読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

読書 作家別ま行

コロヨシ!! 三崎亜記著 角川書店 2010年

三崎亜記の描くスポ根青春小説。 ネタばれになってます、すみません; 【掃除】古来、賓客を迎えた折に、散らかった部屋を競い合うように美しい挙措で清めたのが始まりと言われ、敷舞台といわれるフィールドの中で、長物を用い塵芥を回収するのことを基本ル…

宮部みゆきの怖い話 宮部みゆき著 講談社ペーパーバックスK 2010年

宮部みゆきの時代小説、再録短編集。 布団部屋 酒屋の兼子屋に奉公していた女中が死んだ。突然おびただしい鼻血を出して頓死した。女中の名はおさと、死ぬ間際まで、「鬼さんこちら 手の鳴るほうへ」と囁いていたと言う。入れ替わるように、おさとの妹・おゆ…

グ、ア、ム 本谷有希子著 新潮社 2008年

ネタばれと言うか、あらすじほとんど書いてます、すみません; 長女は北陸から東京の大学へ進学して、キャバクラ一歩手前のジャズバーでバイトをし、卒業後は就職できずにアナウンサースクールへ通学、そこで知り合った男と同棲して、今は大型スパ施設で垢擦…

乙女なげやり 三浦しをん著 太田出版 2004年

三浦しをん、エッセイ集。 …笑った~。通勤電車の中で思わず噴き出すこと数回。周りの方はさぞかし不気味に思われたことでしょう、どうもすみません; しをんさんのお祖母さまの、ファックスの説明を受けた後の「80パーセントは覚えたけど、すぐにそのうちの…

刻まれない明日 三崎亜記著 祥伝社 2009年

連作短編集。 “失われた時”が息づく街を舞台に描く待望の長編(帯文より)。…あれ、長編だったのか; ネタばれになってるかな、すみません; 序章 歩く人 沙弓は初めて見る街で、「歩く人」を見かけた。国土保全省 道路局 道路維持係 主任歩行技師。歩くこと…

宵山万華鏡 森見登美彦著 集英社 2009年

京都宵山の一日を描いた連作短編集。 宵山姉妹 バレエ教室からの帰り、宵山のカマキリが見たい、と姉が言い出した。臆病な妹は引き止めようとするが姉は聞かない。露店が立ち並ぶ通りを歩いているうちに、妹は姉とはぐれてしまう。姉を探して彷徨う妹の前に…

星間商事株式会社社史編纂室 三浦しをん著 筑摩書房 2009年

同人誌執筆を趣味にする主人公・川田幸代(29歳)をはじめとする星間商事社史編纂室の面々が、高度成長期の会社の暗部に気付く。 ネタばれになってるかな、すみません; 川田幸代は実咲、英里子とJUNEサークル『月間企画』を組んで同人誌を作り、即売会で販…

ザ・万歩計 万城目学著 産業編集センター 2008年

エッセイ集。 …万城目さん、面白い人だなぁ。勿論誇張や脚色はあるんでしょうが、あんな話思いつく人は日常考えてることも変ってるんだなぁ。 『鴨川ホルモー』の創作秘話(?)を打ち明ける。幼い頃見た、万博公園での謎の黄色い鳥について思いを巡らせる。…

ホルモー六景 万城目学著 角川書店 2007年

『鴨川ホルモー』番外編。…このごろはスピンオフ、と言うのかな?(笑)。 短編6本収録。 第一景 鴨川(小)ホルモー 京都産業大学玄武組と言えば二人静。定子と彰子、二人のタイプの違う女性は互いに男嫌い(?)で意気投合、その向こう見ずとも言える攻撃…

英雄の書 上下 宮部みゆき著 毎日新聞社 2009年

宮部みゆきの描くファンタジー。 ネタばれになってるかな、すみません; 中学二年生・森崎大樹がクラスメイトを殺傷して逃走した。大樹は成績優秀品行方正、両親や妹・友理子にはどうしても信じられない。何か犯行理由や行き先の手掛かりはないかと大樹の部…

