読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

白金(しろがね)の巫女 紐結びの魔導師Ⅱ 乾石智子著 東京創元社 2018年

 第二巻。
 ネタばれになってるかも、すみません;

 悪意に満ちたイスリルの魔道師に呼び覚まされた邪悪な魂と、元コンスル帝国軍人率いる侵略軍。まさしく前門の虎、後門の狼状態で追いつめられたリクエンシスたちは、トゥーラの暮らすオルン村に難を逃れた。村で冬を越しながら、“星読み”のトゥーラ、元拝月教の巫女エミラーダ、知恵者のリコに、ウィダチスの魔道師エイリャも加わり、千五百年前にかけられた呪いを解く方法を探す。そこで浮かび上がったのは、オルン魔国最後の女王の秘められた真の姿だった。
 女王の名はトゥルリアラル、王国第五代の王、王座に昇ったのは弱冠十六歳。政権安定のために望まぬ結婚をし、結果、王国を陥れるような恋に落ちて、愛人ツェロンのため夫君を死に追いやった。女王の側近達はツェロンを追い出したが、二年後、ツェロンは戻ってくる。隣国パイラスの軍勢を伴って。
 恋に狂った女王はツェロンを引き入れ、オルン魔国を滅ぼしてしまう。トゥルリアラルが正気を取り戻し、自分のしたことを後悔したのは恋人にうち捨てられ、子供以外の全てを失った後だった。
 再興を願い編まれた模様布、その中心に置かれた<封印の石>、布を編むために作られ、使われた剣。白い塔を通じて、トゥーラは女王の記憶を受け継ぐ。
 春先、オルン村にライディネスの軍が攻め寄せて来る。戦に参加したいと焦るユーストゥス、だがリクエンシスはユーストゥスの純粋さに傷をつけたくない。リクエンシスは大々伯父ヨブケイシスとの経緯とその悔恨を語り、ユーストゥスに判断を委ねる。
 善戦の甲斐あっていよいよ講和に持ち込もうとした矢先、網の化け物が雪解け水の洪水となって押し寄せて来た。トゥーラと共にリクエンシスは呑み込まれ、二人は<死者の谷>に。そこでヨブケイシスが呪い殺されることになった原因とその当事者たちを知り、ヨブケイシスを浄化させると共に、己の闇を認め、受け入れることとなる。
 目覚めた時、二人はロックラント州の<死者の丘>にいた。オルン村へは徒歩で一ヵ月以上、二人はトカゲのダンダンの言葉に従い、カダーへ向かう。ライディネスの軍勢は拝月教の中心地カダーを襲おうとしていた。拝月教の大軌師パネーは禁忌とされている新月の魔法を使い、エミラーダはそれを止めようと、リコと共にライディネスの軍に身を寄せる。月裏の闇を使い過ぎると、月がひっくり返る、この世は滅びる。それを阻止する為に。…
                           (前半、表紙折り返しの紹介文を引用しました)

 やっぱり、一巻目の内容を忘れてた所も多くて、ですね; 一気に読むべきだったなぁ、折角面白いのになぁ;;
 前半出て来た黄泉平坂神話、オルフェウス神話にも似た挿話、男女逆だったらどうだったか、というのは結構目から鱗、でした。そうか、逃げ出すのは男だからか、女なら飛びつくか。
 自身の闇を認めて取り込んで更に前へ進む、ってのは成長譚として王道の展開、今回あまり出番のなかったユーストゥスが、次のメインを張るのかな。ダンダンはどうやら竜になるみたいだし。赤銅(あかがね)、白銀(しろがね)と来たら三冊目は黄金(こがね)ですよね。
 次巻に続きます。