読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

氷室冴子読本 氷室冴子編集責任 徳間書店 1993年

 氷室冴子自身が編集長となった冴子BOOK。
 新作書きおろし短編「ハリーのいちばん美しい夏」、描きおろし総天然色の絵物語「シンデレラ迷宮」、初のアニメ化「海がきこえる」の世界など、あなたの好きなそしてまったく新しい氷室ワールドへようこそ。                                (出版社紹介文より)

 氷室冴子没後10年記念特集を読んで以来、ちょっと私の中に氷室さんブームが来ていて借りて来ました。
 出版が徳間書店だけあって、「海がきこえる」やっぱりメインにくる感じ。この作品(アニメにしろ小説にしろ)について対談があったりインタビューがあったり。どうしても男女の視点の違い、という話になる。…これ、多分氷室さんの、後天的なテーマになってるんだろうなぁ。
 アニメオリジナルの台詞「お風呂で寝る人」ってのにはここでも触れられてましたね、で、私もこれ結構鮮明に覚えてるんですよねぇ。
 当時の(多分)コバルトの編集者さんとの確執も、結構赤裸々な文章が載ったりしてて、でもこれはエッセイ読んでたら、ああ、このことか、と思い当たることではあるのですが。
 氷室さんはエッセイや何かで主張ができるけど、編集さんは反論なりなんなりできないよな、と後年ちらっと思ったことはあったのですが、そうか、特集記事とかでインタビュー受けることはあったのね。で、氷室さんは「何をぬけぬけと」みたいな感情を持ったのかもしれないな、と思ったり。
 恋人がいたらしい、ということが仄めかされてたり、かと思うと当時の「やおい小説」を積極的に、楽しんで読んでらっしゃったことが山内直美さんのイラストエッセイで暴露されてたり。没後10年記念特集でもBL作品を「チェックしてる」ことは最後の編集さんによって明らかにされていたのですが、「楽しんで」らっしゃったのね~。『北里マドンナ』だったかでちらっと触れた文章はあった気はするんですが、そんな肯定的な書かれ方をしてた記憶がなくて、ちょっと意外でした。
 ふくやまけいこさんの絵はとにかく可愛いなぁ、ということも再認識しましたよ。
 さて、上巻しか出ていない『碧の迷宮』をどうするか。実は『シンデレラ迷宮』の三作目を換骨奪胎したもの、とか解説されると読んでみたいんだけど、でも未完なんだよなぁ、う~ん;