鹿男あをによし 万城目学著 幻冬舎 2007年

万城目さん、デビュー2作目。 ネタばれになってるな、すみません; 大学の研究室で同僚と反りが合わず、「神経衰弱」と揶揄された「おれ」は、一旦奈良の女子高・奈良女学館に物理の非常勤教師として赴任することになった。 赴任早々、受け持った1-Aクラス…

悶絶スパイラル 三浦しをん著 2008年 太田出版

三浦しをんエッセイ集。 やっぱりこの人の言葉のセンスって凄いなぁ。相変わらず名言目白押し(笑)。 ガンダムを見たことのない女の子に「これがニュータイプというものか……!」と衝撃を受ける。 たぶん女は、「女になる」コツさえつかめば、あとは「女でい…

鴨川ホルモー 万城目学著 産業編集センター 2006年

第4回ボイルドエッグズ新人賞受賞作。 このごろ都にはやるもの、勧誘、貧乏、一目ぼれ。 葵祭の帰り道、ふと渡されたビラ一枚。 腹を空かせた新入生、文句に誘われノコノコと、 出向いた先で見たものは、世にも華麗な女でした。… そうして二浪の末京都大学に…

廃墟建築士 三崎亜記著 集英社 2009年

短編4編収録。 七階闘争 七階で連続して事件が起きている。主婦殺人事件、中学生の飛び降り自殺、火災、老人の孤独死etc. 市議会は根本原因を断ち切るべく、七階の撤去を決定した。七階に住む森崎は市の職員から十階への移動を依頼される。同じく七階に住む…

恋文の技術 森見登美彦著 ポプラ社 2009年

守田一郎は京都の大学から能登半島の実験所へ派遣された大学院生。毎日谷口さんから無知無知野郎と罵倒されつつ、クラゲの研究に勤しんでいる。京都に帰るまでの半年間、守田はとにかく手紙を書きまくる。 友人・小松崎の恋の悩みに乗る。 先輩・大塚緋沙子…

人生激場 三浦しをん著 新潮社 2003年

週刊新潮に連載されたエッセイを一冊にまとめたもの。 う~ん、相変わらずかっ飛んでるわ(笑)。 勿論「エッセイ用三浦しをん」と言う仮面を被っているんでしょうが、この妄想力と観察力と自分突っ込み凄いなぁ(笑)。 高村薫『晴子情歌』の内容を予想する…

仏果を得ず 三浦しをん著 双葉社 2007年

文楽を舞台にした連作短編集。 健は師匠の人間国宝・笹本銀大夫に、鷺澤兎一郎と組むよう言われてしまった。兎一郎は義太夫三味線弾きの若手では随一の実力者、だが無口で愛想のかけらもない変人。チームワークもどこへやら、今日も一人食堂でプリンを食べて…

告白 湊かなえ著 双葉社 2008年

友人の家に遊びに行ったら本棚に並んでまして、無理矢理借りて来ました。祥さん、いつもありがとう♪ 湊かなえデビュー作。第29回小説推理新人賞受賞。 2008年度週刊文春ミステリーベスト10の第1位、『このミステリーがすごい!』第4位、一章ごとにそれぞれの…

おそろし 三島屋変調百物語事始  宮部みゆき著  角川書店  2008年

連作短編集。 ネタばれになるかな、すみません; 第一話 曼珠沙華 袋物屋の三島屋に、川崎宿の旅籠の娘・おちかが奉公にあがった。おちかは三島屋主人・伊兵衛の姪に当たる。ある日、急な用事で出かかけた伊兵衛夫婦の代わりに来客の相手をしたおちかは、そ…

三四郎はそれから門を出た 三浦しをん著 株式会社ポプラ社 2006年

あちこちの雑誌や新聞に書いたエッセイを集めたもの。 色々な本を紹介したり、日常について語ったり。恋愛沙汰に殺気を発し、電車の中で周囲の人の読む本が気になり、理想の本屋さんに思いを巡らす。 三浦さん、有栖川さんや京極さんお好きなんですね~、何…

