時計修理承ります」だけでなく「アリバイ崩し承ります」という貼り紙がある。「時計にまつわるご依頼は何でも承る」のだという。難事件に頭を悩ませる捜査一課の新米刑…

ドライブインまほろば 遠田潤子著 祥伝社 2018年

峠越えの“酷道"を照らす一軒の食堂。 義父を殺めた少年、幼い娘を喪った女、親に捨てられた男。 孤独と絶望の底で三人の人生が交差したとき、 〈まほろば〉が見せた"十年に一度の奇跡"とは? ベストセラー『雪の鉄樹』で大注目の著者が贈る、心震える長編小説…

だから見るなといったのに―九つの奇妙な物語― 恩田陸・芹沢央・海猫沢めろん・織守きょうや・さやか・小林泰三・澤村伊智・前川知大・北村薫 新潮文庫NEX 2018年

ホラー短編集。ネタばれになってるかも、すみません; 色とりどりの恐怖をどうぞ召し上がれ。 あのとき、目をそらしていたら。でも、もはや手遅れ。あなたはもとの世界には二度と戻れない。恐怖へ誘うのは、親切な顔をした隣人、奇妙な思い出を語り出す友人…

源氏物語 宇治の結び 下 荻原規子訳 理論社 2017年

薫大将は亡くなった大君の面影をもとめ、異母妹の妹に惹かれます。 匂宮はその浮舟と偶然にも会ってしまい……。 二人の男性の思いに、浮舟はある決心をします。 意外な展開とともに、人の世の計り知れない深みをまとう物語のラストです。 (折り返しの紹介文…