読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

心花堂手習ごよみ 三國青葉著 角川春樹事務所 2018年

 連作短編集。

 日本橋の小松町にある「女筆指南心花堂(こはなどう)」は、匂坂初瀬が師匠を務める、女子だけを集めた手習い所。ながらく師匠を務めていた伯母が倒れたため、初瀬は務めていた旗本の奥祐筆を辞め、心花堂を継ぐこととなった。しかし習うと教えるは大違いで、初瀬はとまどう。大店の娘で我侭なお千代を叱ったことがきっかけで、四人を残してすべての筆子に去られてしまう。けれども厳しいながらも信念を持つ伯母や、住み込みで働く政吉にお藤の力添えで少しずつ、筆子たちの信頼を取り戻してゆく。
 花見の帰り、酔っ払いに絡まれた子を庇ったり、万引きの濡れ衣を着せられた子を助けたり。いつでも初瀬は筆子たちを信じたし、どちらの事件にも南町の同心 朝比奈に世話になった。
 自分を甘やかすばかりの周囲に危機感を感じた千代が心花堂に戻り、初瀬が祐筆として勤めた屋敷の子供 小弥太も、初瀬を慕って心花堂に通い始めた。小弥太の叔父 伊織は初瀬に思いを寄せていて、朝比奈とも一触即発の状況に。いざ、胸中を打ち明けようとした矢先、初瀬の元に幼馴染の許婚が戻って来た。…                                 
                                 (裏表紙の紹介文に付け足しました)

 
 最後まで読んで、「これ、続き物じゃん!」と心の中で叫びましたよ。そうか、『みおつくし料理帳』と同じ文庫だもんな、同じような作りと言うか販売形態なんだな、と妙に納得してしまいました。
 美味しいもの(特に甘味)や庶民のお楽しみ行事なんかも織り込んで、まさしく「ほら、好きでしょ?」と差し出された感じ。さて、これ何巻まで続くのかなぁ。