美女と竹林 森見登美彦著 光文社 2008年

森見登美彦氏の竹林に対するコダワリを描いた、エッセイ風の小説。…なのかなぁ??(笑) どうして反省しないのか。 虚心に己を見ないのか。 登美彦氏は言う――「そんなおそろしいことは、お断りだ!」と。 そんな登美彦氏が惹かれるのは竹林。思い余って大学…

妄想炸裂 三浦しをん著 新書館 2001年

三浦しをんさんのエッセイ集。 羽海野チカさんの表紙も可愛らしい一冊。後表紙や見返しの羽海野さん流著者近影が羨ましい。 古本屋でバイトし、銀幕のスタア俳優に思いを馳せ、まん○らけに敵情視察に向かい、バンドの追っかけをし、日々妄想に耽る。三味線を…

鼓笛隊の襲来 三崎亜記著 光文社 2008年

三崎亜記短編集。 鼓笛隊の襲来 赤道上に、戦後最大規模の鼓笛隊が発生した。楽団員で構成された迎撃部隊はあえなく壊滅、鼓笛隊に飲み込まれた。防音室に籠もる者、街から出る者、住人が様々避難していく中で、園子の家には老人ホームいた祖母がやってくる…

きみはポラリス 三浦しをん著 新潮社 2007年

恋愛をテーマにした短編集。 ネタばれあります、すみません; 『永遠に完成しない二通の手紙』 岡田勘太郎のアパートに寺島良介が飛び込んで来た。二人は幼なじみ、惚れっぽい寺島は岡田に、この間合コンで知り合ったOLにラブレターを書くから手伝えと言う。…

むかしのはなし 三浦しをん著 幻冬舎 2005年

昔話をモチーフにした連作短編集。 『ラブレス』‥モチーフは『かぐや姫』。 祖父も父も27歳で死んだ「俺」は先月、27歳の誕生日を迎えた。ホストクラブで働いている。俺を贔屓にしている客は5人、そろって俺に誕生日プレゼントをくれた。 60代の主婦・石田は…

格闘する者に○ 三浦しをん著 草思社 2000年

三浦しをん、デビュー作。 大学4年生の藤崎可南子は就職活動中。さる有名百貨店の説明会に「平服で」行ってみると周りはリクルートスーツばかり、それでも面接まで残ったものの、出先の古本屋でつい大量に漫画を買い込んで、そのまま面接を忘れ家に帰ってし…

楽園 上下  宮部みゆき著  文藝春秋  2007年

『模倣犯』の世界を踏襲した長編ミステリ。 あの事件から9年。フリーライター前畑滋子を中年の女性が訪れた。いかにも人の良さそうな女性の名は萩谷敏子。40過ぎて授かった一人息子・等を交通事故で亡くしたばかりだと言う。絵を描くのが好きだった等は、賞…

有頂天家族 森見登美彦著 幻冬舎 2007年

京都を舞台にとある天狗と人間と狸の一家を描いた連作短編集。 第一章 納涼床の女神 引退した天狗・如意ヶ嶽薬師坊こと赤玉先生のアパートに通う狸がいた。名前は下鴨矢三郎、洛中に名高い立派な狸・下鴨総一郎の三男である。4匹の兄弟ともども父の知己・天…

風が強く吹いている 三浦しをん著 新潮社 2006年

ネタばれと言うか、かなり細かく粗筋書いてます、すみません; 寛政大学の文学部4年生・清瀬灰二(ハイジ)はある春の夜、万引きをして逃げている新入生・蔵原走(かける)に出会う。その美しい走りに魅了されたハイジは走をスカウト、すっからかんで寝る所…

まほろ駅前多田便利軒 三浦しをん著 文藝春秋 2006年

東京と神奈川との境目にあるまほろ市を舞台にした、とある一年を描いた連作短編集。 直木賞受賞作品。 ネタばれあります、すみません; 曾根田のばあちゃん、予言する 家人の代わりに市民病院へ、ばあちゃんのお見舞いに行く便利屋・多田啓介。 帰省の間と言…